修士のときは地学系の研究室に所属していたのだが,正直言って鉱物がどうしたとか結晶構造がこうしたとかいう話は全然興味がなかった.一応計算機シミュレーション担当だったが,Fortran使ったごくオーソドックスな数値計算で,当時の俺が希望してたような形ではもちろんなかった.
でも,修士論文を書かなきゃいけないからなんとかがんばって勉強したり,シミュレーションしたりデータ処理をしたりしていると,たまに面白いとか思えてしまうことがあったものである.どんな仕事だって,考えたり工夫したりする余地というのがそれなりにはあるのだ.
何が言いたいかというと,何かを自分にとって無意味だと信じつづけたり,嫌いつづけたりすることも意外に難しい,ということである.信念というのは,どちら向きであるかにかかわらず,常に再強化を必要とするのだ.
いや,Yが梅干しを漬けているのを眺めてたら「六方最密」とか「面心立方」とかそういう言葉が頭をよぎったので,ちょっと思い出した話.