出雲眞知子
あー、なんかこの人はわたしのこと嫌いなんだろうなあ、と表情やことばの端々から感じさせられちゃうのって、相手が未熟だからか、わたしが神経過敏だからか、その両方なのかわからないけど、やだなああ。

来年の授業のやり方について、ちょっとした意見を言ったら、出雲先生はあっちをやればいいんじゃないですか、こっちは僕がやりますから、みたいな返答が。こちらはそんなこと聞いてもいないし考えてもいないのになあ。

あっちもこっちもなくって、考えるのはみんなでやっていいんじゃないかと思うんだけど。なんか変だなあ。わたしが口を出すのが気に入らないのかなあ。うーん、うーん、もう全部お任せして、手を引こうかなあ。
心の中に吐き出したいものが溜まっていながら、吐き出せないのって、一番精神的によくない。
でも、吐き出したい相手が目の前にいないから吐き出せないうちはまだよくて、面と向かわなきゃいけないのに、そこを吐き出さないでじっとこらえるのは、最悪だな。

あれはどうなってます?とか聞かれたら、もはやうまくごまかすことは難しいだろう。まともに答えるなら、文章を見ることすらできなくなっちゃったんですよ、と言うしかないが、相手はなんでだか理解できないだろうしなあ。でも現実に、一切受け付けなくなってしまってファイルを開くこともできないのだから、作業が進むわけがない。
ようやく、気持ちが攻めに転じてきた。

吹っ切れたといえるほど吹っ切れていないが、ひとりでもやれる、という確信が持てたので、本当にやりたいことや言いたいことは、そちらでやればいい。

そう考えたら、意に沿わない協同作業も割り切ってできるというものだ。
あるいは、ほんとに意に沿わない協同作業なら、切り捨ててしまえばいい。
「あなたのわたしに対する態度は嫌なので、やめてください」とはっきり言うことは大事だな。
その一言が言えただけで、自分自身がすっかり元に戻った。

相手は当然ひどく不愉快だったようで、納得もしていない模様だが、まあ考えてみれば、わたしがなぜ嫌だったかわかってくれるような人だったら、わたしがこれほど追い詰められるようなことにもならなかったはずだ。
学部のローカルコミュニティで、ある企画の準備に関する指示に不満がある、という意見のメールが学生から来たということで、その意見に対する丁寧な応答が教員からあった。

ところが今度は、その応答の文章に学生のメールの一部が引用されていたことについて、「メールの引用は不要では」という指摘がどこからかあったそうで、その教員が文面を改めて書き直した。
書き直したものは、学生の質問や要望を要約した形で載せている。

なんだかなあ。どうしてそういうしょーもないこと言うんだろうか。
引用したのは、学生からの意見を正確に伝えようとした配慮だと思うんだけど。
「メールの引用は不要」とか言ってくるような人は、今度は「要約が不適切」とか言い出すんじゃないかな。

熱心に仕事をしている人が報われないようなやり方は、コミュニティの活力を無駄に奪うだけだよ。

そんなに文句があるんだったら、ローカルサイトで学部のメンバーなら誰でも書き込みできるんだから、自分のことばでちゃんと書け、ちゅうのさ。
あたしなら、最初に来た学生のメールを、そっくりそのまま名前くっつけて晒してから、回答するかもね。

(で、ここから話が思い切りとびますが、わたしのなかではつながってるので。)
なんか、変だよこのごろのネットは。著作権とか個人情報とか、めちゃうるさく言うのが偉いことなのかどうなのか知らないけど、そうやってコミュニティを疲弊させ、運営者に徒労をしい、結局は自分の首を絞めてるってことになぜ気づかないのかね。

はてなの一件、確かにやり方が唐突すぎて下手だったとは思うけど、結局のところ、一日少なくても15件からのクレーム(はてなに対する、じゃないよ、メンバーに対する)対応に追われ、当事者に連絡すらとれずに時間と労力を浪費し、なおかつ連絡がとれないのはサービス提供者の責任だと裁判所から判断されちゃうことのばかばかしさを考えたら、サービス提供者が毅然とした態度で、問題の抑止力になる方策をとるのは当たり前だ、と思うよ。

というわけで、とっとと住所登録しようと思います。
【このトピックへのコメント】
gene 2004-11-10 23:41「Re:個人情報が心配とか文句言う前に、ネットの未来を考えた方がいい」へのコメント:

