異様な性風習の残る、かつて隠里であった村で15歳の少年が体験したものすごい(らしい)体験。スピリッツ連載中。

 あ、もう書くことないや(笑)。
 んーと、異様な性風習ってのがキーなのだが、厄年の女性は村の外の男性と交わって厄落としをしなければならないとか、なんかそんなの。まあ詳しくは読んでのお楽しみってことになろうが、ただエロだけを期待して買うとアテがはずれるだろうから注意。

 そもそもくろひょうはこの柏木ハルコって人の描くマンガが好きでねえ。ヤンサンで「いぬ」「よいこの星」「ブラブラバンバン」なんかを描いてた人で、「よいこの星」を除くと本作を含めてエロエロな雰囲気を持つ女性を描くことが多いようだ。うむ、「いぬ」の高木さんとか、ね。あの、ほれ、女性が性的に興奮して顔が紅潮してるような雰囲気ってのが、男性の描くエロ描写とはまったく違った感じで、はじめて見たときは妙に興奮したのを覚えている。つーか、今でも興奮しますね。本作でもお母さんの「スイッチが入った」ときの顔ってのが非常にエロティックな感じで、いい感じですな。
 それと対照的に娘の澄子の清純さみたいなもの、それでいて村の風習とかをわかっているっぽい感じとか、彼女なりの村の風習への思いみたいなものもありそうに見えたりして、その辺の対比がうまくとれてるあたりがマンガとしていい雰囲気を作っていると思う。
 今後の展開次第だけど、良作になる可能性大。★★★★☆。

 それにしても帯の「俺の旅、もろピンク」ってのはどうかと・・・(汗)

 今さらながら「ブラブラバンバン」を揃えたくなってきた。
 「いぬ」も欲しいところなのだが、これを中古で買うのはちと抵抗があるなー(笑)。

(発行日:2001/11/01)

 今さらながら当サイトのネタバレに関するスタンスを。
 いや、さっき7月下旬頃に各所でやっていたその辺のやりとりを見たもので・・・。

 「くろマン」では基本的にネタバレありでやってます。ただ、「それを書いちゃうともう読む意味なくなっちゃうだろー」というようなネタバレ(例:推理マンガにおける犯人ばらしなど:スポーツマンガにおける勝敗結果はこの限りではありません)は避けるようにはしています。基本的なスタンスとしては、このレビューのようなものを読んで、そのマンガへの関心を持って貰えればなあ、という感じで書いているので、読む気を激しく削いでしまうような書き方はしていないつもりです。ただ、その辺の解釈は個人々々で異なるものでしょうから、「『くろマン』を読んでしまったために、あのマンガを読む意味がなくなった!」と感じる方もおられるかもしれません。それがイヤな人は、このサイトに足を運ばないようお願いします。万人に優しいサイトなど、あたしゃ作れませんから。

 そんな感じでひとつ。

 ちと不作気味。
 三郎が低迷気味だしなー。このままだとヤンマガ自体やめちゃいそうな感じだ。

 楠みちはる「湾岸 MIDNIGHT」
 中身は相変わらずどうでもいいのだが、8ページ3コマ目チューナー娘のセリフ「あのー 東南アジアあたりの子ども想像するんですけど」はだいじょぶかな?そういう方面からクレームつかないかな?単行本時に修正されそうなセリフだね。わしゃ単行本買わないので、出たら買った人教えてくださいな。いや、どうでもいいけど。

 夏元雅人「BANDOW」
 4週連続掲載4週目。結局何を描きたかったのかヨー分かりませんでした。「かっちょいい」のかもしれないけど、少なくともわしにはこれの良さが発掘できなかった。ほかの作品を見てみたい気もするが、多分全部こんな感じなんだろうなーって気もするし。はてさて。

 松本光司「クーデタークラブ」
 一安心。いや、ここんとこほんと読むのがつらかったもんな。

 あ、そか。今週はカイジの載らない週だったか。読み応えのなさはそのせいだな。あと小日向海流も載ってなかったしね。納得。でもちょっと前のヤンマガなら、このくらいでも破壊力あったと思うんだけどな。
 次号はバカ姉弟掲載。

