古屋兎丸がその昔ヤングサンデーでやっていた女子高生いじり漫画。 女子高生を題材にしつつ独特のブラックユーモアを展開するというミスマッチがなんとも微妙な味わいを出している。 や、当時のヤンサンつーと、こういうイイ漫画が多かったんだけどね。いやはや。
  で、先日完結したスピリッツの「π」といっしょに新装版として発売されてて、そのときはなんとなくスルーしてたんだけど、魔が差して購入。 改めて読むと面白いわー。ただ、連載してたのが96年から99年頃。登場する女子高生とかアイテムが微妙に古くさいのなー。 ま、世相をネタにしているような漫画の宿命ではあるわけだが。 そういう意味では、随分昔から単行本化を望まれながら単行本になっていない「気まぐれコンセプト」なんかは、単行本にしてみたらその古さがかえって面白いんだろうなあ。って関係ないなこりゃ。

  そんなこんなで。★★☆☆☆。
  改めて買って読むほどでもないかなあ、っていう。でもま、「π」で旧作も読んでみたくなった人は読んでソンはないのでは。

(発行日:2003/07/01)

  落語家の長男として生まれながらも笑いの才能に恵まれなかった笑太が、自殺した父親の告別式の日にファミレスで出会った岸部とコンビを組んで・・・というようなお話。 や、わからんなこりゃ。
  お笑いを漫画の題材にする、ってのは非常にリスキーだと思うのね。 その一番の理由は、ネタ云々もあるけどその前に、漫才やコントが本来持つ「間」とか「テンポ」が表現しにくい、ってところにあると思う。 ま、「間」「テンポ」ってのはいつも書いてるけど、お笑いをテーマにしてなくても漫画としては重要なファクターなんだけどさ。 ただ、漫才なんかが一番面白いところってのはその臨場感にあるわけでさ。 まあ突き詰めると漫画ってのは「臨場感」を出せてナンボ、ってところがある。 つまり臨場感のない漫画ってのはつまらんのね。 ってことはテーマがお笑いであろうとなかろうと、臨場感があるかないかが問題なわけで・・・って、なんか違うな(汗)。 あー、いや、その、なんつーのかな、臨場感だけでないのね、漫画って(おい)。 いや、ほら、例えば「迫力」とか「格好良さ」とかね。 あるいは臨場感とはまたちょっと違う「テンポの良さ」みたいなものでポイントをかせぐタイプってのもあると思う。 ただ、お笑いをネタにする以上はその「臨場感」が生死をわけるってことになるのかなあ、ってね。 そういうことです。 そういう意味でこの漫画はうまいことやってるかなあ、と思いました。
  ただこの漫画、多分ほんとのテーマってお笑いそのものじゃないんだよな。 それがなんなのかってのをわしの拙い文章では表現できないのだが、なんていうのかな、 その根底のひとつにあるものは、笑太の父親の呪縛からの解放、みたいなもの、かしらね。 これが最終回でコンビ名と絡んで昇華される、って意味ではひとつの重要なテーマなんだろうけど、 なんていうか見せ方がややまどろっこしい感じがあったかなあ。 どうすればいいかってのはわからないんだけどさ。 なんていうか、読んでてもどかしい感じがしたのね。 なんとなくこういうのって、バランスなんじゃないかなー、という気がするんだけど、まあよくわからんです。

  といいつつ、なかなかよかった。 実は本誌連載時、1話は読み逃してしまった。 2話目が目についてそこから読み出した感じ。 1話目の載ってるアフタを引越しのどさくさで捨てちゃってさあ。 で、どうしても読みたかったので単行本を買った次第。 つまりはそのくらいのエネルギーがあったってことね。
  なので★★★☆☆。

  しかし今後もこの人の作品買い続けるかっつーとちょっと微妙かなあ。 なんかね、ネタにすごく左右されそうな気がする。 単純なお涙頂戴っぽい作品をこの人が書いちゃうと、ちょっとわしには合わないかもしれないなあ。 そんな気がしましたよ。

