OPINION DIARY 〜熱きガンコジジイへの道

ロナウジーニョが好き！

という事でワールドカップ、ブラジル対フランスを眠気と戦いながら観戦。その前に行われたイングランド対ポルトガルも途中まで見ていたが、膠着状態が続く中、ロナウジーニョのために目覚ましをセットしていったん寝る事にした。

フランスの主将ジダンは、今大会限りで代表引退が決まっている。ジダンと言えば、故障していたとはいえ前回の日韓大会でのぶざまな自滅転倒シーンを忘れる事ができない。世界の一流プレーヤーであってもフィジカルな限界は必ず訪れる。でもそれをこの舞台で見たくはなかった。しばらく起き上がる事ができなかった彼の姿に王者の落日を見た。だがこの時彼は、まだ３０歳だったのである。

今回のドイツ大会に臨むにあたり、若手起用が不発に終わっていたフランスは再びジダンを呼び寄せ、ここまで勝ち上がってきた。いや、ジダンが復帰しなければ、ワールドカップに行く事も叶わなかったかもしれない。フランスは欧州予選から深刻な決定力不足に陥っていた。そうそうたるメンバーがそろっていながら、得点が奪えない。チャンスを作り出す選手がおらず、いつしかジダン待望論が沸き上がっていたという。

そして代表引退からおよそ１年後の２００５年８月、フランス代表に３３歳のジダンが帰ってきたのである。そのフランスと激突する史上最強と言われる今回のブラジル代表、前々回フランス大会決勝以来の雪辱を期しているに違いない。

だが、ブラジルは必殺の「クアトロ・マジコ」ではなく、アドリアーノをベンチに下げ、ロナウドとロナウジーニョのツートップという変則的な布陣。ＭＦであるはずのロナウジーニョがＦＷにいたら、前線への攻撃的パスは誰が出すんだ？　もしかしてこれは、世界最高プレーヤーで彼の大会になるだろうと言われたわりに未だ無得点のロナウジーニョの調子を上げる狙いなのだろうか？　一瞬イヤな予感がした。

やがて予感は的中する。後半１２分、前半から冴えまくるジダンの華麗でアグレッシヴな足技そのままに、流れに乗ったフランスが先制点を挙げる。ジダンが左サイドから送ったＦＫに、ファーサイドで走り込んだのはアンリ。完全にフリーとなって合わせたボレーは、ブラジルのネットを強烈に揺らした。これが決勝点となった。

フランスは攻撃的な布陣のチームだが、ディフェンスが極めて強い。この試合でもフィジカルの強さでブラジルの華やかな攻撃陣を自由にさせなかった事が勝因と言っていい。１点を勝ち越されてから猛攻を仕掛けたブラジルだったが、最後に訪れたロナウジーニョのＦＫも枠を外れ、ジ・エンド。

またしても天敵ジダンのフランスにしてやられたブラジル、連覇を目指したがベスト８で姿を消し、４強は全てヨーロッパのチームとなった。マンオブザマッチに輝いた３４歳のジダンに、ロナウジーニョの何倍もシビレた一戦だった。

サッカーに限らず、総じて運動量の多いスポーツの選手生命は短い。たまにはとことん現役主義を貫く選手がいてもいいじゃないか。

ジダンよ、引退なんて早すぎる。南アフリカ大会にも行け！　ついでにカズもまだまだガンバレ！

まずは中国新聞の記事「殺人事件、被害１人は『無期』多く」から。要するに金目当ての強盗殺人や誘拐殺人以外では、２人以上殺さないと死刑にならない可能性が高いのだという。

昨日行われた広島市の木下あいりちゃん（当時７歳）殺害事件の判決公判。殺人などの罪に問われ、死刑を求刑されたペルー国籍ホセ・マヌエル・トレス・ヤギ被告（３４）へ広島地裁は「無期懲役」を言い渡した。

公判で弁護側の久保豊年弁護士らは、ヤギ被告が「悪魔が入ってきた」などと供述した事から、事件当時は心神喪失か心神耗弱状態で責任能力は無かったとして、殺人と強制猥褻致死について無罪を主張した。

最終弁論では「首などに手を置いただけで、殺意はなかった」「被害者の生存中に被告が猥褻行為をした形跡はない」と、どっかで聞いたような主張をしたのだ。

そう、あの忌々しい山口母子殺害事件の安田、足立弁護士以外にもトンデモ弁護士がここにいた。言い草までソックリじゃないか。

だが、岩倉広修裁判長は「不合理極まりない責任転嫁」と退け、「７歳児の首を内出血を生じさせるほどの力で絞めれば死亡するのは容易に予想でき、確定的な殺意を有していた」「身勝手極まりなく、卑劣で冷酷。反省は十分でない」と指弾した。

