いわゆる分離壁を見た.パレスチナ自治区とイスラエル領の間に建てられたコンクリートの壁である.反対の落書がどっさり描いてあって,監視塔からは普通にイスラエル兵が見てたりする.こんなところが観光地化するというのもどうなのかと思うが,普通に観光客が来て記念写真とか撮ってた.まあ,イスラエル軍としてもそうおいそれと外国人観光客などに手は出せんだろうけど.
ベツレヘム近郊には実際観光以外の産業はあまりないわけで,ある意味飯の種にもなってるのかもしれない.ベツレヘムを散歩していると,タクシー運転手の「バンクシーの絵を案内するぞ」という営業がわりと来る.バンクシーというのは有名なストリートアーティストらしいが,壁の落書の意味的に考えて,そこだけピンポイントで見て回るのはなんか変な気もする.
ところで,そもそも外国人観光客は普通に壁を越えられる.というか,壁の一部が開いていて,その中に国境チェックポイントがあるので,パレスチナ自治区からイスラエルに入国できる者はそこも越えられるのだ.だから,ベツレヘム旧市街から歩いて分離壁まで来て(30分かそこらだと思う),チェックポイントを歩いて越え,イスラエル領に入ってからバスに乗ってそのままエルサレムに向かう,ということは普通に可能である.たまに「バス乗り場はベツレヘムの町のほうにしかないから,タクシーに乗る必要があるよ」などと言ってくるタクシー運転手もいるので注意.
ただ,車で通るためのチェックポイント入口と,徒歩の入口は別なので,これまた注意が必要だ.車用の入口の(ベツレヘムから見て)左のほうに,タクシー乗り場みたいな広場があって,その奥から徒歩で通路に入れるようになっている.