海月玲二
2018-05-09(水)

無題

ふつう授業というのは教員が教壇でだらだら喋る時間が大半を占めるものだが,「テキストの内容は事前に動画とかで予習することを前提として,授業時間では簡単な説明だけで済ませ,大部分の時間を課題だとか討論だとかにあてる」というのを反転授業とか言うらしい.

でも,そもそも家で予習なんか一秒たりともしてない連中の学校でも,この方式を使っても問題ないと思う.そういう連中は,授業で説明したところでどっちみちちゃんと聞いてはいないからだ.それなら,授業時間で問題とかに多少なりとも取り組むぶん,ちょっとだけ勉強したことになる計算だ.単に,課題をやらせたとき「明らかに予習してない感じの質問」とかでも懇切丁寧に説明してさえやれば,それで十分だ.俺がやってる授業は主にこの方式である.

思うに「まず知識をしっかり身につけて,そのあと問題や討論にとりくむ」という図式は単純すぎるんだろう.実際本を読んだり話を聞いたりするだけで完璧に理解できるなんてことはそうなくて,練習問題を実際にやってみたり,誰かと話したりしてみて初めて本に書いてあることの意味がわかる,というのが普通である.だったら適当な知識レベルでむりやり問題とかやってみて,わかんなかったらその時テキストを読み返してみる,とかでもいいのだ.

問題は,これをやるには教員がけっこう真面目にサポートしないといけない,ということだけど.あほ学校ほど教員のリソースはたくさん必要なのだが,普通はそうなってはいない.