最近、メジャーリーガーの野茂とJリーガーのカズの去就が話題になった。野茂はヤンキースのマイナー契約、カズはJ2の横浜FCへの移籍でどうやら落ち着いたようだ。

どのプロスポーツの世界でも、一世を風靡したプレーヤーが年齢と共に力が衰えてくるのは人間である以上必然な事である。その時、その事に限界を感じた者は引退し、プレーヤー時代とは別の道へ次の舞台を求めてゆく。人々は現役時代の功績に惜しみない賛辞を贈る。時にはそれが美しき伝説へと昇華する。

同時に「もっとやってくれ」と願う人々もいる。無論、最終的には本人が決める事ではあるが、大抵は「これ以上続けても満足いく結果が出せない」と自身のプライドのためにも引退の道を選ぶ者が多いだろう。あるいは「もう期待に応えられない」とも。続行を願う人々も、所詮は無責任な願望なのだから、出された結論には納得せねばなるまい。

野茂とカズは違った。「まだやる。やれるはず」との思いで、自身の過去の実績やそれによるプライドをも一旦切り離し、可能性のある場所があるのなら、そこへ行って再挑戦する。それも今現在いる舞台を離れずに。

結果は思ったようにはならないかも知れない。そこまで無理せずとも、いっそ野茂なら日本球界、カズならコーチ・監督業など別の舞台に移った方が、結果が出しやすいかも知れない。だが二人は断固今の舞台にこだわり続ける。そこが傍観者として見ているだけの私でさえもすごいと感じるのだ。

目指したものにとことんこだわり、見てくれや批判などくそくらえ。自分が自分である限り、絶えず追求し続けてゆく姿は、まさに「サムライ」そのものだと思う。そして、それこそが彼らだけが持ち得る「真のプライド」なのではないだろうか。物事をスマートにこなし、美しく身を引く。それと対極にあるのが彼らの生きざまである。

今の自分である事にこだわり、今の仕事にこだわり続ける。今後の彼らの結果などより、今の彼らにこそ学びたい。

【このトピックへのコメント】
  • chaieさんの「日記」
    こっそり楽しく拝見させてもらっております(爆)
    『真のプライド』
    自分もかくありたいと思いますが中々そう容易いものでは
    無いですね。
    「今の彼らにこそ学びたい。」正にそう思います。
    (2005-08-02 22:08:21)
  • Chaie芳さん、おひさしぶりです!
    野茂やカズに加えてumeさんのRC復活といい、最近は結構「魂」の具現化された形が見えてうれしいです。

    ・・・別にこっそり見なくても(笑)
    (2005-08-03 11:01:36)
  • ume[URL]Chaieさん、久しぶり!野茂やカズと並べていただき恐縮です。私の場合、根性というか意地だったり(^^)(2005-08-08 11:37:26)
  • Chaieあらあらumeさんじゃないの!

    男の「意地」や「根性」を貫く時は、そこに必ず「魂」も入っているもんです。RC共々お会いできる時を楽しみにしてます!
    (2005-08-08 17:31:48)

甲子園に出場が決まっていた明徳義塾高が出場辞退した。原因は部員の喫煙と暴力事件。こういう事はたまに見かけるが、組合せ抽選後の今になってからというのは初めてである。大会出場のために西宮市に入った部員の練習は中止され、事実が知らされた彼らは号泣したそうである。

野球部員11人が寮で喫煙。しかも今年の4月から7月にかけてという事は、地方予選の真っ最中にもやらかしていた事になる。運動部であれば多少はあるだろう新入生に対する暴力も同じ時期にあったというから、これらの事はこの学校では日常茶飯事だったと言われても仕方なかろう。

さらに身内で解決(?)しようとして高野連に届けず、外部からの投書で明るみに出たというのもお粗末極まりない。以前から強豪校の不祥事を探るスパイもどきの人間がいるという話を聞いた事があるが、そうであれ、所詮火のない所に煙は立たない。当該者は試合にも出、結果出場権を手にしたわけであるから、そのままバレなければ黙り通すハラだったとも思える。これじゃ解決どころか揉み消しである。

過去に不祥事が原因で、せっかくの名誉をフイにした学校は数々ある。強い運動部は注目を浴びるし、学校での立場も強い。まして部で寮を持っているほどであれば、得てしてそこは治外法権的な場所となる。今回の事件もそんな「おごり」が根底にあったのではないだろうか。

それにしても、出場辞退に繋がりかねないこんな事を数ヶ月の間続けていた部員も部員だが、見抜けなかった指導者も指導者である。まさか黙認していたわけではなかろうが。そういえば未成年プロ野球選手の喫煙が問題にもなったっけ。いずれにしても、「選手として」いかに大きな名誉を勝ち取ったとしても、「人として」不名誉であったら心からの賞賛は得られないだろうし、逆にその不名誉はいつまでも本人に付いて回りかねない。

これを機に、間違ってもバレたから運が悪かったなどという論理は捨てて、原点に戻って自己管理と厳しさを徹底してもらいたいと思う。だからこそ「選ばれし者」には名誉と賞賛が与えられるのだ。

つい先ほど、郵政民営化関連法案をめぐって参院本会議で採決が行われ、否決された。ニュース速報によると、賛成は108票、反対は125票で、自民党からは22人が反対に回り、当初の予想以上の造反者だったようだ。賛成であれ反対であれ、それがそれぞれの議員の真摯に検討を重ねて熟慮した結果の判断だったとしたら、国民が選んだ代表であるから尊重もしよう。だが、現実はどうだったのか? 

