ワイドショーを賑わせている最近の「世も末ニュース」から。長編御免

稚内市で病院臨時職員の女性(46)が自宅で殺害された事件で、殺人容疑で逮捕された高校1年の長男(16)が、同じく逮捕された友人で別の高校1年の少年(15)に「金を支払う約束で殺害を依頼した」と供述している事が分かった。長男から約30万円で殺害を依頼された少年は「金が欲しかった」と供述。

山口県の徳山工業高等専門学校で、土木建築工学科5年中谷歩さん(20)が絞殺された事件で、県警は殺人容疑で逮捕状を取った同級生の男子学生(19)を指名手配した。男子学生は事件当日の28日から、登校に使っている青い原付バイクで逃走している。

昨年6月、板橋区の建設会社社員寮で管理人の両親を殺害して部屋を爆破したとして、殺人と激発物破裂の罪に問われた元都立高校生の少年(17)の論告求刑公判が30日、東京地裁であった。検察側は「徹底した矯正教育で刑事責任の重さを自覚させ、両親を殺害した事を心から反省させる事が必要」と懲役15年を求刑した。

兵庫県の会社員黒井恵子さん(21)が7月に行方不明になる事件があり、鳥取県警は31日、死体遺棄容疑で鳥取市の派遣会社社員大西孝哉容疑者(30)を逮捕した。調べによると、大西容疑者は7月8日、2人で鳥取市内のレストランで食事後、黒井さんの遺体を車で運び、同市の山中に捨てた疑い。県警は、死因の特定を急ぐと共に殺人容疑でも追及する。

いやぁ、どれもこれも人を殺すという究極の手段に至る早さと言ったら無い。どうしてこうも安易に人殺しをチョイスできるのか全くもって理解不能であきれ果てている。犯人に想像力のカケラも見えない。

 
00年に横浜市瀬谷区で会社員渡辺美保さん(22)が殺害された事件で、母親の啓子さん(53)が今月1日、相鉄線三ツ境駅近くの踏切で電車にはねられて死亡していた事がわかった。踏切に靴が揃えて置かれていた事などから県警では自殺とみている。穂積一被告(28)が1審判決の法廷で「お前らが駅に迎えに行かなかったから娘は死んだんだよ!」と家族に暴言を浴びせており、父親の保さん(57)は「被告は長女と妻の2人を殺した」と憤っている。

頼むからこんなヤツにこんな負け方をしないでほしいと思う。あまりに悲し過ぎるじゃないか。いくら法治国家と言えど、こんな人間には更正の道を探る事も与える事もムダである。終身刑が無いのなら、一刻も早く死刑にして社会から排除した方がいい。

1日午前4時50分ごろ、神戸市の14階建てマンションの中庭で、11階に住む中学1年の男子生徒(13)が倒れているのを住民が見つけた。男子生徒はすでに死亡しており、須磨署は飛び降り自殺を図ったとみて調べている。保護者は「夏休みの宿題が多く残っており、気になっていたようだ」と話し、それ以外に目立った悩みには気づかなかったとしている。生徒はバスケットボール部員で、遅刻や早退もなく、温厚でまじめな性格だったという。

たかが宿題くらいで死ぬなよ。ウチの息子だって、ついこの前まで青息吐息で夏休みの宿題に向かってた。終わらなければ当然先生に怒られるだろうが、少なくとも死のうなどとは思わないぞ。しかも運動部員ならメンタル面でも鍛えられているはずだろうに。若い命がもったいない。

04年3月、長崎市立小島中学で2年生だった安達雄大君(14)が、校内でライターを持っているところを見つかり、担任や学年主任から喫煙を巡って掃除用具庫や多目的室で生活指導を受けた。指導の途中で「トイレに行きたい」と1人で教室を出て、そのまま校舎4階から飛び降りて死亡した。

両親は「狭い掃除用具庫や薄暗い多目的室での指導で、精神的に追い詰めた」「友人関係を最重要視する思春期に、他に喫煙している生徒を密告するよう強制され、屈辱的な心境になった」「連帯責任を問われて部活動が停止になるかもしれず、友人に迷惑を掛けると自責の念に苦しんだ」と主張し、「不適切な指導で自殺に追い詰められ、学校側に安全配慮義務違反があった」として同市に約9000万円の損害賠償を求める訴えを起こした。