嬉しい反応だなあ。

私も最初は、げ、住所登録ってなにごと?と思ったくち。

でも、そのあとで、実はこれは個人のレベルでどうこうじゃなくて、ネットコミュニティの存続に関わる問題だと気づいたのね。

今の法体系は、明らかにネットコミュニティに不利なのよ。

まじで、支えていかなきゃ守れない未来があるということに、もっと多くの人が気づいて欲しいと今は思ってる。だから、あえて書いたわけ。
【このトピックへのコメント】
  • hirikaなるほど。──て、考えれば考えるほど頭がパンクしそうですが(笑)。
    ちなみにあたしは眞知さんとは逆で、「住所登録が嫌だと? なんでよ?」と思ったクチです。
    (2004-11-11 00:23:39)
  • 出雲眞知子あらら?そうか、「なんで嫌?」か。そういう人、わたしの身近にもいたなあ。
    hirikaさんのはてなグループの方、読んでなかったのでさっき拝見しました。
    同人とか、ファンとか、わたしは頭くらくらしちゃってわかんない方なので、
    頭がパンクしそうになりました(笑)。
    わたしもちと整理が必要。コメントくれてありがとう。
    (2004-11-11 08:29:51)
  • 環和我話「Re:Re:Re:個人情報が心配とか文句言う前に、ネットの未来を考えた方がいい」そうこういってる間に、ユーザの意見を聞こう、という姿勢になったようね。まあ、これまでも歩きながら考えるやり方だったから、今度もそうなんでしょう。し...(2004-11-12 00:17:34)
  • nasumi私は単純に書物を郵送してくるのだけは勘弁って口です。
    はてなの動きがこれからどうなるのか楽しみですね。もしかしたら登録するかもしれない。
    (2004-11-12 08:36:23)
  • 出雲眞知子わたしは、はてな、というか近藤さんのファンなので、まあ応援したくなるくちでして(笑)。
    はてながこれからどうなるか、ということが、けっこう日本のネットがこれからどうなるか、
    ってことにダブってきそうなきそうな気がしてるんです。
    (2004-11-12 21:10:08)
環和我話 2004-11-11 00:12「Re:Re:個人情報が心配とか文句言う前に、ネットの未来を考えた方がいい」へのコメント:

そうこういってる間に、ユーザの意見を聞こう、という姿勢になったようね。
まあ、これまでも歩きながら考えるやり方だったから、今度もそうなんでしょう。

しかしあれだね、こういう決定に対して、じゃあ、既に書いた住所はどうなる?と食ってかかる人とか、誕生日だって必要ないだろがと言い出す人がいるところが、げんなり。

そういうレベルでわーわー言ってるネットユーザが相手じゃ、ネットの未来は語れないよな。
環和我話 2004-11-11 00:12「Re:Re:個人情報が心配とか文句言う前に、ネットの未来を考えた方がいい」へのコメント:

そうこういってる間に、ユーザの意見を聞こう、という姿勢になったようね。
まあ、これまでも歩きながら考えるやり方だったから、今度もそうなんでしょう。

しかしあれだね、こういう決定に対して、じゃあ、既に書いた住所はどうなる?と食ってかかる人とか、誕生日だって必要ないだろがと言い出す人がいるところが、げんなり。

そういうレベルでわーわー言ってるネットユーザが相手じゃ、ネットの未来は語れないよな。
もう、やってくれるわ、学生さん、ってことが頻発。

昨日は、1年生が授業でアンケートをやれといわれたとかで、学部内のローカルコミュニティに社内メールを一斉送信しちゃってさ、本来学生向けのアンケートなのに、教員までぜーんぶ、専任だけじゃなくて非常勤の先生たちまで。
ひでーーー、ってんで指摘したら、担当の先生たちはあたふたしてたけど、そのフォローがぬかってて、内部向けなんだよね。だめだこりゃ。
学生叱ればいいってもんじゃないでしょうが。

今日は、別のとこの卒論で、授業でデータとりたいという学生からメールがきたんだけど、自分の都合をとうとうと述べてお願いします、っていうから、あのねえ、指導の先生はあなたがわたしに依頼してること知ってるの?と返したら、案の定、先生の了解とってなかったようで、事情を知った教員から丁寧なお詫びメールが。
しかも、そのあと間髪いれず、本人からもお詫びと調査お願いメールが、漢字変換がこわれたとかで携帯から送ります、だって。全然反省してないじゃない。
自分の都合で勝手なこと言うんじゃないよ。