(発行日:2005/02/23)

  BECKの一番長い日。
  ひょんなことから世界的な映画監督であるジム・ウォルシュがBECKのPVの監督をやることになってしまう、という件。

  んー。悪くはない。テンポもいいし、ジムの人柄も非常にいいし、緊張感もありつつギャグの間もよい。 けど、これも飽きちゃったかなあ。なんていうのかな、発売日にがんばって本屋行って手に入れて、昼飯食いながら一生懸命読むほどじゃなくなった、って感じか。 いや、実際には発売日に買って、昼にカツ定食べながら読んでたんだけどさ。 その日はほかの単行本買ってなかったのでBECKを読んだけど、別にBECKじゃなくてもよかった、と。そういう感じ。
  って、最近いつも同じようなコト書いてるね、わし。つことで★★☆☆☆。

  アニメの方は結局最初の3話くらいみてあとは一切みなかった。 が、風のウワサでグレイトフルサウンドのあたりで終わったとか。 そうだよなあ、終わりどころとしては非常にいいよな。 や、最近ね、マンガ読んでると、 「このマンガをここから終わらせようと思ったら、あと何話くらいでどういう風に終わらせるのがベストだろう?」 とか考えることがあるんだけどね。 しかしこの作品だと、ここまでの経緯があるので、終わらせようと思ったらあと5巻分くらいはありそうだよなあ。 とか考えると、なんとなくうげーって感じになるんですよ。「うげー」ってのは悪い意味だけじゃなくてね。 なんかこう、表現しづらいんだけどさ。わかるかなあ。

(発行日:2005/04/15)

  堂々完結。
  正直なところ最後の方は飽きたし、なんていうか秋也が聖人化するっつーか、「みんな俺が背負ってやる」みたいな描写がかなり鬱陶しかった。 が、まあいいんじゃないかなあ。ここまでの流れを考えたら自然かな。 また、小説のコミカライズとしてこれだけの長編になったのも珍しいかも。 ペース配分も決して悪くはないので、それを考えてもイイ漫画だったんじゃないかな。

  全編通しての評価ってことで★★★☆☆。
  もうちょっとね、短くまとめてもよかったんじゃないかな、という気がした。 最後の方の「飽きた」っていうのは、原作知ってるせいもあるかもしれないけど、それがなくてもかなりワンパターン化してきていたってのが大きくてさ。 あと、最終戦はなにせ長すぎ。 全7巻くらいでまとめようとするなら、この辺もう少しすっきりとなおかつ濃密に書く手があったんじゃないかなあ、とか思えた。 ま、わしゃ書く人じゃないので勝手言ってますけどね。

  ともあれ、結果田口氏の漫画でよかったのかなあ、とね。 ほかの人ならこういうテンションで最後まで突っ走れなかったろうなあ。 この線で田口氏、電車男あたりも、どすか?(やめれ)

(第15巻発行日:2005/05/20)

  やあ、ずいぶん長く空いちゃいました。
  これだけ更新がなくてもお気に入り登録してくれてる人もいるし、アンテナから来てくれる人もいる、ってことは見捨てられてはいないんだろうか。

  この手のって、休みだすとクセになるのね。 定型っぽい文章なので書くのがややめんどくさいってのもかなりあるんだけど、書きにくいもっとも大きな理由、実は「どの作品を何巻まで書いたかわからなくなる」だったりします。いやあ、もう長いこと放置してる漫画とかたまに読むとさあ、「あー、これの感想書こうかな」とか思うんだけど、書いたような気もしたりして。そんなの調べりゃわかることではあるんだけど、その手間がなんだかめんどくさくてなあ。て感じで書けなかったりするわけですな。あと、なんとなく1日1トピックしか書かないってのが申し訳ないというか。誰に。いやなんとなく。

  ま、今後はそういうのキニシナイで書いていこうかなーと。ダブり上等で。えー。