もし彼に喫煙の事実が無いとしたら、学校にライターを持ってくる事自体が無用な疑いの元になるとわからなかったのだろうか? 「李下に冠を正さず」事実無根なら断固主張すべきだし、喫煙目的だったのなら素直に誤るべきだった。いずれにせよ死を選ぶような話じゃない。

両親の主張とやらは根本からズレてる。指導の場所は他の生徒の目に触れない場所が敢えて選ばれただけじゃないのか? 他の喫煙者を訊かれるのがなぜ屈辱なのか? 部活動停止による友人への迷惑の本当の原因は何なのか? それ以前に、もし息子に喫煙の事実が無いのだとしたら、真っ先に濡れ衣だという事を主張すべきだろうに。主張できないという事は喫煙は事実だったという事か? だったら責任の所在はどこにある?

加藤紘一・元自民党幹事長(67)の実家と事務所が放火され全焼した事件で、逮捕された右翼団体構成員、堀米正広容疑者(65)が、加藤氏の発言に対する不満のほか「借金があって生活が苦しく、自殺して楽になろうと思った」とも供述している事が1日、わかった。

1日午前6時ごろ、東京都奥多摩町の空き地に止まっていたワゴン車の中で、女性3人が死んでいるのを青梅署員が発見した。3人のうち1人は大田区の会社員(24)、他の2人も20歳代らしい。3人は3列シートの各列に1人ずつ倒れていた。それぞれの足元には練炭の入った七輪が置いてあった。同署は、集団自殺をしたとみて身元の確認を急いでいる。

この連中はもういい。ヘタレどもが!

乗馬フィットネス器具が静かなブームだそうだ。ウチの部署の30歳の同僚もお得意の通販で「ロデオボーイ」を購入し、周囲にバカにされつつもダイエットに励んでいるらしい。

「わずか15分間乗っているだけで抜群のシェイプアップ効果! これなら毎日続けられます!」が謳い文句なのだが、同僚によると問題は別の所にあるらしい。なんと15分も乗っていると尻が痛くなって大変なのだそうだ。おまけに飲んで帰った時などは、悪酔いするのでとても乗れないと言う。「飲んだら乗るな」は車だけではなさそうである。

そんなこんなで購入後ロクに乗れていない彼であった。結局、買って2ヶ月もしないうちに早くも飽きがきている。彼はこれで、浸かっているだけでマラソン並みにカロリー消費ができる入浴剤、脂分の吸収を抑え便通が増えるコーヒー味の下剤に続き、またしても痩せる大作戦が頓挫目前である。

その話を何気なく我が家でしたら、めずらしくカミさんが乗ってきた。お手頃値段のモノなら買ってもいいとまで言う。それならばという事で本日、久しぶりに環八沿いの大型電器店へGO! となった。

行ってみると、マッサージ機の横になんと4種類も体験できるコーナーがあるではないか! さすが大型店、世の動向には敏感である。

最初は松下の「ジョーバ」シリーズで、手綱やアブミが付いていて、その動きも8の字運動でかなり激しい。シェイプアップには最も効果的だと思ったが、ネックはそのお値段。店での売値11万〜13万円とは、思わず考え込んでしまうには十分だ。

次は同僚の買ったヤツの進化版である「ロデオボーイⅡ」だ。動きの激しさはジョーバに比べて遜色ないものの、動きがやや単調でシートも他より安普請だった。これでは進化版といえど、やはり15分が限界か。但し売値は最も安く3万円弱だった。

続いては「座・む〜馬」。ジョーバとロデオボーイの中間といった存在で、ロデオボーイほど安普請でもなく、形もジョーバに近い。動きの激しさも十分であった。メーカーはフジ医療器というマッサージ機器の会社だが、なぜか同社のウェブサイトには掲載されていなかった。店の売値8万円弱。

一方、カミさんが乗ってたのはジョーバシリーズの「ジョーバフィット」という小型で女性向けという感じのマシンだった。手綱もアブミもなく、自由な体勢で乗れ、それでいて激しい8の字運動も可能だという。シートの作りも良く、これなら尻痛の心配もなさそうである。店の売値は同じく8万円弱だった。