当然の判断だ。ここまではいい。

で、被害者数、計画性、前科の３点を検討。死者が単数の場合に死刑を選択するには、複数の場合より悪質性が高くならなければならないが、今回の女児殺害の経緯に計画性がなく、前科も見当たらないと判断した。検察側はペルーでの性犯罪についても訴えたが、有罪判決を受けたという立証がないと退け、「被害者が1人であり、衝動的な犯行」だとして「死刑をもって臨むには疑念が残る」とした。

おい、裁判長！　あんたは犯行動機について「欲望の赴くまま犯行に及んだ。猥褻目的を遂げるため、あるいは発覚を免れるため殺害を決意した」と認定したよな？　「遺族感情に鑑み・・・」とも言ったよな？

それで「無期懲役」か？　

判決の瞬間、それまで遺族に一瞥もくれなかったヤギ被告が、天を仰いで祈るようなポーズを取ったという。まるで、極刑を免れた事を喜ぶかのように。

先月９日の論告求刑で検察側は、ヤギ被告があいりちゃんの下半身に指で暴行を加えながら自慰行為をしたなどと、性的暴行について詳細に描き出し、「社会防衛の見地からも国民感情に沿った厳罰をもって臨むべきだ」と指摘。「たとえ被害者が１人であっても、罪責が極めて重大な場合には死刑の適用が考慮されるべきだ」などと主張し、死刑を求刑した。

それでも「無期懲役」か？

父親の建一さん（３９）は、性的暴行の具体的表現を避けてきたマスコミ報道について「被害の実態が伝わらない」と語り、「性的被害の事実も出来る範囲で詳細に報道してほしい」と訴えた。

「たかだか一人殺しただけで死刑にするのは重いのでは、と社会に思われるのが嫌だった」し、「あいりは声を出すと殺されると思い、涙を流しながらも、暴れなかった。何も悪い事をしていないから、暴行が終われば帰してもらえると思ったんでしょう。性的暴行は拷問に等しい。犯人は二度命を奪った」からだ。何と哀れな情景だろうか。

その挙句が「無期懲役」か？　

裁判長は「一生かけて償うべきで、仮釈放には慎重な運用を希望する」と異例の言及をしたそうだが、だったら異例ついでに「無限懲役」にして一生出さないように命じたらどうだ？

このままでは日本の法律がナメられるぞ！　いや、日本そのものが不法外国人にナメられるぞ！　何てったって２人以上殺さなけりゃ死刑にはならないし、悪魔のせいにすりゃ無罪だって主張してくれる。これだけの事をしでかしたって「矯正不可能なまでの反社会性と言い切れない」だとよ！　日本ってユルイねぇ、こりゃあ、ヤリ得だ！　７、８年もガマンしてりゃ、晴れてまた自由の身だぜ！

いいのか？　それで。

６月に開催されたPOOB草津温泉総会でドナドナ状態になったプジョー２０５が、群馬の風酔亭氏から持ち主である岡山のしげドン氏に昨日引き渡された。場所は横浜。横浜と言えば中華街、３年前に満腹プチオフで行った店がある。名を「東林」という。

そこはＴＶ番組に出てくるような有名大型店でもなければ、観光客をかき入れようとしているハデな店でもない。ジャンルは北京料理だが、どの料理も味のレベルが非常に高い。客のほとんどが地元の人たちだというの頷ける。中でもワタリ蟹の玉子炒め（蟹肉とかき玉あんかけの相性が抜群！　正式名称があるだろうが覚えてない）と胡桃とピーナッツ餡のゴマ団子が絶品である。

３年経っても忘れられない味なら、それは本物と言えるだろう。という事で、再び満腹プチオフをやる事になった。それが昨日。

実はその時、私は休日出勤で大阪にいた。難波にあるラッフルズホテル系列のスイスホテル南海大阪で社員、撮影業者ら１０名以上と研修用のDr講義ＶＴＲを撮影していた。これは後日ネット経由で社員に配信される教材で「e-Movie」と呼ばれていて、今はやりのe-Learningの動画バージョンである。

撮影も終わり、Drのスケジュールにも余裕があったので、急遽ホテルの中華料理店の昼食を囲み、１５時３０分発ののぞみで新横浜に駆けつけた。昼も夜も本格中華料理というのは記憶に無い。横浜に着いてもさすがにハラも減ってない。それでも荷物を肩に担いで中華街へと向かった。

店に入ると正面の席に重量級の２人がひときわ目立って鎮座している。挨拶もそこそこに重量級３人揃い踏み、宴会は始まった。すでに前菜盛り合わせと炒め物がやっつけられていた。その余りをシコシコ食べていると、メインのワタリ蟹の玉子炒めが登場！　ほの甘いかき玉あんかけとカニの絶妙なハーモニーに無言の時間が過ぎる。カニを食べる時、人は言葉を失くす。すぐに３年前の味の記憶が鮮明に蘇った。最後に今回初参加の風粋亭氏がたっぷり残ったかき玉あんかけ共々、すべてをきれいに完食。見事である。

