最近読み終わった本
『千尋の闇』上・下 ロバート・ゴダード 創元推理文庫
随分前から、読みたいなー、とうっすら思ってはいたけれど手が出なかった本。しばらく読みつづけている書評本にて紹介されていたのをきっかけに、ついに読むことにしました。
面白かった。正確には、引き込まれた。あらすじはこんな感じ。
舞台はイギリス。チャーチルやロイド・ジョージとともに、若くして大臣に抜擢されたストラフォード(←彼は架空の人物)。しかし理由もなく婚約者に去られ、閣僚の座も追われてしまう。主人公で元教師のマーチンは、晩年彼が住んでいたマデイラの館を偶然訪れ、館の現在の持ち主からストラフォードの手記を手渡される。彼がなぜ婚約者に去られ、なぜ閣僚の座を追われたのか。その謎を解くことを依頼されて。
過去の謎を解くという体裁。最初は、この話の現在時間である1970年代前半と、ストラフォードの時代である20世紀前半との行き来が頭の中でうまく整理できず、なかなか進まなかったのですが、慣れてしまえば後は一気に読みました。上巻を読み終わった途端に下巻に手を伸ばしてしまいましたよ。少しずつ、糸がほどけていくように謎が解けていくのですが、少しずつであるために、ほんの少し先に提示される答えはわかりやすかった。言い方を変えれば、謎解きとしてはわかりやすい方だった。
が、この話の主眼は謎解きではないと思います。ストーリーテリングがうまいというのか、作品世界に引き込む力が強いんだと思う。
読み終わったときに、以前サラ・ウォーターズの『茨の城』を読んだときのことを思い出しました。読み終わったときの衝撃は『茨の城』の時のほうが大きかったけど、作品へ引き込む力はどっちも同じくらいだったと思います。
最近読みかけている本
河出書房 澁澤龍彦コレクション
これもまた、以前から気にはなってたのをついに、というもの。まだ今のところエッセイばかりで、しかも黒魔術だの悪女だの東西不思議譚だのばかり(笑)。黒魔術のなんて、ラッシュの電車の中で読むのはなかなか勇気が要りますよ。ページ開けたらいきなりサバトとか、悪魔の絵とかがあったりするんだもん(←今日の朝、ちょっと恥ずかしかったよ…)。とはいえ、そういう分野も嫌いじゃないどころか好きなんですが。
まだエッセイばかりなんで、感想も何もないなぁ。彼の書く話に早くたどり着きたいんだけど、こういうときには一から読まないと気持ち悪いのです。途中抜けてる巻があったらしょうがないとは思うけど、回った本屋の中で一番若い番号のついた本から読まないと気持ち悪くて。なので彼のお話まではもうちょっとかかりそうだなぁ。
最近読みたいと思っている本
『甲子夜話』『続甲子夜話』『甲子夜話第三篇』 東洋文庫
かっしやわ、と読みます。江戸時代の随筆。『耳袋』みたいに、見たこと、聴いたこと、町で噂になっていることなんかを書いているものですが、妖異譚というか不思議譚がわりとあるらしいので。一度図書館で借りて挫折したのですが、今年は読むぞ。第三篇までで、30冊は軽く超えてたと思うので、二年計画で。若しくは三年計画で。東洋文庫って大好きなんですが、江戸時代の文章そのままだったりするので、とっても読みづらい。なれたらするする進むんでしょうが、まずはそこが大変なのです。たぶん、今年のツアーのお供だな。一冊あれば何時間も持ちそうだし。
『雨柳堂夢咄』 波津彬子
文庫で買ってるんですが、確か第六巻が出ているはず。彼女の絵はとても綺麗で、色っぽけれどもいやらしくなくて、好きです。これもまた不思議譚。雨柳堂という骨董屋(というか道具屋)の孫息子と、彼の周りで起こるさまざまな話。一話完結。時代は……明治だか大正だかだったと思います……あんまりその辺しっかり見てなかったな、私。早く六巻買おうっと。
去年あたりから、ファンタジーをちょくちょく読むようになりました。もともと、ファンタジーというか妖精譚が好きだったんですよね。今もまだそれは残っていて、どちらかというとヒロイックファンタジーよりも妖精譚の方が好き。でもヒロイックファンタジーも読みます。あんまりビルドゥングスロマン(主人公が成長していくタイプのもの)よりも、その部分を重要視していない話のほうが好きだな。
ファンタジーやSFの名作が、去年から続々再版されてるのがまた嬉しいですね。でも、創元推理文庫はいいんだけど、ハヤカワは装丁を変えてるのが既に気に食わないのが多いのですが(←まぁこれは好みの問題)、それよりも中の文字の大きさを変え、行数も変え、結果的にものすごくページ数が増えているのが気になります。ページ数増えたら値段上がるやんか! クリスティー文庫なんか、以前出てた版のものよりも200〜300円くらい高くなってるのザラだったよ。いくら私がクリスティーファンでも、一冊あたりそんなに値段変わってたら買えるかー!
東京創元社の方はそういうことしないでね。お願いだからね。
レイ・ブラッドベリの短編が、ハリウッドで映画化されるということで、ブラッドベリの作品も続々再版されてますね。彼の作品で読んでないのはいっぱいあるから、読んでみよう。とりあえず、『たんぽぽ娘』をどこかに入れて再版してください。ハヤカワでも東京創元社でもどっちでもいい。お願いします。入ってたら絶対買います。
で、今年の目標は、250冊。現在34冊。うーん、今年はちょっとペース遅いなぁ。ツアーが来たら移動時間に相当読めるので、進むとは思うんだけど、目標達成できるかどうか。
あ、今さらですが、毎年の目標は再読ではなく、新たに読んだ本のこと。再版された本なんかは、書き下ろしがあれば新たに読んだとみなしてます。
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>28日8時
そういや、以前ルーレットボウリングで、剛くんが穿いてたジーンズのこと、最初は自分が穿こうとしてたけどやめた、って言ってましたよね。てことは、この間のあの衣装も自分で選んだってこと? ……やっぱりあの人、わかってやってるような気がしますよ。怖……(笑)。