 ん。予習の効果か、やや読み方が分かってきた感じ。

 池上遼一「流月抄」
 二週連続掲載読み切りの1週目。・・・と思ったら第6話ですって。シリーズ読み切りなのか。単行本も出てるらしい。ん、なんか池上遼一の時代物ってはじめて読んだかもしれない。案外ハマるね。どうやら新撰組の話らしい。詳しくはよーわからん。が、迫力で読まされてしまう。その辺がこの人のすごいところじゃなかろうか。

 すぎむらしんいち「クローン5」
 いとうせいこうのポジションが「原案」から「相談」に。「相談」ってなんだ?漫画に関わるポジションとしてはじめて見た気がするな。あれか?みかじめ料取ったりとか、そういうヤツか?(←違うと思うぞ)
 さておき、漫画は快調。まあ第二回でいきなりへばられても困るか。クローンに悩むフリチン忠次。で、S.O.D.とやらのサディスティック風味なあの女もこれから物語に関わってくることを匂わせる。まだ話が動く段ではないが、相変わらず期待を持たせるね。

 はっとりみつる「イヌっネコっジャンプ!」
 あああああ、そんなとこであったか。喜んでいいのか悪いのか(←笑)。
 話の展開はわりとどうでもよく(←どうでもいいんか)。いや、そんな設定もあったっけーって感じだな。まあ話がどうでもいいのもこの漫画の良さではないかと。

 ニシムラマサシ「埼玉うぉーりあーず」
 新人さんらしい。ヒップホップ(つか日本語ラップ?)でバトルするというかなりくだらない漫画。というか、つまんない漫画。いや申し訳ない。だってつまんないもん。アイデアは面白いのだが、いかんせんせっかくのヒップホップなのにノリ悪し。これなら相原が「何が〜」でやってたラップ漫画の方が数倍よい。つーか、今見るとそれのパクリっぽくもある。絵もヘタで同じ野球のユニフォーム着てる連中は見分けつかなし。最終コマのオチは在りし日のビバップのようでもあり、バレボのようでもあり。
 欄外「続編ネーム中」とあるが、今回の反響を聞いてからにした方がいいぞ。

 今週はTO-mAとたもっさんがお休み。
 次号は10/16(火)発売。

 sai vs 塔矢名人決着。
 さすがにコレの結果書いちゃうのはどうかと思うので伏せておくが、この結果を受けてヒカルの周りが大きく動き出す。「時間がない」佐為をよそに、自分の道をひた行くヒカル。倉田にもその実力を認められ、そしてプロ初手合いに挑む(ほんとの初手合いはアキラが相手で不戦勝になってしまった:前巻参照)。
 まあ雑誌の方を追ってる方はご存知の通り、この後読者の期待を裏切るようなとんでもない展開になってしまう。あるいはここまではほんの序章で、次々巻くらいからが本当の「ヒカルの碁」になるのかもしれない。いや、先が読めないって意味でもほんとに目が離せないマンガだ。

 ただアレだね。
 最近、いろんな雑誌を手にするようになって思うようになったことなんだけど、週刊連載ないし隔週連載の漫画において、途中から読んでもすぐに話に入れる、ってのはいいマンガの条件だと思うんだよな。「ヒカルの碁」に関して言えば、わし自身最初の方はあまり読んでなくて、院生編の途中くらいから読み出したわけだが、しかしその辺から読んでもその頃は話にすぐ入れたのね。その辺、当時のヒカルはいいマンガだったのだろうと思う。
 それに対して、ここ数巻の「ヒカルの碁」は、はたして途中から入っても楽しめるのだろうか。少なくとも今連載でやってる伊角さんの中国修行編。あれだけ読んでると「ヒカル」なんて出てこないし、なんのマンガだかわからないよなあ。この14巻くらいの話ってのも、途中からだときつくないかなーとか思うんですわ。

 とはいえ個人的に期待のマンガであることにはかわりないわけで。
 この巻に関しては名人 vs 佐為もそうだが、なにげにヒカル vs 倉田六段がアツい。
 つーことで★★★★☆

 にしても倉田タンが出てくるとなごむね(笑)。

(発行日:2001/10/09)