この否決をあくまで法案の不備の結果と見るか、あるいは与党議員の郵政とのシガラミの深さと見るか。さらに自分の票の計算のためだけなのか。特に許せないのは、欠席・棄権者達である。仮にも選挙で選ばれた代表たる者が、自分の意思を表明せずに逃げる。それが何を意味する事かわかっているのか? 卑怯者め、間違いなくお前たちは議員失格だ!

5日に反対を表明した中曽根弘文議員は、本人の理屈はどうあれ、親子に渡る過去の怨恨が深く関与しているのは見え見えだし、一方で昨夜反対を表明した田中直紀議員は、いろいろとごたくを並べたところで、所詮田舎の選挙区の自分の票のためだというのが一目瞭然だ。もともと何が何でも反対の態度だった郵政族議員達も、本音は自分を当選させてくれた母体組織の票のためだ。政治理念も信念もあったモンじゃない。

結局、法案提出後にだって彼らから出てくる争点は、審議方法や説明責任を除けば今の郵便局の数や局員の身分等をかばうばかりで、肝心の巨額資金流出システムの歯止めや過剰人員の削減による効率化といった、いわば本質に触れる議論は殆ど見当たらなかった。

そもそも大多数の国民は、ムダな人員を置き続け、郵便貯金や保険料の巨額の金を道路公団や赤字国債購入にタレ流し続け、それによりさらに財政破綻を加速させ続け、国民の借金を増やし続けているシステムを切ろうという郵政民営化には賛成なのである。道路公団しかり。

私は、成立を急ぐあまり不十分な審議と妥協の産物となったこの法案を諸手を挙げて支持はできない。が、公約を果たそうとする首相のひたむきな姿勢については、今回は評価したい。そうでなくては、議員年金法を見るまでもなく、利権者だらけの中で利権の絡んだ構造の改革など百年経ってもできるはずがないのだから。

解散総選挙となったら、今度こそきちんと国民はその意思を表明すべきである。

始まるまではさほど興味が湧かなかった世界陸上ヘルシンキ大会。他の番組に面白いものがなかったので、ちょっと見したのが運のツキ。毎度出てくる織田裕二の思わせぶりな前振りに、いつのまにやら深夜族となっていった。

それにしても、目玉種目や目玉選手の出てくるまでの何と長い事か!

「まもなく!」
と言いつつ小谷レポーターのサブトラ中継。って事は、選手はまだ本会場にも行ってないのか? で、金メダル候補の外国選手のヒストリーVTR。それ、前にも見たぞ!

「いよいよ!」
と言いつつ日本選手のヒストリーVTR。またかい! おまけに家族や地元応援団の様子まで、ご丁寧に選手毎に紹介。

「このあと!」
やっとかと思いきや、トドメのCM。ようやく準備にかかる選手たちの姿が見える。

昨日、一昨日のマラソンはこの極地だった。番組が始まるや、この繰り返しで引っ張ること、引っ張ること・・・。ホントにスタートするまで優に1時間以上経っていたぞ!

それと、種目毎の織田裕二の定番アオリコメント。
「今日はスゴいんです!」
「皆さん、この選手を覚えていて下さいね!」
「僕ね、この人が来ると思うんですよ!」
「ぜ〜ったい、見逃さないで下さい!」

思えば、彼は2年前のパリ大会の時もほとんど同じセリフをまくし立てていた。さも無類の陸上フリークって感じだが、忙しい彼がいちいち世界の陸上競技をチェックし続けられるワケがない。所詮はスタッフの用意したVTRや資料頼りなのは見え見えで、その上で熱血ファンの役を演じているのだから、いきおいコメントが画一的になる。

これらが相まって、スポーツ競技の緊張感が極めて薄まってしまう。毎回この世界陸上は、選手が主体なのか、織田裕二が主体なのかわからなくなるのだ。視聴率のためだと言うなら、甘んじてそれも受けよう。それならせめてLIVEと言いながら編集するな! 黙って全てを見せろ!

PS.すっとんきょうな声で女子マラソンのレポーターをやってた千葉真子! いくらオリンピック選考の谷間だからって、アンタは現役だろ? 二流どころばかりの日本人選手の中で、せめて打倒ラドクリフで盛り上げて走るべき立場じゃなかったのか? 少なくともアンタはしゃべりには向いてないぞ。