大好きだった姉を失って、バレーボールの名門中学に在籍しながら自分を押し殺してきた練(ネリ)は、
高校入学をきっかけに様々な出会いを通して自分の進むべき道を見つける、、、って感じであってる?(聞くな)
随分変ったなあ、という感じがする。
プラ解、極天あたりと比べると、絵柄も雰囲気も変った。
言うならば「マンガらしくなった」って気がする。
あー、なんかねえ、
「G戦場ヘヴンズドア」
よりも前の作品って、マンガであってマンガじゃない感じがあるんだよなあ。
いや、決してけなしているわけではないんだけど、なんだろうなあ。うまく言えん。
この作品の過去の作品との大きな違いは2つ。
ひとつは絵。確実にマンガらしい絵になっている。
や、以前のがダメってわけじゃなくて、むしろ以前のゴツゴツした感じのがいい、って人も多いだろう。
が、今の「もりっ」って感じのGペンで描かれた人物は、ものすごい存在感を出していると思う。
どちらかというと、今の絵の方が読み手を選ばない気がする。
二つ目は主人公達のコンプレックスの描き方と、その乗り越え方、そしてその先。
ってのは恐らくこの人のマンガの主軸なんだよなあ。
でもここがまたさらに以前よりもマンガらしくなっている。もちろんいい意味で。
なんだろう。以前の作品はなんとなく主人公がコンプレックスを昇華させるとそれでおしまい、みたいな感じがあったのよね。
まあそれが青春っぽい感じでもあって決して悪くなかったのだが、描き方によっては鼻につく部分もあったのも事実。
だが、この「少女ファイト」では、まあやはり登場人物はみーんな何かしらのコンプレックスを持ってはいるのだが、
それを克服するプロセスの描き方が、ここうまく言えないんだけど、すごくマンガらしい感じで、
なおかつ一発で簡単に乗り越えるわけではない、というところだろうか。
うーん、うまく言えん。。
やあ、この感想書くにあたって、本作なんどか読み返したり、過去の作品読み返したりしてみたのだ。
自分の中ではなんとなく腑に落ちているのだが、これをうまく表現することができない。
ひとつ確実に言えることは、この作品では主人公は一人ではない、ということ。
あー、そうだなあ、その意味では「G戦場ヘヴンズドア」も過去作品よりもマンガらしい。確かにそうだ。
えーとつまり、複数の登場人物がそれぞれにコンプレックスを抱えていながら、
それを克服しながら前に進んで行く、というくだりにおいて、
主人公が複数いることによってそのプロセスが複雑化しており、そこにドラマが生まれている。
あー、この点においては「G戦場」の方がフクザツといえるかな。
ただアレはマンガすぎる、とも言える。なんつーか、都合が良すぎる感じがあるのだ。まあマンガだからな。
そこがいいところでもあるのだが。
対して本作は、そこまで都合がよくはない。いや、まあ、やっぱマンガなんだけどさ、なんつーか「ほどよく」マンガなのな。
わかる?
この6巻までで、黒曜谷女バレ1年の6人全員ひととおり成長した感じか。
しばらくイブニングは読んでいないので、6巻のあとの展開は全然しらんのだが、ここからだろうなあ。
ちょっと不安なのは鉄男が出てきてしまっているところか。
明の社会復帰のくだりとか決して悪くはないのだが、なんかこの作品の方向性が分からなくなってしまったエピソードでもある。
とかいいつつ、面白いっすよ。
「プラ解」「極天」あたりでこの人を敬遠していた方には一度読んでみて頂きたい。
多分見る目が変ると思う。
そんなわけで★★★★☆。
やー、面白いんだけどなあ。本来の主人公である練よりもまわりの人間の方が魅力的にみえてしまうよ。
おぱっか志乃のイマドキありえないツンデレっぷりとかもいいし、男子は千石とか由良木とかいいキャラ多いよなあ。
でもやはり陰の主人公小田切学ですかね。
主人公以上の非凡っぷりになかなか萌えますよ。眼鏡っこバンザイ!
(第1巻発行日:2006/07/21)
ああ、そうだ。似たようなことを考えていた。フォーマットがスポーツモノじゃないんだよなあ。まったく喩えにならないが、「タッチ」は野球マンガ風でありながら本質はラブコメ。「キックオフ」もそうだ。本作は言えばそれに通じるモノがある。バレーボールを題材にしてはいるが、主人公達の心の葛藤を描いた青春群像なんだよなあ。うむ。(2010-04-25 23:59:08)