海月玲二

例によってW君が貸してくれた.いつもありがとう.

というわけでバンガイオーであるが,どうやら識者によればこれはカルトな人気を誇る64版・DC版とは別物だと考えたほうがいいそうだ.まあ俺はやったことないからどうでもいいといえばいいのだが,「前作が気にはなってたけどやらずじまいで,DSで出るらしいから興味を持った」という点からすると微妙な感じ.

やったことないゲームの話をしてもしょうがないか.DS版は携帯機らしく小さめのステージをちょこちょこ遊ぶゲームになってる.自機に可能な行動がかなり多いこと,ステージが小さめなことから,結果的にはアクションパズル風のゲームだ.とくにROMステージはそういう傾向が強く,特定の解きかたじゃないとまず無理な面が多い.

そういうわけなのでこのゲームの面白さはステージのできの良し悪しにかかっているのだが,正直言ってROMステージは微妙なものがけっこうある.あまりに単純なステージとか,解きかたはすぐわかるのに操作が異常に難しいとか(さらには成功するかはほとんど運だとか)いうのはどうかと思うなあ.もちろん面白いのもそれなりにあるんだけど.まあ,たぶん作る人のスケジュールの都合とかいろいろあったんだろうなあ.うーん残念.このゲームを今からやる人は,「つまらんと思ったステージはばんばん飛ばせ(特に序盤)」というのをしっかり覚えておくべし.

まあ,このゲームはステージエディット機能がついてるので,2chとかで誰かが作ってるのを探してればそれなりに面白いのもあるというものだ.ありがたい時代である.ステージエディットを自分でやって自分で遊んでもそんなに面白くないしな(昔のアクションパズルにもよくステージエディットがついていたが,みんなこの問題をどう解決していたのだろう).どうでもいいが,ステージデータの保存・読みこみが音声にエンコードする方式なのがちょっと面白い.カセットテープ時代を思い出す.

ていうかオンソクロボがウザ過ぎるよこのゲーム.

2008-09-04(木)

無題

先日のテルミン三号機があまりに音が悪いので,解体してスピーカー部分だけ作りなおしてみている.振動板を周囲の枠と固定してしまったのがよくないかなと思い,いわゆるエッジの部分を改善することにした.

MJ誌のバックナンバーを探してブラットハラースピーカーの記事を調べると,振動板の周囲は発泡樹脂的なもので充填してあるという話らしい.これを真似するつもりで,引き戸の消音などにつかうスポンジテープで周囲を固定してみたが,いまいちうまくいかない.きつくしすぎると振動が損われるし,ゆるくしすぎるとビビリ音が生じる.この方針は,隙間なく充填する方法がなければ無理っぽい.

しょうがないので,不織布を細く切って振動板と枠の間に(ふつうのスピーカーユニットみたいに)エッジを作ってみた.今度は,低音があまり出ないこと以外はわりとマシかもしれない.うーん.

エッジの処理というのは難しいね.「可能な限り振動板の動きを妨げない」「振動板がある範囲に必ず収まっているようにする」というほとんど相反する要求があるんだから当然か.

さて今年の旅行であるが,今回は「いろいろ乗り物に乗ってみる」というのもひとつのテーマである.サーチャージが嫌がらせ的な金額になっているのもあって,出国を船でしてみた.


富山からウラジオストクまで行けるフェリーである.よく見ると車を吊ってるのが見えるが,このフェリーは日本からロシア極東地域に中古車を輸出する業者の人がよく利用するらしい.


おかげで,日本→ロシア便の船上は中古車でいっぱいで,自動車用スペースや甲板ばかりかプールの中まで大事な商品が満載されている.ロシア→日本の便ではプールを普通に使えるらしいのだが.基本的に車のための船で人間を乗せるのはついでみたいな雰囲気さえする.


まあだからといって人間は船倉に押しこめられるとかそういうことはなくて,ちゃんと写真のようにそれなりの部屋がある.本当は上のベッドを倒して一部屋を四人で使うのだが,今回は満員ではなかったらしくこの部屋を二人だけで使えたので,けっこう快適であった.四人だったり知らない人と相部屋だったりすると,多少窮屈にはなるかもしれない.ちなみに,ちゃんときれいなお湯の出るシャワーもついている.

基本はここで一日中ごろごろして,ごはんの時間になったら食堂に食べに行き,たまに甲板で海を眺めたりする.二泊ほどごろごろしてるとウラジオストクに着くという寸法で,思ったより楽でいい感じだった.食事も悪くないし(前から思っているが,ロシア人の料理の味付けは日本人にもそんなに違和感ないものだと思う).

