8月に入って、すぐに新製品専門MRの研修が始まった。今日はその2日目。ここまでの学術知識研修はすべて私の担当だった。昨日の晩は懇親会&二次会であわや午前様。今日もDr招聘の勉強会をはさんで一日中しゃべりっぱなし。さすがにヘバった。寄る年波とやらも感じた。

今回のメンバーには昔からの飲み友達がいて、彼らを誘って例の代々木の居酒屋「魚籠庵」へ行った。いつもの定番メニューである幻のカツオ刺、豊後サバ刺、砂肝唐揚げ、究極のおでんなどなど、連れて行ったメンバーに気持ちいい位感激されて満足感一杯で帰宅した時、ちょうど亀田興毅のタイトルマッチが始まった。

ここで私はハッキリ言いたい。TBSと協栄ジムは何人のジャッジを丸め込んだんだ、と! 1Rにダウンを奪われ、その後も明らかに有利なラウンドも無く最終ラウンド。ここまでどう見てもランダエタが亀田に一方的に押されたというラウンドは無かった。なのに判定は115−112(ランダエタ)、113−115(亀田)、113−114(亀田)、大きな差で割れてそれぞれに1票、3人目はたった1ポイント差で亀田。2対1で亀田の判定勝ちとなった。

戦った本人には応えられない勝利だったろうが、観ているこっちには到底納得できない結果だった。思えばデビュー以来の連勝も疑惑の相手との戦いばかりだったし、このタイトルマッチにしても1階級下でチャンピオンが空位となったゆえの王者決定戦だった。通常の世界戦のようなリアルチャンピオンとの戦いではなく、勝った方がチャンピオンになれるという戦いだったのである。

プロのスポーツ興行というものは、所詮はショービジネスの側面を持っているというのは、こちらも大人として分かってはいる。亀田をバックアップしてきたTBSと協栄ジムにしても傷つく事なくサクセスさせれば、大金を生むスター誕生だという思惑もあろうから、亀田兄弟についてはある程度までは容認もやぶさかでないと思っていた。あくまで発展途上だから、である。

だが、いくら何でもこれはやり過ぎだ! 亀田のどこにダウンを喫した情勢を逆転できる場面だあったと言うのか。ジャッジ間の極端な票割れを見ても明らか、少なくともリアル格闘技でここまでひどい判定が下った記憶は私には無い。プロのジャッジたる者がこんな判定を下すのか? だとすれば何かがあったと思うのが普通だろう。ホームタウン・デシジョンでは済まされまい。この結果には各方面からの議論彷彿が断言できる。

悲願の世界チャンピオンを獲ったはずなのに、私にはその姿がカスんで見えて仕方ない。カスんだヒーローには輝きも見えない。

う〜ん、眠い。いい歳こいて朝までカラオケなんてやってんじゃねえ!

どうしても金曜日までに片付けなくてはならない仕事があったのだが、意外にも余裕を持って夕刻に完了したので、人間DOC明けも手伝い、この日で閉店するという駅前の自称「地中海料理居酒屋」へ最後の飲み会に行った。

この店「沙蘭亭」が今のスタイルで開店した時からウチの部署の連中の溜り場的存在になった。19時までは生ビールや焼酎に料理一品が付いて¥600の「おつかれセット」があり、とりあえず一杯という時に手頃である。ちなみに本当に時間が無い時、この「おつかれセット」のみで撤収する事を「30分一本勝負」という。

だが、その料理がいつも物議を醸す。おいしいどころか、イカ刺やマグロのカルパッチョ等によせばいいのに粉チーズやバルザミコ、果ては不気味なコチュジャンソースをかけて出してくる。ただのワサビ醤油の方がよっぽどマシなのに、なぜか余計な事ばかりするので、我々にケチをつけられ続ける。メニューの変化も乏しいので、数回通えばあらかたわかってしまう。

