これはいわゆる自作キーボードで、キットを組み立てるのではなくて、設計からやるほうである。画像のスマートフォンはサイズ比較用だ。
- できるだけ薄型・小型だけど有線式
- でもモディファイヤキーぐらいは独立してほしい
- でも表面実装部品はめんどうなので使わない
- 光るとかOLEDがついてるとかの機能は別になくていい
という条件に合ったキットが存在しないようなので、自分でこさえてみた。要するに、ちょっとキーの多いDillyである。一番上のカーソルキーとかは、なんかスペースが余ってつけてみただけなので微妙なかんじ。
キーボードの完全自作というのは超高度な技術的趣味だと思っていたけど、実際のところ個々の知識はそんなに深くなくてもよかった。というか変わったことをしない普通の方法なら、完全に確立した方法があるので、むしろわりと簡単だった。
まず回路の設計のところは、結局のところキースイッチとダイオードを格子状に並べてPro Microにつなぐだけだ。「どこが繋がっててどこが繋がってない必要があるのか」だけ理解していればよくて、ちゃんとした回路の知識なんか全然なくてもできる。プルアップがどうしたとかいう話も、Pro Microとqmkを使ってるなら「なくていい」でおわりである。
それから基板の設計は、まず部品を物理的にどう並べるか決めて、あとは回路通り(というかガイドにそって)配線すればいい。
- 縦方向の配線と横方向の配線を、なるべく基板の表と裏に分ける
- 配線を曲げるときは鈍角にする
というのがコツらしい。
できたら基板のデータをPCB製造業者に送ると、基板を作って送ってくれるので、部品をはんだ付けしてファームウェアを書きこんだら完成だ。
というわけで、まずキットを作ってみたりして、だいたいどういうふうにできているかわかれば、完全に自分でキーボードを作るのはたいして難しくない。なんか配列とか気にいらないことがある人は、試してみる価値はあると思う。
あと俺は回路とかにあまり詳しくないので、最初に一度SU120というやつを使って実験してみた。これはすごくよくできていて、回路図も書いてあったりするのでとてもわかりやすかった。わりとおすすめ。
それにしても、最近の中国の基板製造業者はほんとうにすごいと思う。趣味でこんなに気軽に売りものみたいな基板が作れるとは思いもしなかった。たかだか10数USDで、しかも一週間で届いた。前から言っているが、現代は趣味を楽しむには最高の時代である。個人で可能なことが、昭和の時代からすると信じられないぐらいに増えた。