マグナムなんてな不定期発行雑誌(実質隔月くらい発売か?)で連載されている作品の割にはかな〜り評価も高いし事実面白いマンガ.なんせこの春,安藤政信・鈴木京香主演で映画になるっつーくらいなのだ.ううむ.まあ映画が面白いかどうかはさておき,作者もまだほとんど新人のような状態(業界キャリアは長いらしいが)なので,作品への期待度はかなり大.
「サトラレ」ってのは妖怪のサトリの逆で,考えていることが周囲の人間につつぬけになってしまう症状,またはその人のこと.「症状」というと病気っぽいのだが,先天性で,サトラレとして生まれた人間はどうやら一生涯サトラレのままらしいので,病気というよりは性質という感じだ.
サトラレだとどうなるかというと,考えていることがつつぬけになるわけで,その人のプライバシーみたいなものがまるでなくなってしまう.自分の考えがすべて他人にツツヌケになってしまうことを想像してみて欲しい.これはもう生きてはいけないぞ?実際に本編では,「日本で最初のサトラレ」はそのことに耐えられなくなって自殺したということになっている.ということで,本編ではサトラレ自身に,サトラレであることを悟らせないための警備の人間,というのが登場する.というか,関連法案を作成してその警備を国家単位でやっている,という設定.もちろん周囲の人間の協力が必須・・・というようなところでいろいろなドラマが生まれてくるわけだ.
で,この巻では初回の小松(サトラレを警護する人)と西山(サトラレ)の出会い編からはじまって,サトラレである天才外科医のエピソード,サトラレで棋士を目指す少女のエピソードなど,新人官僚木下クンのエピソードまでの6話掲載.どれもホロっとくる要素のある話ばかりなので決して人目に付くところでは読むまいとココロに決めていたのだが,耐えきれなくなってバスで読み.んでもってウルウルしました.くそう.
まあそんなワケでかなりオススメです.★★★★★