 土田世紀がやってきた!ヤァ!ヤァ!ヤァ!
 というわけで新連載。雑誌がずっしり重くなったような印象だ。

 土田世紀「雲出づるところ」
 窓拭きのオッサンと天然っぽい OL が窓越しに出会い結婚。黒人ハーフの赤ん坊を拾って山の中に家を建てて住むとか言い出して・・・ってあらすじ書いてもしゃあないな。なんつーかいきなり重いです。もうなんか、これだけで一本の話になるんじゃないかってくらい密度濃いです。次号予告に「長い闘いが始まる」ってあるところを見ると、ここまではほんのプロローグに過ぎないってことなんだろうな。いや、土田氏のことだもの、きっとものすげーマンガになるんでしょう。うむっ。
 ちょーっとテンション低めだったモーニングの起爆剤になりそうだな。期待大。

 弘兼憲史「部長島耕作」
 ついに今野まで手なずけてしまった島。なんだかなー。

 黒田修平・大島やすいち「風介がゆく」
 相変わらずお手軽な解決。もうちょっと引っ張って欲しい。お手軽浪花節でいいのだが、登場人物に感情移入する前に解決されちゃうとなー。

 かわぐちかいじ「ジパング」
 すげえ緊張する展開になってきた。いいぞ。

 あ、今号って「カバチタレ!」が休載だったんだ。
 なんかさ、土田世紀のおかげか、全然気付かなかったよ。うん。

 こっちにも書いておくか。

 ええと、私事ですが、事故りました。
 車対車で、状況的にわしが100%悪いって感じです。相手もこちらも怪我がなかったってのが不幸中の幸いだったのだが、しかし相手の車はヘッドライトとフロントグリルが破損。ボンネットもぐんにゃり曲がってました。あらー。対してわしの相棒・パジェ郎くんはちょっとばかりバンパーが傷ついたくらいでほぼ破損ナシ。
 ちなみに現場は千葉市内某所で、普段なら行かないようなトコ。はじめて入った本屋さんの駐車場の出口でしたのよ。ええ、黒田硫黄「黒船」を探し求めてさまよってて、やっつけてしまいました。くっそー。

 これからはこうならないように、見つからない本はさっさと注文するとかします。みなさまもお気をつけあそばせ。

 

 関係ないけど寺沢大介「喰わせモン!」の2巻の表紙。見るたびに圧倒されてしまうな。あのマンガ、あの表紙だけでもう勝ってる感じだ。いや買ってないけどね。でも見るたびに買いそうになる。

 なにやらオマケがついていたのだが・・・なんだっけ?(←会社に置いてきた)

 大西祥平・高橋のぼる「警視正大門寺さくら子」
 面白すぎ。やっぱり高橋のぼるはこうでなくっちゃ。
 22ページ3コマ目の副署長の顔がステキ。
 わしの器も泣いているのだろうか・・・?

 星里もちる「本気のしるし」
 多分いずれそういう展開になるんだろうなって気はしてたが、まさかこんなに早くそうなるとは。容赦ナシですなーっつーか、そろそろまとめにかかってるのか?でもこの先どういう風にまとめるのかが非常に気になるところだね。ううむ。

 柴門ふみ「非婚家族」
 水商売の女にモテるヒケツて・・・それはいいカモってことなのでは。
 しかしアレだね、マンガで主人公が幸せになったりするくだりを読んだりすると、自分が幸せになれないことがひどくもどかしく感じたりするね。・・・くそう。

 むう、柏木ハルコはいつやってくるのだ?
 次号は10月19(金)発売。

 EROTICS F で連載中の、ええとなんといったらいいんだろ。サイバーっぽくもあり、近未来 SF アドベンチャー的でもありって感じの・・・ちと系統は違うけど世界観的には AKIRA とかその辺の系統と言えば分かりやすいだろうか。
 「2187年、極東に端を発した核戦争から約半世紀後…」とあるので、近未来っつーよりは思いっきり未来なのだが、しかし雰囲気はあまり未来っぽくはない。んでもって、管理側に反抗してとかナントカ。そんな感じのマンガです。
 設定だけだと如何にもな感じでつまらなさそうなのだが、ただこのマンガ、絵とか構図とかがすごくいいのだ。