食事のときにロシア人の中年夫婦と相席で(基本的に毎回食堂の同じ席で食べる),突然きれいな日本語で話しかけられてびっくりした.よく考えたら,わざわざ日本に来てるロシア人なんだから日本語ができる可能性は当然あるよな.社交的な旅人ならここでロシアについていろいろ聞いたりして盛り上がるのかもしれないが,俺は非社交的なのでそういうのは別にない.

ちなみに,アナウンスに日本語をつけてくれる場合もあるらしいが,今回はほとんどロシア語だけだった.でもまあごはんの時間ですよとか出国手続きしますよとかもうすぐ着きますよとかそういう重要なお知らせは英語でもしてくれるので,そんなに困ったことはなかった.

つまらんことだが,船体の色をパンフレットと違う色に塗りかえてたり船名の書きかたを変えてたりするのは勘弁してほしかった.この船でいいのかちょっと迷ったよ.

坂の多い港町.軍港でもあるので,外国人が入れるようになったのはほんの10数年前のことである.

観光客としては,坂の多いのには本当に参る.散歩するのが超疲れる.もっと公共交通機関を整備すればいいと思うなあ.実際,架線がだいたいの道路にあるのにもかかわらず,路面電車やトロリーバスはたまーにしか走ってないように見える.みんな右ハンドルの中古車を乗り回すばかりで.路面電車や故障中のケーブルカーなんかをもっと整備すれば,観光にはいいと思うんだが.

街並自体は,地形の制約から立体的で複雑な構造もできるので,変化があって悪くはない.抜け道的な階段通路とかも面白い.建物自体は,まあヨーロッパ調ではあるが,わりに地味である.超有名な目玉建築的なものはあまり無い.あとだいぶガタが来てる建物も多いな.

ちょっと意外だったのが,9月でも晴れてるとけっこう暑いことだ.ふつうに海水浴なども可能なほどである.海水浴場のあたりは地元の人たちが休日を過ごすエリアになっていて,アイスの屋台だとか小さな水族館や遊園地などがにぎわっててなごやかな感じだった.

ところで,昼間は別に変な奴もうろついてないし平和な町に見えたのだが,町のあちこちにビール瓶の破片が散乱してたりしてけっこう散らかっているのが気になった.もしかすると夜は面倒な人たちが出没するのかもしれない.俺は旅行中あまり夜に出歩かないのでよくわからないが.


ウラジオストクからハバロフスクまでは列車で移動することにした.いわゆるシベリア鉄道の,はじっこの部分になる.この区間だけ往復するオケアン号(英語で言うならオーシャン号になるのかな)というちょうどいい列車があるのだ.基本的にはロシア号(ウラジオストクからモスクワまで)と同じ車体だが,青い塗装になっていて,ちょっと新しい車両を使ってるところが違うらしい.

新しい車両と言っても,別に部屋が広いとかシャワーがついてるとかそういうことはない.ふつうの四人一部屋の寝台列車である.洗面台の類も部屋ごとにはなくて,トイレの洗面台で顔を洗ったり歯を磨いたりする.車両一台につき二箇所しかないので,空いてるところを狙うとかそれなりに気をつかう必要があるようだ.あ,エアコンもちゃんとついていて,まだちょっと暑かったので助かった.

今回同室になったのは,ロシア人の男女一名ずつであった(互いに知り合いではない).ふつうに男女同室に混ぜてくるんだな.女の人はわりとすぐに寝てしまったし,男の人は別室の知り合いとずっと話してて部屋にいなかったので,別に会話も何もなかったわけだが.まあ一晩だからそれで済んだけど,四日だの七日だのの期間だったらずっと会話なしってのも難しいのかもね.ごはん食べたりとかもするし.

ていうか今回乗ってみて思ったが,これでモスクワまで行くのは確かになかなかハードだろうな.とりあえず今回は,それなりに寝ることもできてまあそれほど問題はなかった.ただちょっとだけ悔やまれるのは,夜中に目がさめたとき,窓の外をのぞいてみたらよかったかなということである.Yによると,人家もほとんどないシベリアだけにそれはそれはものすごい星空が見えたらしい.

この町の特筆すべき点はまずその地形を無視した強引な構造だと思う.いや無視してはないのだが,ふつうこういうふうには作らないと思うね.もともとこの町の中心部は図のような構造で,丘が三本並んでいて間の谷に小川があったそうだ.で,まずこの丘の頂上の部分をメインストリートに,小川の部分を公園通りにして(埋めたのか?),さらに丘と直角の方向に何本も街路を作って全体を碁盤目状の町にしてある.当然ながら,ひとつのメインストリートから別のに移るだけで坂道を下りて上ってしなければならない.これがけっこう急な坂なのでかなりしんどいのだ.坂道ばかりだから建物の設計も大変になるし.なんか地図だけ見ながら計画立てたんじゃないかという感じすらするね.