私があれやこれやと激しくお試ししている最中に、頼んでもいないのにやはりあれやこれやと解説してくれたオバさんは、どうやら松下の回し者らしく、ジョーバ以外はどれもダメダメの一本やり。危うく押し切られそうになりつつも何とかカタログだけ受け取って逃れてきた。今の時代、実際に買うならネットでしょ。実際、お店よりも確実に安かった。

という事で、改めてネットでいろいろ比較しつつ決めようと思っている。ロデオボーイ購入をさんざんバカにした同僚にはもちろんナイショである。

秋篠宮妃紀子さま(39)は本日午前8時27分、愛育病院で帝王切開で男児を出産された。皇室に男子が生まれるのは、65年11月の秋篠宮さま(40)以来だ。約41年ぶりの皇位継承資格者の誕生で、政府が検討していた皇室典範改正案の国会提出は、当面見送られる公算が大きい。

「逆転の楔(くさび)」がついに打たれた。

91年10月に長女眞子さま、94年12月に二女佳子さまが誕生した。第三子は紀子さまの二女から12年。とても家族計画とは呼べないインターバルである。一方で雅子さまにもうこれ以上出産が望めなくなった状態で、飛び出した皇室典範改正論。あわや法案提出かと思われた絶好のタイミングでのご懐妊発表。すべてが計算され計画されていたと考える方がよっぽど自然だろう。関係者の「してやったり」の顔が目に浮かぶ。

案の定、安倍官房長官は皇室典範改正について「皇位の継承安定という極めて重大な問題。慎重・冷静に議論を進めていかなければいけない。国民的な理解も必要」と述べた。皇室の伝統崩壊の危機は回避された。

同時に雅子さまへの世間の耳目もそらせる。彼女への風当たりも和らぐだろうし、逆に温かく見守る余裕も出てくるだろう。本人はもとより皇太子もずいぶんと気が楽になったに違いない。病状回復に弾みがつくとまではいかなくとも、更なる悪化の芽をひとつは摘めたかもしれない。

今回の男子出産は、皇室だけでなくあらゆるものを好転させたと言えよう。紀子さまの株も上がり、皇位継承者を抱えた秋篠宮家の待遇も良くなる。

全てを知りつつ、全てを呑み込んだ紀子さまの心の中以外は・・・。

新薬専門チームの第3回研修の3日間が無事終わったが、息つく暇も無く3ヶ月に一度の全国研修ツアーが始まる。今回は、研修ツアーとしては初訪問となる札幌、盛岡、仙台の北国方面、都内、多摩の近場、京都、名古屋など8ヶ所を約3週間でまわる。さっそく今日は札幌へ移動する。

研修プログラムなぞはさておき、今回も夜の飲み屋との出会いが最大の関心事である。いろいろな情報を仕入れてセッティングしているので、大きな間違いは無いと思うが、そう言いながら過去に二度も「やってもうた伝説」を作ってしまったのがこの研修ツアーだったので、決して安心はできない。悪魔は心のスキに入ってきて乗っ取るのだ。油断大敵である。

というワケで、今回も印象に残った店をこのブログで紹介していきたいと思う。

【このトピックへのコメント】
  • marthaようこそ札幌へ
    今頃は全国区で有名な某エリアで、キレイなオネエさんやそれなりのオネさんと盛り上がっているのでしょうか。

    大いに楽しんでお帰り下さい。
    (2006-09-07 22:46:23)
  • Chaiemarthaさん、どうもです。
    昨夜は「全国区で有名な某エリア」で、相棒と共に食べきれない刺身の舟盛りと焼酎ボトル2本に沈んだ夜でした。「キレイなオネエさん」はいませんでした。
    (2006-09-08 16:26:13)

営業スキル研修部署のメンバーが最初にその店を札幌で見つけた。その後、我々の部署のメンバーも研修ツアーの度に一度は訪れたという。そして口々に言った。「あれは、とても食べきれない」と。一昨日の夜、満を持して我々はそこを訪れた。「たかが刺身、食べきれないワケがなかろう」と。