 主人公ソラオたちは遅刻の罰で牢獄に入れられるが、牢番の女の子に秘密の出口を教えてもらいそこから脱出。そこで動く巨大な魚の骨の影を見つけ、それを追っているうちに地下に落ちてしまう・・・
 むう、これだけだとなんだかよーわからんな。いや、実はこの巻そのものが読んでもまだどういう話になるのかよく分からないのだ。ただ、この人の描くマンガはなんだかよく分からないのだが人を惹きつける何かがあるようだ。
 タイトル「社会不適合者の穴」というのは、作中に出てくる罪人を突き落とす穴のことではないかと思うのだが、これもまだキーワード以外はちょろっと出てくるだけで、これが何なのかとかはまだ謎。ここから物語がどう展開していくのか非常に楽しみだ。

 この手のマンガって苦手な人も多いだろうが、表紙・裏表紙を眺めて惹きつけられるモノがあったら読んでソンはなかろう。
 とりあえずは★★☆☆☆くらいで。

(発行日:2001/09/26)

 フライングじゃなくって、月曜休日につき土曜発売。
 グラビアは井川遥。この子、オパーイが小さいねえ。そうでもない?そう見えるカットが多いだけかな?いや、くろひょう的にはこのくらいあればもう十分(←何が?)なんですけどね。でもプロフ見ると85ってなってるなあ。そんなにあるかなあ、これで。まあどうでもいいけど。

 山下ゆたか「ガガガガ」
 新連載。10週は週刊連載で11週目からは月イチ連載の予定だが人気次第とかナントカ。廃墟でヤンキーでバイオレンス、そんな感じです。ヤンマガテイストやや辛口といったところか。しかし絵が下手でキャラのかき分けがいまいちなせいか話が見えないのと、連載1回目にしては背景がスカスカなコマがやや目立った感じがなー。どうなんかね。
 一見した感じでのくろひょうの感想としては、今ヤンマガに必要なマンガではないかな、って感じ。ダメってわけじゃなくて、今ヤンマガにはもっとユル目のマンガの方が必要かと。

 阿部秀司「エリートヤンキー三郎」
 徳丸祭がやや意外な展開に。前田を通して河井を出すってのはうまい使い方かもシレンが、ヘタすると河井に並んで前田まで潰れてしまうかもシレンよなー。このエピソード、どう締めるのやら。つーか、もしかするとラストエピソードになったりして?

 原田重光「立つんだ!幸子」
 第一部最終回。第8話なので、有名なジャンプの10週打ち切り以上だな。話もアレだが、やっぱ絵がなー。作文読んでるコマなんか、手の形変すぎ。で、「第2部にご期待ください(P.346の欄外を読んで感想を送ってね(はぁと))」・・・欄外って、BE-BOPアジア選手権の「七年前にレンタルしたAVが押入で見つかった。延滞料金を計算し終わった時点で、引っ越しを決意した。(何故連絡してくれない 千葉県)」ってやつか?(←んなわきゃない)

 古谷実「ヒミズ」
 むう。また一波乱起こりそうなヒキだな。このおっさんがやらかして、住田がキレて・・・ってな展開になるのだろうか。しかし読んじゃうよなーこのマンガ。

 小田原ドラゴン「おやすみなさい。」
 「おっぱい揉み上戸」って・・・(笑)。いいな、ソレ(←実行するなよ)

 安達哲「バカ姉弟」
 兄妹のひみつがッ!
 なにげに前回の続きになってるのがちと笑えた。とくに西洋スーツの男が。
 それはそうと講談社文庫「お天気お姉さん」は12月から刊行ですって。毎月2冊ずつ×3ヶ月ってことは全6巻になるの?ヤンマガKCは全8巻だよなー。1巻の終わり方がすばらしいな、とか思ってたのだが・・・まあどうでもいいや。

 次号から5週連続集中連載でこしばてつや「BODY GIRL」掲載。
 ケンカが強く頭が弱い・・・そんなんばっかしだねー。それがヤンマガ。

 大阪の下町で。父親の残した鉄工所を経営する女の子のお話。
 って書いちゃったらもうそれ以上書くことないんだよなあ。いや、ほれ、このマンガってスージャン掲載なんだけど、スージャンに連載されてるわけじゃなくてシリーズ連載みたいな具合で間隔空けて載ってるらしいんですよ。そうすると全体が繋がった話になるんじゃなくて、1回掲載分ごとにひとつのまとまったエピソードになるって感じの・・・ええとモーニングだとこういうのが多いと思うのだが・・・あ、そうそう、この間引き合いに出した「オーダーメイド」、ちょうどあれのような感じですな。この手のってさぁ、レビューしづらいんだよなあ。エピソードをいちいち解説するものなんだしねえ。んむー。

