エチミアヂンはイェレヴァンの衛星都市で,大聖堂がある.ここはアルメニア教会の総本山なので,アルメニア的には大変有名な場所だ.外国に住んでるアルメニア系の人達も参拝に来るほどらしい.
というわけで俺も見に行った.イェレヴァンのヘボいバスターミナルから超ヘボいバスで小一時間ほど.バスには他に三人ほど観光客がいて,日本人の二人連れとロシア人だ.正直,アルメニアで他に日本人を見たのはこの時だけである.ロシア人氏はその二人にどこから来たのか聞いたりしていたが,俺には誰も話しかけないので黙っていた.
バスの途中で中高生の集団が乗ってきて(たぶん遠足とか見学とかそういうのと思われる.大人に引率されて大聖堂に来ていた),そいつらも二人連れにどこから来たのか聞いたりあれこれ話しかけたりしていた.俺のほうを見ながら「あいつも日本人じゃないのか」とかなんとか言ったりもしていたようだが,誰も俺に直接話しかけてはこないので黙っていた.よかったよかった.
ところでエチミアヂン大聖堂は確かにわりと立派だった.日曜だったので大掛りなミサもやっていて大混雑だ.そのスジでは有名な,いわゆる「ロンギヌスの槍」が展示されてるのも見てきた.実際のところ,なんかあんまり刺せそうな形してないが,まあ鰯の頭も信心からとか言うしな.
エチミアヂンの町自体はほんとに小さな町で,店があるようなメインストリートも数えるほどしかない.大聖堂近くに気軽に食事できる店がないのが不便だなあと思った.中央広場にあったカフェに入ってみたとき,食べものがないので「ウォーターメロンフレーバーのアイスティー」なるものを頼んだら,なんか薄めのスイカジュースみたいな味がした.あれは本当にアイスティーだったのだろうか.