佐藤健作

こんにちは、佐藤健作です。
アフリカ・セネガルでの演奏を終え、5月1日に帰国しました。
久しぶりのアフリカ大陸上陸でしたが、非常に有意義な演奏旅行となりました。

セネガルの至宝、ドゥドゥ ンジャエ ローズさんのお名前は以前から知っていましたが、生の演奏を聞いたのは今回が初めてでした。
私達トリオがセネガルについて初日。
記者会見場にいらっしゃったドゥドゥさんは、穏やかながらも、内から強い生命力が溢れていました。
地元の文化センターで行なったミニライブコンサートは、ガラ・コンサートの次の日ということで、ドゥドゥさんはとてもお疲れの様子でしたが、いざ演奏となるとエネルギーが爆発し、会場全体を巻き込んで、その空間全体を完全に包み込んでしまいました。

ドゥドゥさんの一挙手一投足に、観客の皆が注目し、心を奪われ、魂を震わせ、その湧き上がる力は体中を駆け巡り、弾けるダンスとなって顕れます。
そこにいるのは、まさに神様でした。

「タムタムは精霊が作った楽器です。ですから、タムタムには精霊が棲みついています。演奏に熱が入れば入るほど演奏しているのは私ドゥドゥ自身ではなくなってゆきます。このドゥドゥと他の何者とが同じ一つのタムタムを一緒に演奏しているのです。」
※小平音楽研究所・エスニックページより、一部転記




もし、私が「太鼓を演奏している時に、何を考えていますか?」

と、問われたら、迷わず

「和太鼓そのものになること」

と答えます。


==小学校でミニライブ==

アフリカの太鼓と、日本の太鼓。
楽器の形も、テクニックも、ノリもまったく違う。
しかし、生きる力を沸き立たせ、心と身体に新たなる活力を与えていくのは、どちらもまったく同じ。
そして、共に、ドゥドゥさんが[精霊]と呼ぶような、その地の[見えざる力=カミ]を呼ぶ、素晴らしい力を持っています。

和太鼓公演「不二」の金沢公演が、来月に迫ってきました。
日本の太鼓は、言葉を超えて、「日本の神々」の力を伝えることのできる楽器だと思います。

「大太鼓〈不二〉の響きを、日本中、世界中の人々に届け、奥底に眠る力を呼び覚ましたい。」

自分で言うのも変なのですが、この、個人所有・世界最大の大太鼓〈不二〉は、一打ち一打ちするたびに、私をはるかに超える大きな「生命」を感じます。
長野、東京の「不二」公演後、多くの人から「〈不二〉は生きていますね。」と、感想をいただきました。
太鼓そのものが生きているように感じるのです。

〈不二〉に向かい合うと、打つことをナニモノかに託されたような気がし、「私」という小さな存在をつきぬけて、豊かな力が流れ込んできます。
そしてその力は、響きとなって皆さんの中に伝わっていきます。

=ドゥドゥさんと共に=

セネガルで、ドゥドゥ ンジャエ ローズさんという、偉大な先達に出会うことができました。
そして、この貴重な出会いから、たくさんのパワーをいただくことができました。
金沢公演は、また一味違った響きになりそうです。

初夏の金沢に、ぜひおいで下さい。

記・佐藤健作