 んでまあ、物語全体として大きな展開があるわけでもないし、下町の町工場っていう設定上、登場人物もそうそう増えるわけでもないし、って感じで、3巻でイトコのエリカがナッちゃんの家に居候することが決まってからは少々行き詰まってる感があるんじゃなかろかなとか。ジャンプ王道的にはこのマンネリを打開する策として「全国鉄工職人コンクール」みたいなものを催したりするって手もあろうけど、このマンガでそんなのやられても萎えちゃうよなー。
 って、実はこの巻では「鉄工勝負」みたいなエピソードもあるんだけどね。鉄工ってモノ自体、同じものを同じ工法で作るのならこれはもうキャリアがモノを言うに決まってる、ってところがあるだけに、なるほどそういう解決しかないよなーって感じで。こんな具合で全国職人コンクールみたいな展開にしても飽きちゃいそうだな、って気はするな。どうでもいいけどこのエピソードでナッちゃんが作った部品、アングルを鋭角にしたときにボルト部分が邪魔になったりしないのだろうか?あ、ある程度あわせたところで切っちゃったりするのかいな?なんかそれが気になってしまった。
 あとは・・・ラブコメ要素を入れるとか?それもなんだか難しそうだなー。けど、あるいはそれしかないんじゃないかって気もするな。

 ってことで、あったか下町風味でわりと読みやすい作風であるが故に、毒にもクスリにもなってない感が否めないなーって感じ。決してつまらないわけではないのだが、恐らくは作者自身もジレンマを感じているのではなかろうか。
 くろひょうは応援したいのだが、ちとキビシイかもシレン。★★☆☆☆。

(発行日:2001/10/09)

 交通事故を起こしてまでも手に入れた(←語弊アリ)珠玉の一冊。
 黒田硫黄の「大王」以降に発表された読み切り・短編を集めた作品集。収録作品は以下。

  • わたしのせんせい」(月刊アフタヌーン/99年7月号)
  • 海に行く」(Jコミック作家ファイル/99年10月)
  • トゥー・ヤング」(COMIC CUE/01年5月)
  • 鋼鉄クラーケン」(COMIC CUE/99年10月)
  • 自転車フランケン」(OURs 2001/00年4月)
  • 年の離れた男」(OURs girl/00年10月)
  • ナイト オブ ザ リヴィングデッド」(最恐ホラーナビ2000[日本篇]/00年7月)
  • 課外授業」(COMIC CUE/00年11月)
  • 肉じゃがやめろ!」(CUTiE comic/00年6月〜10月)
  • 最近どうよ?」(フィール・ヤング/00年7月号)
  • 象の股旅」(COMIC CUE/00年4月)
  • さらばユニヴァース」(スピッツ純情2001ツアーパンフレット/01年9月)

 A5版で270ページほどと物理的な量があるせいもあろうが、そもそも黒田硫黄のマンガはコマの隅々まで目が離せない、ってーくらいに独特の毛筆タッチ(?)にインパクトがあるのだ。いやすまん、自分で何書いてるのかよーわからん。んー、つまりタッチも独特で力強いし、コマの隅々まで手を抜いてないってことね(←最初からそー書け)。なので、読んでて非常に疲れる。疲れるのだが、読後は疲労感よりも心地よい満腹感みたいなもので満たされるのだ。

 あまり褒めちぎっても気持ち悪いだけなので個々の作品を紹介する。
 「わたしのせんせい」はラブコメでSFで社会風刺なマンガ。いや、こう書くと滅茶苦茶な感じなのだが、思うに一見無関係な複数のもの(とりわけ非日常的なものが混じる場合が多い)をひとつにまとめあげてマンガにするというのが、黒田硫黄のもっとも黒田硫黄たるところではないかな、とか勝手に考えている。「大王」収録の「THE WORLD CUP 1962」とかもそんな感じではないかと思うのだ。「大日本天狗党絵詞」もそうだといえばそうなるだろうか。くろひょうの拙い言葉では伝えきれないのがもどかしいのだが、黒田硫黄のよさのひとつがこの作品に凝縮されているように思う。
 「鋼鉄クラーケン」はやや長めの・・・なんだろう。海と船と水兵と、そしてやはり非日常的な存在である巨大な貝とイカのお話?話のダイナミズムもそうなのだが、このマンガは1コマ1コマの迫力がすごい。ちとしっかりよまないと分かりにくい話ではあるが、面白い。
 「課外授業」自殺した女生徒の霊と、それが見えてしまった女教師のお話。二人の会話とかがなんとなく心地よく、雰囲気が面白い作品。「海に行く」ほかの二人のシリーズも雰囲気が面白いが、それとはまた違った感じ。

