今日までさまざまなニュース記事やブログなどで書かれている、姉歯秀次一級建築士による耐震強度偽装問題。マンションのみならずビジネスホテルなどにも多数関与し、その波紋は全国的な広がりを見せている。
ヒューザー、木村建設、サン中央ホーム、シノケンなどの建築販売会社はもちろん、姉歯事務所を恒常的に使っていた設計業者、偽装を見抜けず承認してきた指定検査機関イー・ホームズなど複合的な責任の所在が浮かび上がって来ている。責任のなすり合いだという声もある。
震度5強で倒壊する恐れがあるとされたマンション13棟のうち7棟を発注したヒューザーは「都心周辺で100平米超のマンションが3000万円台」などの謳い文句で売り上げを伸ばしたという。
なけなしの金を注ぎ込んで一生に一度、大決断して購入する不動産。そりゃあ安くて広いのは大歓迎だろう。パンフレットには「地震に強い」とも書いてあり、値段が安い理由も「土地を安く購入できたから」などと説明されては、もはや信じるしかなかったのかもしれない。
だが、それだけで本当にいいのだろうか?
私の今の実家は千葉県松戸市の郊外にある。週末をのんびり過ごす家が欲しいという事で、35年ほど前に両親が建てた家である。門外漢の親父は、建設までの間ずいぶんと勉強し、業者も驚くほどの知識を得て、ついには設計まで手がけたという。基礎材には、当時としては常識はずれの倍量の防蟻剤を自らの判断で塗ったりした。
その頃の住宅地は、バス便のみの陸の孤島状態だったが、すぐに近くに鉄道の駅ができると言われていた。が、開通したのはなんと20年以上経ってからだった。でも、そのおかげで銀座まで1時間とかからないロケーションとなった。
問題は、その住宅地の奥にある一画である。昔はゴミ埋め立て場として使われていた土地だったのだが、その後、その上にテニスクラブができた。数年前、宅地として販売されたのだが、40坪超の土地で建物込み4000万円前後という低価格も手伝って、20数軒の物件は好調に売れたという。
だが、施工業者からは建築中に地中から大量のゴミや汚水、ウジ虫などがひっきりなしに出てくるという話が絶えなかった。ゴミ埋立地であるのだから当然である。地盤は軟弱だし、おそらく数年の内に沈下を起こし始めるだろう。
不思議なのは、購入した人たちである。誰一人として市役所はおろか、昔から住んでいる住人へ尋ねる事もせず、業者の「ここはテニスコートでした」という言葉を鵜呑みにしていた事である。業者は決してウソを言ったわけではないが、購入者は真実を知っていたなら絶対に買わなかっただろう。誰がゴミの上に住みたいもんか! ・・・たぶん今でも知らないのかもしれないし、知ったとしても今となっては手遅れだ。
信じるためには、決断するためには、信じられ決断できるに足る根拠を、自分で努力して掴まなければならない。その分野の素人であっても、できる限り勉強する事が必要だ。大きな買い物の時ほど、命がかかった時ほどそれが重大な結果につながってくる。安いモノには、やっぱり安いなりのワケがあるのだ。残念ながら欠陥住宅もヤブ医者も現に存在するのである。
業者各人の責任は極めて重い。それは犯罪と言ってもいいくらいだ。しかし、購入者の側に全く過失も責任も無く、全面的に被害者だと言い切ってしまえるだろうか? 購入を検討する際、せめて設計図がある程度読めるよう勉強するか、専門家に見てもらうくらいの労を惜しんではならないと思う。華やかな内装などよりも、まず構造に目を向け、そこを押さえておくべきだったのではなかろうか。
法律上では過失や責任が無かったとしても、酷なようだが甚大な損失と被害を蒙ってしまったのは、他ならぬ購入者である当人たちなのだ。
男だとか女だとかそんなのを超えた
本当に美しいその姿・
心に響きました・・我もかくあらねば・・そうありたいと
思うのでした・程遠いですが_(^^;)ゞ(2005-11-21 20:15:04)