半面、不思議に品揃えのいい日本酒や焼酎は、ほとんどプレミアがつかない良心価格で、特に十四代「本丸」(¥750)や黒龍「しずく」(¥1500)、麦焼酎「中々」の四合ボトル(¥2600)は人気の的だった。そうそう、黒糖焼酎の名品「まんこい」も一升瓶(¥6000)で置いてあったっけ。私は「根知男山」「九平次」「吉田蔵」「松の司」「南」なども好きだったな。

そんな店の本当のウリは、何と言っても店長のキャラクターだった。我々とほとんど同年代のおしゃべり好きな彼は、良かれ悪しかれ常連客が来店するモチベーションになっていた。それを知ってか知らずか改築を決めたオーナー社長は、客がこの店の常連となる一番の理由がこれだと分かってたのか。風のウワサによると、1Fのパチンコ屋が不入りなので、この店も直営をやめて安定した収入のために韓国料理屋への賃貸にしてしまうらしい。それがオーナーの経営判断ならもうどうにもならない。

それにしても、まだ見ぬテナントさんとやら、周りに焼肉屋もあるというのに、ここで韓国料理をやって客が来ると思うか? テナントが繁盛しなけりゃオーナーの安定収入も無いだろうに。店長をエサにしてわがままを言いながら、リーズナブルに楽しめる店だからこそ人が集まったのだ。出張の帰りにわざわざ寄ってくる名だたる企業の常連も多かった。今後はみんなどこの店に行くのだろうか。

そんな思いでおつかれセットから始まり、在庫一掃セールの500円均一の日本酒を飲みつつ最後の閉店時間まで粘り、二次会のカラオケボックスで朝まで替え歌合戦と相成ったのである。都内や松戸から営業の連中も来たので、彼らの支店長コキ下ろしも飛び出し、終始大盛り上がりだった。

だからといって朝5時はなかろう! ああ、また眠くなってきた・・・。

「どうだ、宿題は順調か?」
「うん。もう終わった科目もあるよ」
「それなら富士山へキャンプに連れて行ってやろう」

「宿題はどんな調子だ?」
「うん。かなり余裕で終わりそうだね」
「よし、爺ちゃん家の祭りに行って来ていいぞ」

先月、夏休みで函館から帰省した息子。いつもなら青息吐息で帳尻合わせをしなけりゃならない宿題が、妙にいいペースで進んでいる。さすがに中学2年ともなれば、少しはヤル気が出てきたようだ。それとも奇跡が起きてるとでも?

・・・やっぱり世の中、甘くはないのである。

夏休みも2/3が過ぎたところで、宿題の方は実は1/3も終わっていない事が発覚! おまけに、とっくに終わっていると言ってたはずの理科や数学までもが途中までしか済んじゃいなかった。さあ、カミさんの怒るまいか!

「こんな体たらくなら、帰ってきて公立中学に行きなさい! 中卒で構わんから働きなさい! バカは高校だの大学だの行かんでよろしい! お金のムダ! とっとと先生に退学の電話をしなさ〜い!」

ああ、やっと我が家のいつもの風景が・・・。思えば上の息子の時から休みのたびに繰り返されてきた定例行事と言ってもいい。今回はカミさんも仕事で家を空ける事が多く、息子一人で留守番状態というのが気にはなっていたが、案の定。やっぱりそう来なくちゃ、らしくないよな。奇跡なんてそうそう起こってたまるか。

で、これまたいつものように説教は深夜まで及んだ。何とか退学は回避され、あと10日間は死に物狂いで優先順位の高いものからこなしていく事で落ち着いたようだ。その上で試験順位50位以内キープが函館に残れる条件に決まったようだ。身から出たサビとはいえ、どうせバレるウソをわざわざつく事もあるまいに。

英検4級合格に続いて3級合格の嬉しい成果も、この一件ですべてチャラ。函館に帰る最後の日曜日に茨城の海にアワビを食べに行くのもおあずけ。小遣いアップどころか、MPプレーヤーもPS-Pも取り上げられたまま。

息子の苦難の道はまだまだ続くのであった。