「大漁居酒屋 てっちゃん」はススキノのど真ん中にあった。ネットの紹介文でも「お通しとセットの舟盛り(2415円)は日替りで16〜20種のネタが並ぶ」とあるように、ここに来る客は、人数分盛られた舟盛りが自動的に出される仕組みなのだ。

店内は一種異様なムード。私の子供の頃、あるいはそれ以上昔のセルロイドのお面やおもちゃ、レコードジャケット、映画ポスターなどで溢れかえっている。ひとつひとつをよく見れば、確かに子供の頃に集めていたメンコやオマケ類、ミニチュア人形などだ。それらが当時の姿のままに所狭しと貼られ吊られている。空き待ち客と満席の客の人いきれの中で、一人タイムスリップした不思議な感触があった。

塩水ウニ、塩辛、ツブ貝のお通しを肴にとりあえず生ビール。我々が通された席は、15人程が囲める大型のテーブルがしつらえてある一角だった。そこに座っている5〜6組の客のいずれにも、まだ例の舟盛りは出ていない。どうやら皆来たばかりのようだ。しばらくすると愛想のいいおカミさんが我々のような予約客に挨拶をして回っている。「本日はご予約ありがとうございました。今お刺身を作ってますから、しばらくお待ちくださいね」

待つこと20分、追加の米焼酎のボトルも1/3に差しかかろうとする頃、例のブツが到着し始めた。人数に合わせた量なのだろうが、我々二人組の前に置かれた舟盛りはハンパじゃない! 

小さめに切られたさまざまな魚介類が高さ10センチに届く勢いでテンコ盛りされているのだ。通常の舟盛りは刺身を「並べて置く」ものであるが、ここのは「境目もなしに積上げて」あるのだ。もちろん上げ底など一切無い。だから食べても食べても減ってかない。

とは言え、それぞれのネタのレベルが極めて高いのも驚きだ。これならよほどのウルサ型だったとしても十分満足できるに違いない。事実、これ以外のものを追加オーダーする気なぞさらさら起きない。ひたすら箸を突っ込んでは新しいネタとの出会いに目を細めつつ舌鼓を打つ。まるで宝探しゲームの感覚である。気がつけば焼酎ボトルも2本目だ。

3時間以上粘ったものの、結局完食には至らなかった。他の客の舟盛りもかなり残っていた。男二人掛かりでも完全にギブアップである。そもそも最初から最後までひとつのもので、他のものを一切食べない飲み会なんて生まれて初めてである。恐るべき舟盛りとボトル2本に沈んだ夜だった。

何度も言うが、普通の宴会の舟盛りは一見豪華に見えるが、量的にも見掛け倒しが多い。でもここでは舟盛りこそが主役であり、舟盛りだけですべてを語りきっている。参った。

最近では珍しく真夏のような晴天と暑さ(34℃!)の中、もんじゃ焼きを食べに月島まで行ってきた。カミさんは広島焼きが食べたいと言ったが、ここは東京じゃ!

一口にもんじゃ焼き屋と言っても、月島には70店以上もあり、実際どこに入ってみようか迷ってしまうのだが、もんじゃ焼きなんて所詮、下町の駄菓子屋と同じような発祥である。駄菓子屋がもんじゃ焼き屋を兼ねてもいた。今でこそ月島は有名だが、昔はどこの下町にも何軒もあったのだ。私の子供の頃なんて2〜30円もあれば、おやつ代わりに十分リッチなもんじゃ焼きが食べられたもんだ。それに我々は「もんじゃ焼き」ではなく、単に「もんじゃ」と呼んでいた。

とは言え、今や月島のもんじゃは全国から客が来る。しかも同じ地域にこれだけ集まっていれば、玉石混交状態となるのが常である。そこで予め、信頼できそうなもんじゃ焼き掲示板で情報を取る。今日の日記の題名もこのウェブサイトのタイトルから拝借した。私が探したのはウマイ店情報ではない。玉石の石のほう、客を客とも思わない態度で接する、カン違い店の体験談である。そこのエジキだけにはなりたくなかったのである。

やはりあった。TV番組にも登場する有名店などは、客も行列を作って待っている。だが席に着くなり「注文は1回だけ。追加は出来ないから良く考えて」とのたまう店、いきなり「飲み物は?」と迫ってくる店、食べ終わるか終わらないうちに片づけ始め、急かされる店などが実名入りいくつも投稿されていた。