と、とうとう切れてしまった。

同じく調査でデータをとる自分とこの学生に、教員への依頼の窓口はわたしがやって、調査時の話し方の予行練習までさせて、万全を期して外に出してるわたしのやり方って、過保護かもしれないけど、今の時代やっぱり必要だわ。
お仕事日記 2004-11-13 14:20「Re:個人情報が心配とか文句言う前に、ネットの未来を考えた方がいい」へのコメント:

> はてながもっとこのコミュニティを良くする為には正しい個人情報が必要
>である、と判断した訳で、「個人情報が心配」という観点で反対をするのは
>まさに筋違いのような気がしました。

そうなんです。安心して利用できるために、住所をある種の担保として預ける、みたいな感じだと思います。

> はてなにとって、情報登録をしてもらうことで時間と労力の浪費が抑えら
>れ、問題の抑止につとめられる利点をユーザーが見失っている形と言えるで
>しょうか。

まったくその通りだと思います。見失ってる、ほんと。そこが一番問題なのに、誰もはてなが感じてた「徒労」を実感してなかったんです。

>自分はいずれ、すべての個人情報はネット上でも管理され、匿名性が失われ
>るようになれば良いなと思うこのごろです。
>(匿名の必要があれば、匿名性のあるコミュニティサービスを利用すれば良
>いので)

なるほど。ネットも実名基本がいい、ということでしょうか。
そういう考え方はありだなあ、と思うのですが、一方でなかなかそうも言い切れなくて。

で、今回の住所登録に対する違和感(わたしも最初感じた)は、匿名(実名ではないハンドル)でネットを利用しているということと、住所というあまりにも実名と結びつきすぎた情報を登録する、ということのギャップから来たのは確かだと思いました。
住所を登録するという行為が、匿名で書いている自分と衝突してしまう、という感覚なのですが、これが漠然と、匿名性が保てなくなるのではないか、という不安に流れちゃったんですね。
でも、それは話がおかしくって、はてなという会社が住所という情報を管理するというだけであって、ネット上でのふるまいは今までとなんら変わらなくていいわけですよね。
だから、わたしが最初に感じた違和感はお門違いなんで、もし今回過敏に反応したユーザの中に、同じような違和感から感情的に反発している人がいたとしたら、そりゃおかしいよ、と言いたいわけです。

「あなたが安心して匿名性を保っていけるようなネットサービスにするために、はてなは全ユーザの住所登録という方法を提案したのですよ」とね。

ただまあ、わたしは別に実名を隠しているつもりはなくて、知られてもかまわない、という感覚なので、最初感じた違和感をすぐに振り払えたのかもしれませんが。
【このトピックへのコメント】
  • 雪見[URL]わたしが今度の住所登録のことで嫌だと思ったのは、住所確認のためにランダムに葉書を送るとはてなが言っている点でした。
    つまり、ネット上で匿名で活動するにしろ実名にしろ、それは本人ひとりの問題だけれど、住所というのは一人暮らしの人は
    別として家族で暮らしている者にとっては家族共有のものだから。本人=名前まではいいけど、本人=名前=住所とつながるのは
    違和感があります。葉書を送る以外に住所を確認する方法があればいいのに、と思いました。
    ぶっちゃけた話、夫婦が別々に内緒でネット活動をしているとして、片方がどんなことをやってるかがそういう葉書で
    片方に知られるのは嫌だと思います、はい。
    (2004-11-14 10:43:50)
  • 環和我話「Re:Re:Re:個人情報が心配とか文句言う前に、ネットの未来を考えた方がいい」雪見さんのコメントへ、これは同感。わたしも、はがき送ってこられたら、ちとまずいかもです(笑)。まあ、はてなとしては、いかにして正しい住所登録をして...(2004-11-14 22:54:55)
  • DKお返事有り難うございます。僕は完全に「ネットも実名基本がいい」という訳ではなくて、サービスを利用する人たちの為にも、悪用されることを避けるため、裏では(サービス提供者には)「実名基本」。日記のサービスとして発信できる際には「事実匿名」で書ける形が良いと思いました。確かに、夫婦や家族に自分が「はてな」というサービスを利用していることが知られると嫌だ、という気持ちもよくわかるので、今回は「はてな」のやり方に拙い点があったのは否めませんね。個人的には「(住所登録を必要とする)プロバイダのメールアドレス認証」か「電話番号認証(アクティべーション?)」くらいで良かったのかも、とも考えました。ともあれ、しっかりとしたお返事有り難うございました。
    (2004-11-15 06:42:10)
環和我話
2004-11-13 22:40「Re:Re:個人情報が心配とか文句言う前に、ネットの未来を考えた方がいい」
へのコメント:

