最近流行りらしい医療マンガ。代表格のモーニング「ブラックジャックによろしく」はドラマ化はされるわ、何処の本屋に行ってもポップ付でプッシュされてるわって感じなのだが、こちらの「医龍」は掲載誌がスペリオールとややマイナーなこともあって、売れ行きはそれほどではないらしい。のだが、正直なところ個人的な感想としては「BJよろ」よりもはるかにこちらの方が面白いです。まあベクトルが違うので、安易に比較は出来ないんだけど、単純に好みの問題ね。「BJよろ」はおなかいっぱいになっちゃうんですよ。正直、連載時も読み飛ばしそうになることがあるくらい。暑苦しくてね。けどこっちはそういうことはないし、毎回続きが楽しみでしょうがない。そう、この「毎回続きが気になる」ってのはマンガとして重要だと思うのね。青年誌に載るマンガって、案外どうでもいいのがあったりしまスカラ。
まあそんな感じでべた褒めなのですが、しかし実は単行本買うほどでもないかなあ、どうしようかなあ、という感じでくろひょうの中ではボーダー的な位置にあったわけです。面白いんだけど、買ってまとめて読むほどかなあ?という。けど、ここ最近のバチスタ編になって随分おもしろくなってきたし、そろそろちゃんと読み返して人物相関関係整理したいなとか思ったり。あと、野口教授の名言もはずせなくなってきたし(笑)。なので、既刊一気に揃えてみたって感じです。
舞台は「BJよろ」と同じく大学病院なのだが、こちらの主人公は研修医ではなく天才外科医。天才っぷりが嘘くさくあるときもままあるんだけど、ドラマとしてしっかり面白いのでそういう点はそれほど気にならないかな。構図としては、大学病院の体質に立ち向かう、って感じでありきたりな風でもあるのだが、安易に泣かせに走るでもなく、天才性によってなんでもかんでも解決しちゃうと言うわけでもなく。その辺のバランスがいいのかな、とか思えます。
あと、迫力のある絵も描ける人なんだけど、ときどき笑っちゃうくらい迫力がありすぎる絵もあるんだよなあ。1巻の「(外科医は)死なせた患者の数だけ成長する!」のコマとか。当時は同誌に連載している高橋のぼるの絵かとか思って吹き出しちゃったよ。
そんな感じで、とりあえず★★★★☆。
連載開始時期が近かったこともあって、おそらく「BJよろ」とは比較されることも非常に多いんだろうなあとか思うし、くろひょう自身も冒頭からそういう書き方しててなんなんだけど。まあ、それぞれ面白いところはあるわけですよ。どっちが勝ってるとか劣っているとか、どっちがよりリアルであるとか、そういう問題ではない。どっちも面白ければそれでいいんですよ。ただ、まあくろひょう個人の趣味としては、こっちの方が好きかな、と。そんだけどのこと。
この先の展開も楽しみですな。あー、9月の購入リストには入ってないけど、4巻は今月発売だ。忘れずに。
(第1巻初版発行日:2002/11/01)