昨日に引き続き日本橋ヨヲコ学園モノ第二弾.
 「プラスチック〜」と雰囲気も内容も近くはあるんだけど,「極東〜」の方が登場人物の個性は強いし,話のスジも分りやすい.それになによりセリフがいちいち臭い.これ,ダメなひとはダメだろうねえ.「信じてるものを守るためならなんだってできる 大丈夫 たましいは腐らないよ」「誰かに用意された道には何もない」かーっ!恥ずかしくって父ちゃん涙出てくらぁっ!!もっともくろひょうはこゆの好きなんだけどさ.でも,あれだな.このマンガでは泣かなかったな.
 内容は大きく二つに分かれる.前半は主人公・平賀信号(ヒラガシンゴ)を中心とした二年甲組と,学生総代・城戸信長を中心とした三年乙組との間で繰り広げられる学食争奪戦.後半は信号達の五色台学園を(主に)私的な理由で潰そうとする「委員会」(いわゆる体制側)と,信号達学生側との争い.前半はともかく,後半なんかこんな書きかたするとますます陳腐ですなー.まーたしかにどっちかっつーと前半の方が面白い.けど,後半になって,それまであまり目立ってなかったキャラもどんどん立ってくるのもなかなか面白い.昨日もちょっと触れたように,このマンガでもやはり登場人物がそれなりになにかしら抱えていて,それと闘ったりする姿勢が描かれるのもどっちかっつーと後半.なので,まあいいかなと(←何が).
 まあくさいはくさいが,よほどそういうのがお嫌いな方でなければそれなりには読めるかな,と.読んでみたら意外とはまるって方もおられるのかもしれないので,ぜひご一読をば.

 あーどうでもいいけどさ.日本橋ヨヲコの本って,ヤンマガKCの割にページ数少ねーなー.や,中身はちゃんとあるからいんだけどね.ほれ,ヤンマガKCだとページ数はあっても同じコマばかりで中身がないマンガもあるっしょ(←そゆことここで書くなって).てなわけでこのマンガは中身があるので★★★☆☆

 世界初(たぶん)のウニ漫画「ちくちくウニウニ」の続編だっ!・・・いや,そんな力むほどのもんではないのだがなんとなく.
 いろんな海の生き物やら海に関わって生きる人々の生活を描いたマンガだ.などと書くとなんだかすごそうだが,まあ吉田戦車だ.これをはじめて読んだのはずいぶん昔なのだが,今読んでもなかなか面白いな.いや,ほら,ギャグ漫画ってのは水物で,時代が違うと色あせたりするものが多いのだが,しかし吉田戦車のマンガってのは時間が経ってから読んでも全然変わらないんだよな.しかもこの人は十年以上も前からずーっと,ほとんど同じペースで質の高いマンガを世に出している.んむー改めて考えてみるとすごい人だな.
 んでまあこのマンガはとりわけウニ先生がいい感じなのだが,しかし前巻ほどのあくどさがないかなあ.「わたしだけがしあわせになあれ!」は名セリフだと思うのだが・・・(笑).んでもこのマンガ,間にはさまっているオマケ4コマがいい感じだな.

 まあそんなわけで読みたきゃ読めって感じで★★★☆☆.
 つっても知ってる人はきっともう読んでるよな.

 亡き父のあとを継いで鉄工所を経営する女の子ナッちゃんのお話.スージャン連載.
 コンセプトとかキャラとかびみょーにモーニング掲載の「オーダーメイド」とかぶってる気がするのだが,あっちが東京下町で浪花節バリバリなのに対して,こっちは関西の下町でどっちかっつーとホームドラマ的なあったかい雰囲気かな.「オーダーメイド」ももちろん好きなのだが,ただあっちはときどき泣くことを強要されている感じがあるのがちと.他方この「ナッちゃん」はあまりお涙頂戴的なところはなく,どっちかっつーとむしろ,どーやって解決するんだろうかというワクワク感が強いかも.なんつーか,さわやかでいいです.

 んむ,スージャンなんてしばらく読んでないし,このマンガなんかで知ったとかいうのではなくて,たまたま昨日出がけに本屋に寄って発見したのだ.ってのはこの「たなかじゅん」って人がずーっとひっかかっておったからなのだ.や,なんか特別おもしろいマンガ描いてたとかいうわけではないのだが,何年か前にヤンサンでちょっとだけ描いてた「わかってまんがな」というマンガが妙に印象的だったのだ.そのマンガも特別おもろかったというわけでもないし,話の筋も覚えてはいないのだが,なぜか心に引っかかっているのだ.まあずいぶん時間も経っているせいか,「わかってまんがな」の頃に比べれば絵もあかぬけてるな.
 まあともかく,機械とか溶接とかにもちょっとだけ詳しくなったりして(←せんでええて),読んでると自分も鉄工したくなったりするのだが(←何を作るんだ),読後の清涼感がヨイのかなんとも.まあ気向きで読んでみてくださいな★★★☆☆.

 「原作:石ノ森章太郎」となっているのだが,まあ原案ってことだろうな.
 ええと「その後の仮面ライダー」的なマンガ.ま,思い入れがあるからこそ面白いと思えるのだろうが,しかしくろひょうくらいの年の男なら一度は憧れたことがあるはずの仮面ライダー.彼らにもう一度会える!というだけで読む価値十分にアリ.なにがいいって,30年経った今でも必殺技がライダーキックなのだ.イカス.
 これを読まずして何が漢(おとこ)かっ!★★★★★

 んむ?1巻を買ったときになんか書いたかと思っていたのだが,grepしてみたところ見つからず.揃えるのを皆様にお手伝いしていただく都合なんかもある(←あるんか)ので,ちょっと紹介してみましょうか.

 若いのに演歌好きというちょっと変わったレコード会社社員・越川達(コシカワ タツ)は入社2年目にして念願の制作部へ異動に.しかし異動先は彼の希望する演歌の第一制作部ではなくロックの第二制作部.「歌にはジャンルはない!」を胸に奮闘するが・・・というようなお話.
 なんつっても主人公・達のまっすぐさが読んでいて気持ちいいマンガ.歌い手やミュージシャン,あるいは会社の人間とぶつかりながらもホンネでぶつかっていき,まわりをどんどんアツくしていく,ってのは如何にもくろひょうが好みそうな主人公だ(笑).まあちょっと間違えると「サラ金」になっちゃうのだが,そこはそれ,大成功でないケースなんかもあったりして,わりと現実感もアリ.でもまあ,全体としてサラリーマンってそんないい商売じゃねえよなーって気はするのだが,まあいいでしょ(←偉そうだなオイ).
 やっぱ今連載中の「マルチョウ」よっかこっちのほうがいいなってことで★★★★☆.

(発行日:1997/07/01〜1998/05/01)

 ついに「血の大晦日」を迎えるの巻.
 しかし・・・ご存知の方も多いと思うのだが,残念ながらこの巻では肝心なところは何も語られず.血の大晦日が起きたらしい,というところでいきなり舞台は2014年に移ってしまう.むはーっ,こういうのやめて欲しいよなー,ってまあそういう演出なのはわかってるけどさー.多分ここまでが長いプロローグってことなんだろうけどさー.そうだよな,思えば第一話の最初に出てくるのがカンナなんだよな.この物語の主人公は実はケンヂではなくてカンナなんだよな.でもなー.
 ってことでイマイチ割り切れないので★★☆☆☆