そんな掲示板情報を見ながら、月島在住の管理人さんお奨めの店として挙がっていた「おしお本店」に行ってみた。

ちょうどそこへ行く途中に、例のカン違い店のひとつがあるので覗いてみた。表には、遠くからわざわざ来たような感じの客が並んで待っている。この後彼らはイヤな思いをして帰るのかと思うと、何とも可哀想ではある。だがこれも「自己責任」だろう。命までは取られない。「よしなよ」と心の中で呟きつつ彼らの横を通り過ぎた。

店に着くと、先着の女性3人組が表のベンチで待っている。我々も表で待つ事にしたが、偶然2人テーブルが空き、すぐに通された。

メニューを見て驚く。一体何時からもんじゃはこんなに豪華で高価な食い物になっちまったんだ? シンプルなもんじゃでも600円以上、ちょっと凝ったものだと1000円以上する。飲み物と、もんじゃだけ食べても客単価は1500円程度になるだろう。結構いい商売である。

だからこそ、美味しくて居心地のいい店が求められる。満員の客だったが、店員さんはキビキビと動き、オーダーの遅れも少ない。もちろん急かされる事もない。オーダーしたのはベースのキャベツに肉、切りイカ、タコ、ソバなどが盛られた「五目」と明太子が丸ごと乗った一番人気の「明太・モチ・チーズ」、残念ながら車だったのでウーロン茶。

もんじゃは具を先に炒めつつドーナツ状に土手を作り、その中へ汁を流し込んで徐々に成形する。だがそれは具がリッチになった昨今の事である。昔は焼く時に土手を作るなんて上品な事はしない。具もろともスプーンに3杯くらいずつ鉄板にブチまけ、端が友達とくっ付いたら取ったり取られたりと賑やかに食べていた。何せ具はキャベツと揚げカス、紅ショウガ程度だった。せいぜいオプションで生玉子があったくらい。サイドメニューのソースせんべいまで付けると50円超の大金持ちコースとなった。

今回は今風の焼き方でやり、頃合を見計らって食べ始める。この店のもんじゃも具が多くボリュームも多めだ。女性2人だったら2人前食べきるのがやっとだろう。もんじゃは偶数、できれば4人で来る方がいい。ウーロン茶をお替りし、暑い日曜日の昼過ぎだったせいか、30分で身も心もサウナ状態になった。

4人と言えば、後から隣のテーブルに来た関西系の大学生の4人組、この店が2軒目らしく、この店の軽めの味付けに「好きや、これ」を連発してた。それはいいんだが、すぐ隣でコテコテの関西弁でツッコミを入れ合うのは勘弁してもらいたい。大阪のお好み焼きと優劣を比較しても始まらんだろうが。ここは東京じゃ!

店を出た後の月島に吹く風が心地よい。この風があるから、少々の夏は涼しく乗り切れるのかもしれない。海が近いのもいいものだ。

掲示板の管理人さんお奨め店はあと2軒。次回は「能登」へでも行ってみようか。

昨日の研修会場が府中だったので、朝からワクワクしながら出かけた。というのも、府中は大学時代に毎日のように飲み歩いた町だったからである。思い入れの強い町なのだ。仕事が終わったら積もる話をいっぱい持って、入り浸っていたあの店に行くつもりだった。

あの頃からもう25年以上も経った。実は7〜8年前、卒業以来初めて同級生と訪れた時、再開発で変わり果てた町並みにびっくりさせられた。地上を走っていた京王線が高架になり、踏切りで繋がっていた駅の北と南は、高架下の広い道路で結ばれていた。そこに当時の面影は無く、入り浸っていた居酒屋の場所も分からなくなったほどだった。

だが、大きく変わっていたのは駅前だけだった。そこから一歩商店街の路地に入れば、当時の店がまだまだ残っていた。路地に入った先の町並みはほとんど当時のままと言っていいくらいである。瞼の奥に焼きついていたあの頃の景色が、次々と蘇ってきては無性に懐かしい。これを「のすたるじぃ」というのだろうか。