あとこの設計のおかげで巨大な公園通りが二つもできてるのだが,さらに市に隣接するアムール川沿いとか中心部のはじっこの広場のあたりとかも広大な公園になっているので,この町はやたらと公園が多くて妙な感じである.でも別に無駄になってるわけでもないようで,いつも公園の各所で休んでる人やのんびり歩いてる人などを見かけた.

街並みは地味だ.碁盤目状の構造に加え,建物の多くが似た感じの集合住宅(旧ソ連型か,最近のマンションタイプのどちらか)で,どうも変化に乏しい風景が延々と続く.一応中央のメインストリートはそれなりにヨーロッパ風の建物が並んでいるが(再建もののようだけど).

ていうかそもそもあんまり観光に来るような町ではないっぽい.いわゆる観光名所的なものもほとんどない.ロシアの地方都市の生活に触れるという意味でも,べつにここである必然性はないのである(中央市場が見学に便利な場所にある,というのはちょっとメリットかな).まぁ,アムール川を船に乗りながらぼんやり眺めたりするのは悪くはない.公園とかを散策するのだってそれなりに楽しみもあるのだ.ただ,こういうのは旅行者というよりは住んでる人に向いてるような気はする.

でましたよまたヤコブレフ40.ウラジオストク→新潟の国際線はちゃんとエアバスだったのだが,ハバロフスク→ウラジオストクはヤコブレフでした.旧ソ連の国内線ではまだけっこう現役なんだろうか.いいかげんどうにかしたほうがいいと思うけどなあ.

ウズベキスタンのときとは違って自由席だったり変な貨物が置いてあったりはしなかったが,機材にかなりガタが来てたのは一緒だ.特にシートがヤバく,加速に応じてぐいぐい動くのでシートベルトの意味が疑問になるほどである.一応シートベルトは閉まるんだが.ていうかエアバスのほうもそんなにきれいではなくて,液晶モニタが開いたり閉じたり不可解な動きをする場面なんかもあったり.

あとウラジオストクの空港で,国内線ターミナルと国際線ターミナルの扱いの違いがものすごかった.国内線は広くてきれいでお店なんかもいろいろあるのだが,国際線のほうはずいぶん狭くて内装なんかも適当な感じ.お店もちょっぴりしかないので,出国まぎわにお土産でも買おうかと思うとかなりあてが外れるので注意が必要.建物に入るときの保安検査もないし,カウンターも簡易的だ.搭乗ゲート(的なもの)に行くまで荷物も預けられないのである.まあ国際線は日に数本ぐらいしかないので,ある程度はしかたないことだろうが.

この日出る国際線は,新潟行きともうひとつは平壌行きだった.なんともコメントしづらいね.

2008-09-11(木)

無題

外国人にとって,ロシアの旅行は今だに不可解なルールが多いようだ.まず例の滞在登録の制度がいまいちよくわからない.泊まったホテルで変な登録カードみたいのを渡されたが,結局このカードの提示を求められることは一度もなかった.出あった日本人の旅行者と相談してみても,二泊以上だと必要なんだとかそんなの初めて聞いたとかいや必ず持ってないととかみんな言うことが違い,誰一人正確なルールを把握してない始末.入国時からパスポートにくっつけられる入国カードみたいのは,係の人たちも必ずチェックしているようではあったのだが.

そういえばウラジオストク空港で出国する際,パスポートコントロールとは別にイミグレーションなるカウンターもあって,ここでも何やらパスポートをチェックされた.あれは一体何のカウンターだったのか今だによくわからない.7年前にサンクトペテルブルクに行ったときはそんなものなかった気もするし.

あとロシア旅行は(少なくとも建前上は)事前に全部手配しないとできないので,ほとんどの人が旅行社を通して宿を予約しておくのだが,結果として日本人旅行者は同一の宿に集中しやすい模様.旅先でお友達を探したい向きには好都合かもね.あとハバロフスクのホテルインツーリストでの日本人対応っぷりにかなり笑った.日本語案内やレストランどころか,日本人対応のナイトクラブまで用意してあるし,「世界人類が平和でありますように」が貼ってあったりする.どこのどいつがわざわざこんなとこまで来て貼ったのやら.

そういえば,ロシアでは鉄道や空港で写真を撮ってると没収されるとかいう話もちょくちょく耳にするが,これは今回発生しなかった.わざわざメモリーカードを別にして警戒していたのだが.まあ,単に運がよかっただけかもしれない.