新北市というのはどうもわかりにくいのだが、つまり、「首都圏の中で台北市と基隆市以外の部分」のことを新北市と呼ぶようだ。観光客としては、「新北」というのはドーナツ状の台北郊外エリアのことだと思っておけばおおむね差し支えない。
たとえば、今回は猫がいっぱいいることで有名な猴硐と陶器で有名な鶯歌に行ってみたのだが、この2つは台北中心部を挟んで全く反対側にある。住所的にはどちらも新北市なのだ。
鶯歌にはY氏が皿とか器とか多少好きなので行ってみたわけだが、まあその、やっぱりお手頃価格のものは大量生産品であって、なんなら中国本土で作ってるぐらいであった。それはそうだ。でも俺らがちゃんとした中国茶器セットとかインテリア用の巨大な壺とか買ってもしかたないしなあ。
先も書いたとおり新北というのは台北郊外のことなので、中心部の陶器街を出ると普通の町である。牛肉麺の店とかもふつうにあるし、当然台北中心部よりはちょっとだけ物価が安かったりする。
猴硐駅周辺には猫がけっこう住みついてるので、炭鉱が閉山した後に積極的に猫の村として村おこしをしているらしい。正直そこまで期待していなかったけど、実際けっこう猫があちこちで寝ていてY氏はご満悦だった。平日の午前中に行ったせいか、猫好きの人間でいっぱいということもなかったし。だいたいアレだ、猫好きは猫が好きなのであって猫好き人間は別に好きじゃないので、見に来てるやつがたくさんいると自分のことは棚に上げて不満を覚えるものだ。
猴硐猫村の上のほうの通りには観光客向けのカフェが並んでいて、てきとうに入ってみたところ、ちゃんと看板猫がいた。まだ若い個体だったようで、寝てるだけじゃなくけっこう遊んだり走り回ったりすることもあってサービス満点だ。
しかし実際この店の真に変わってるところはトイレだった。あちこち凝ったタイル貼り装飾で、なんならここだけでも一見の価値があるかもしれない。
猴硐駅には礁渓から台北に移動する途中で降りてみたので、当然荷物を全部持った状態だった。でも、台湾国鉄の駅は、ちゃんと駅員がいるようなところだと、基本的に事務室で荷物を預かってくれる制度があるようだ。枋寮駅にもあったし、同じような形式の預け荷物タグを渡されたので、統一された制度なのだと思う。