 全部書いてもしょうがないのでこのくらいにしておく。
 なんとなく「大王」の「南天」とか「熊」とか、あるいは「夜のガレージ」みたいな雰囲気が失われつつあるような気がしないでもなく、その辺がやや寂しく思ったりもするのだが、でもイイ。ただねー。好きずき別れる作家ではあるんだろうなって気はするね。このタッチがかえって人を寄せ付けない雰囲気を作ってるようなところもあるだろうし。でもまあ、読んだことのない方には是非一度くらい読んでみてもらいたいなーとか思います。
 つーことで、★★★★☆。

 でも、はじめて読むんなら「大王」の方がオススメかもなー。

(発行日:2001/10/12)

 「ラブコメ再構築(リストラクション)!! 異色(?)陸上系青春ラブコメディー」(帯より引用)・・・なんだけど、なんかここんとこ「ラブコメ」っぽい要素が減ってきてる気がしないでもないなあ。っていうか、ますます分類不可能な漫画になりつつある気がする。が、その辺含めて快調(なのか?)4巻目。

 この巻は「うさぎちゃん」ことユウキのライバル(なのか?)・ナオの実家にオズとユウキがなぜかお泊まりする回にはじまって、「オ●ニーしちゃいました(はぁと)」の夏合宿をまるごと収録。合宿で温泉で覗きもあるっちゅー感じだ。ひゃー(←落ち着け)。
 そんな具合で終始ドタバタしてて楽しいのだが、肝心のラブコメ部分の進展は・・・ううむ、あるのやらないのやらって感じだが、しかし物語的に進展なんぞしなくても、ドタバタして適当にヌルくて萌えられれば、この漫画はそれでおっけーなんじゃないかとか、最近そんな風に思ったりしてるわけです。
 結局なんやらわからんが、楽しければソレでイイ!っつーことで★★★☆☆。

 ちなみにこの巻、おまけでアッパーズ新人マンガ賞入賞作が載っている。本人のコメントにもあるとおり「イヌネコ」のもとになったマンガらしいのだが、登場人物の名前も風貌もほぼ同じ。陸上をやってないってだけで、人物の相関関係もだいたい同じ。ただ違うのが、ユウキ(じゃないけど)が関西弁なのが、いや違うマンガなのは分かってるんだけど、非常に違和感アリ。コレクターズアイテム的なマンガではあるんだけど、まあ読んでソンはないかなと。

 あと、冨樫のファンネル(?)に一票(笑)。

(発行日:2001/10/09)

 表紙は警察署長。
 復活以後のはやーっぱりどうにも馴染まないんだよなあ。

 土田世紀「雲出づるところ」
 この人は、ほんとに「漫画」がうまいよなー。絵だけストーリーだけってんじゃなくって、ページ構成とか回想の挟み方とかコマ割とか、全体としてうまいよな。もう、ダメっす。メロメロ。内容は・・・読んでください。ただし立ち読みで泣いても知らんぞ。

 守村大「花のうた」
 最終回。最初の頃はちょっと期待してたのだが、途中から・・・んー、父親と出会ったあたりからだろうか。なんだかなーって感じだったので、まあこんなとこでいいんじゃないかしらね。次回作に期待。

 田島隆・東風孝広「カバチタレ!」
 このシリーズ、なんか辛くて読めないよ。といいつつ読んでるんだけどさ。頼むからこの娘、早く救ってやってくれ。

 次号からうめ「ちゃぶだいケンタ」新連載。ちばてつや賞大賞受賞作・・・ってーんだから読んでるはずなんだけど、覚えてないなあ。なんか絵柄が古谷実風をさらにイヤミにした感じで、正直わし的には第一印象ダメな感じです。どんなもんなんだか。