雪見さんのコメントへ、

これは同感。わたしも、はがき送ってこられたら、ちとまずいかもです(笑)。

まあ、はてなとしては、いかにして正しい住所登録をしてもらうか、ということをいろいろ考えた末に出た案なんだろうと推測はするんですが、このあたりにも今回のやり方のまずさがもろ出てますね。

わたしはあと、住所登録をしなかった場合にロックされることで、自分のダイアリーを削除することすらできなくなるのは嫌だな、と思いました。継続していくためには住所登録を求めてもいいけど、削除することを選ぶのに、登録を求める必要はないでしょう、と。

「やり方」に関しては、考える必要があることはまだいろいろあるだろうと思います。実際はてなはやり方がまずかったとわたしも思っています。

でもひとつだけはっきりしていると思うのは、今回はてなが投げかけた問題に対して、「はてなはけしからん」という反応からは、何も建設的な方向性は得られない、ということです。

はてなは、今あるサービスを守ることじゃなくて、これからどんどん新しいサービスを提案していきたいのだと思います。そのための時間やエネルギーをクレーム対策に追われて無駄にしたくない。ただそれだけなんだと思うのですよ。クレームを無にすることはできないとしても、大幅に減らすことができれば、ずいぶん違ってくるはずです。

もちろん、ネットのコミュニティにとってクレーム対策は必要悪だ、という姿勢でいくことだってできるでしょうけど、それじゃあ、ネットは変わりようがない、どうしたら変えていくことができるのか、可能性を探る姿勢に意味があると思います。

既にはてなは、例えば、ランダムにはがきを送られるのは嫌だ、という意見を受け付ける体制になっていますので、嫌だ、という声が強ければやめて、他の方策を考えるでしょう。そうやって模索していけばいいんじゃないかと思っています。
ウェブ日記が匿名であることで発展してきたことはまったく同感。

で、住所登録を求められることが、匿名で書くことと違和感があることも納得なのだけど、実際にはこのふたつはまったく独立。住所をはてなに教えたからといって、ネット上の匿名性はなんら侵害されない。ということを、ついこないだ書いたばかりなのだ。
>何かをしないことに対して、理由を並べることは簡単ですが、
>何かをするためには、理由はいらない、ということです。

これは、さきほど学生に送った返信の一部。

こういうこと一緒にやらない?と誘ったのだが、彼女らの結論はノー。
バイトが忙しい、教習所の期限がある、卒業単位があぶないので課題をちゃんとやりたい・・・いくらでも理由は出てくる。

忙しいからできないのではなく、面倒なことはやりたくないからできないのだと、どうして正直に言わないのかなあ。

失望。

じゃあ、わたしがそのイベントに力を入れてる理由は何?特に無い。しいて言えば、終わったあとにおいしいお酒が飲みたいから。
【このトピックへのコメント】
  • いづる[URL]いづるといいます。時折日記、読ませてもらっています。コメントするのは初めてです。
    読んで漠然と思ったのは、彼らがそういう事態において意志を明確にして「行きたくない」と語ることは相手の気分を害するからと考えているのではないかと思います。出雲さんがどういうことを誘われたのか伝わってこないので憶測ですが、学生さんは誘われた時点で参加することを強制されたとさえ感じたのではないでしょうか? 自分の意志を明確にするのではなく、力関係が上位に立ち自分が支配されるとさえ感じたのかもしれません。中島義道氏が『〈対話〉のない社会』で同様の事態を嘆いていたことを想起しました。
    (2004-11-16 06:14:10)
  • 環和我話「Re:理由」いづるさん、コメントありがとうございます。なるほど、そういう見方もあるな、と思いました。こういうコメントはとてもありがたいです。で、いづるさんも書かれているように、わたしが具体的な状況を書いていないので、わか...(2004-11-16 18:28:02)