続いて肉が食いたいと言う事で酢豚。豚肉の程よい揚げ具合と滑らか過ぎる位の甘酢あんとの妙を堪能。さらに、東京単身赴任時代からもう４回以上は来ているというしげドン氏の勧めで、点心（エビ餃子と小龍包）とチャーシューメンと五目あんかけ焼きそばをシェア。ここでもラーメンスープの得も言えぬ上質なダシに驚かされる。ホント、この店は何を食べてもウマい！

トドメは例のゴマ団子を２コずつ平らげてフィニッシュ。酒飲みＯＹＡＪＩでも平気で食べれられるゴマ団子はここぐらいだろう。何せ定番の黒い餡ではなく、さっぱりと香ばしい茶色の餡（胡桃とピーナッツ）なのだ。だが困った事に、この団子は後で膨張してくるのだ。わかっちゃいるけど、いつもここまでのハラ具合を間違えてしまう。ゴマ団子分の余裕を残しておかなきゃいけないのに、それができない。だからトドメになってしまう。

しめて都合９品！　有名大型店によくある観光客相手の３０００円程度のコースでは、ありふれた最大公約数的なメニューの羅列で、しかもどの店も同じような味だ。よほど高額のコースでもなければ、ＴＶに出てくるような特色ある逸品料理には出会う事は叶わない。

でもこの店は違う。これだけ食べ、ビールと紹興酒ボトル２本を飲んで、３人で２万円！　料理だけなら一人４０００円ちょいか。それも我々レベルの量での話だ。普通の人だったらこんなに食べないだろうから一人３０００円もかからずに十分満腹だろう。大型店の出来合いコースなどよりはるかに満足できること請け合いである。ウェイトレスの女の子達も可愛かったし。

我々の宴会にはカラオケも欠かせない。だが、この時ばかりはハラがパンパンに張って、とてもじゃないが歌える状態に無い。いつの間にやら店の前にカラオケボックスが出来てたが、あれほどのカラオケ大好きＯＹＡＪＩにもかかわらず、誰も行こうとは言わない。３年前もそうだった。せめてコーヒーをすするのが精一杯なので、そのまま石川町駅に向かう事にした。

宵闇の横浜を酔いの回ったＯＹＡＪＩが三匹、ハラをさすりつつふらふら揺れながら歩いて行ったとさ。

眠い目をこすりつつ、また見てしまった。いや、「ル・ブルー」フランスvs「アズーリ」イタリアのワールドカップ決勝は見ずにはいられなかった。

先制したのはフランス。前半早々、まさかのＰＫ。開始7分にアンリのパスからマルダが倒されてPKを獲得、ジダンがチップキックで決めた。しかし私から見てもＶＴＲから見てもＰＫが与えられるような反則には見えなかったのだが。

イタリアも黙っていない。、左右両サイドバックの攻撃参加などで攻勢に出、１９分に右CKをマテラッツィが頭で合わせて同点。それにしてもイタリアは早い時間帯に同点に追いついて良かったと思う。あんなＰＫが決勝点だったらたまったもんじゃなかったろう。

そして、ここから微妙なドラマが始まる。

まずはアンリ。試合は延長に入り、アンリのプレーは精彩を欠き始めた。簡単にボールを奪われた後、右足を押さえた。その直後、ゴールを決められないまま交代となった。無念のアクシデント。

そしてジダン。マテラッツィと何度か言葉を交わした後、突然胸のあたりに強烈な頭突きを見舞った。マテラッツィはピッチに倒れ込んだが、プレーと全く関係ない場面での行為にレフェリーは気付かなかった。ＧＫブフォンが猛抗議し、主審が確認の上、ジダンにレッドカードを出した。この瞬間、名誉あるラストダンスが不名誉な退場劇に変わってしまった。

それでもこの試合は、時間が進むに連れフランスの攻守に渡るゲーム支配が目立っていた。イタリアが後半１０分に、一気に交代カードを２枚切って攻勢に出てきても、フランスの鉄壁の守りは揺らぐことなく、１２０分間でイタリアにシュートをわずか５本しか打たせなかった。

試合はＰＫ戦へもつれ込む。ここで非運だったのは、延長前半１０分からピッチに立ったトレゼゲだ。ＰＫ戦で小刻みな助走から右足を振り抜くが、クロスバーを叩いたボールは真下に落下。すがるような目で副審を見たが、成功を示す旗は上がらなかった。この時、彼こそが世界で一番落ち込んだ背番号２０だった。

結局５本のＰＫを成功させたイタリアが、５−３で過去の決勝でのＰＫ戦全敗の汚名返上の優勝を飾った。敗れながらもＭＶＰのジダンは、ついに表彰式にも姿を現さなかった。彼の心にどんな波風が起こったのか？

これで少なくとも代表引退が決したジダン、３４歳。一方ブラジル戦で惨敗後、引退表明した中田、２９歳。僅かと思える５つの歳の差は、サッカー界では結構大きな意味のある歳の差だ。

エールを贈るべくは「ご苦労さまでした」のジダンか、「次も頑張れよ」の中田か。