入り浸っていた居酒屋は路地を入ったすぐの所にあった。当時としては珍しいキリンの生ビールが置いてあったのが、そこへ入った動機だった。店は何の変哲もない、いわゆる個人経営の居酒屋で、我々は決まって奥の8人部屋に上がり込んでは、これまた当時流行った春歌なぞを迷惑も顧みず高歌放吟していた。カラオケなどほとんど無かった時代である。

迷惑もかけ、お世話にもなった店のオヤジさんとオカミさんに、ささやかなお礼として卒業時に同級生6人で置時計を贈った。卒業した後もクラブの後輩達に引き継がれ、数年はそこが溜り場になっていたようだった。近所の典型的な大衆酒場なら1000円もあればミニコンパが出来た時代、料理も豊富だったその店でも1500円もあれば、したたか食べて酔っ払えた。そこにいた我々は、間違いなく青春真っ只中だった。

・・・さて、仕事も無事終了し同僚を誘って、当時の話をしながらその店へと向かった。一本目の路地を入る。無い。あ、間違えたと思って2本目を入る。無い。アレ、3本目だったかな? いやいやそれでは行き過ぎだ。戻って見ても・・・無い!

呆然としつつタバコ屋の兄さんに訊く。なんと1年以上前に閉店したらしい。オヤジさんは、我々より20歳近く年上だったはずだから結構いい歳にもなっていようが、ちんまり老け込む歳でもあるまい。恰幅も良かったから、もしかしたら身体でも壊したんじゃなかろうか。オカミさんや娘さんは元気だろうか。こうなってしまっては知るよしもないのが残念でならない。

心の中から何かが連れ去られてしまったような気がした。

さらば、4年間の不器用な青春。さらば、居酒屋「大宝」。

今日の研修会場は盛岡。東北地方や北海道は、極力冬場は行かないようにしている。寒いから重装備になるし道も凍ってて危ない。スキーや観光旅行なら仕方ないが、望んでまで仕事で行く必要もあるまい。

盛岡には2年前の12月に仕事で来てエラい目にあった。ま、単なる私のワガママなのだが、今回は夏の終わりの研修ツアーという事でお鉢が回ってきたのである。

ならば、過去に同僚が行って感激したという店に行かなくてはなるまい。「番屋 ながさわ」である。内陸の盛岡にあってここの魚介類はイチオシと言う。特に蒸した生ウニをトコブシの貝殻に盛って焼いた「焼きカゼ」は絶品と言う。ただしお値段はちと高め。

確かに店の入口のしつらえからして安い店には見えない。だが、まだ7時だというのに八分目まで客が入って賑わっている。人気のある証拠だろう。さっそく焼きカゼと刺盛り、それに自家製塩辛と穴子天ぷらを注文。生ビールを飲みつつ壁に目をやると、そこに書かれていたのは定番メニューには載せていない品々。岩ガキ、貝の刺身、真カレイ、アワビステーキ、前沢牛ステーキなどなど。ウマそうだが、どれも値段が書いてない!

やがて注文した品が次々と到着。貝殻に盛られた濃黄色の焼きカゼは子供の拳くらいの大きさ。幾重にも盛られたウニにスプーンがスッと入っていく。皿に移して箸で一口。破顔一笑とはこの事だ。ほっこり! 甘い! 香ばしい!

傍らの丼一杯の氷に載せられた魚名の表札付き刺盛りと黄土色の塩辛を見た瞬間、「こりゃあ、ビールや焼酎じゃツマミに失礼だ!」と、すぐさま菊の司の吟醸(500ml瓶)を注文。この酒、どの料理とも相性抜群で進む進む・・・。

ふとカウンターを見やれば、いかにもワケありカップル然とした2組の客の前に、大きな毛ガニがそれぞれ鎮座している! そういえば、去年来た50代男性と30代女性の同僚が、店長に毛ガニを勧められ、ついに断れなかったという話を思い出した。なるほど、店長もしっかり客を見とるわ。

調子に乗りついでに真ツブ貝刺と真カレイの唐揚げを追加。終わってみると2人で日本酒の瓶が4本、2リットルが消えていた。お勘定も一人9000円強と、毛ガニを食べさせられた同僚と同じくらいになってしまった。またもや半分が酒代だ。

ともあれ、2年ぶりの銀河鉄道の夜に乾杯!