全国研修ツアーの翌週から、すぐに新薬専任営業部隊の研修が2日間あり、昼も夜もホトホト疲れた。

昨年末に行われたウチの部署のオフサイトミーティングで、今年3月末、定年を約1年残して早期退職するメンバー(Aさん)のカミングアウトがあった。Aさんは法規・制度関係の研修を担当していたが、今後はカウンセリング分野の仕事を志向したいと抱負を語っていた。

ところが、今月に入ってある会社からAさんに採用通知があり、退職時期が1ヶ月早まってしまったのだ。Aさんを責任者とする我々Webトレーニングチームは、現在、来週から始まる今年最初のWebトレーニングのコンテンツを練り上げている最中だったのだが、急遽慌しくなった。

Aさんの退職後の後任者は、例によって増員はされない。したがって別の部署のBさんが作成業者との窓口になるはずだった。ところが、そのBさんも近々退職すると言う。いよいよ緊急事態となり、ついにBさんの上司として最近途中入社したCさんがそれを引き受ける事になったのである。

で、2回目の打ち合わせの今日、Cさんも同席してAさんによる予演が行われた。いつもならここでメンバー同士の丁々発止の議論になり、それをAさんが修正するのだが、彼は今日が公式の最終出社日なので、もはや「心ここにあらず状態」である。結局別のメンバーが修正する事になったのだが、問題はそのディスカッションである。

我々の暗黙のルールとして、このディスカッションの時は、言葉遣いにも遠慮する事なく、ひたすら良いコンテンツ作成のためにカンカンガクガクやり合う事になっている。その様子を初めて見たCさんは圧倒され、終いにはうつむいてしまった。

彼は前の会社で少しはこの分野の研修にタッチしていたと聞いていたが、こんな激しいやりとりは初体験かもしれない。おまけに今後は業者の窓口として、我々の求めるレベルのコンテンツを作成して行かなければならないのである。相当なプレッシャーを受けただろうが、今後の事を考えればこれくらいのショック療法は当然と言えば当然だろう。前の会社よりいい待遇で入社したのだろうから、それなりにやってもらわねば。

さて、3月には我々のe-Learning作成チームメンバーの一人も同じ部署の違うセクションに異動する。異動先は彼が昔経験した新入社員研修のセクションなので大きな問題はないと思うが、e-Learning作成のマンパワーが大幅に減る。代わりに、そのセクションからかつての部下だったメンバーがやって来る。彼はe-Learning作成スキルは持っていないが、全国研修ツアーのメンバーとして大いに活躍してほしいと思っている。

行く人と共に冬が往き、来る人と共に春がそこまで来ている。