くりす
ばるぼら氏の「教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史教科書」を池袋ジュンク堂で購入しました。

これだけ網羅されているのは素晴らしいと思います。ウェブログブーム以前のムーブメントが詳細に記録されています。

個人的には、ユリイカ版には掲載されているLycosダイアリーのβサービス開始(2001-11-29)が削除されているのが残念です。ひょっとしたらはてなダイアリーβ開始日として誤って記載されている「2002-11-27」というのが、これとの混同なのかしらと思ったりしました。(ちなみにLycosダイアリーの正式リリース日は2001/12/03)

多分この辺のことも書き残しておかないと歴史が残らないような気がするので少し正確に書いておきますと、大塚日記プロジェクトからデータが移行されて大塚日記ユーザーのみがBasic認証可でサービスを試用できるようになったβオープン日が11/29、Basic認証が解かれてプレスリリースされたのが12/3です。

大塚日記からの移行日記数は約9000件でした。ただ、当初は負荷の問題で、大塚日記からの移行データは過去1か月分しか表示されませんでした。全ての過去ログが表示されるようになったのは、2002年3月です。ここまでの期間に全過去ログのダウンロードを希望したユーザーに対しては、Lycos側が個別に対応していました。

また、時々大塚日記プロジェクトがLycosダイアリーの前身であると書いてあるサイトがありますが、これは正確には間違いです。Lycosダイアリーは大塚日記プロジェクトから日記データの無償譲渡は受けていますが、システム的にはまったく新規に作成された新サービスです。

これを前身であると呼ぶのは、同様にデータ移行が行なわれたMEMORIZEとLivedoor Blogについて、Livedoor Blogの前身はMEMORIZEですというのと同じようなものです。

当初は移行希望者のデータのみ移すというような話もあったようですが、大塚日記プロジェクトのコンセプトが、たとえ3日坊主の日記データであっても、一度書かれた内容は削除しないという方針だったので、一旦全てのデータがLycosダイアリーに引き継がれ、削除を希望する人はLycosのIDをとって削除するという方式がとられました。

また、大塚氏はデータ移行にあたって個人的に利益を得ることを辞退し、その分をユーザーに還元して欲しいと希望したので、大塚日記からの移行ユーザーについては、3ヶ月間の間、広告バナーが表示されないという措置がとられました。