海月玲二



ホーチミンシティの9月はクソ暑い。たぶん6月でも12月でもやっぱりクソ暑いんだろうが。この国の連中がほぼ全く外を歩かない、というのはやはりこの暑さが原因なのかね。とにかく誰も歩かずバイクに乗っている。600万の人口でこれをやるので、この町はとてつもなく歩きにくい。もともとベトナムの町にはあまり信号機とかが整備されてないので、このような量のバイクには対応できないのだと思う。

そもそも、道路の引きかたとかが明らかにバイクや車優先で、歩行者のことなどあまり考えていない。大通りになると、2kmぐらいに渡って全く横断する方法がないような道が普通にある。ヤンゴンとかと同じで、巨大都市なのに都市計画が雑で十分なインフラが整ってない系の町だ。巨大都市じゃなければイイカゲンでも何とかなるんだけどねえ。

さて、ここはこの国最大の商業都市なので、ビルがボロかろうが道が適当だろうが、オサレなお店とか高級品のお店とかも普通に存在している。ベトナム料理を食べるんでも、屋台の店から先進国っぽい小綺麗な品を出す店まで好きに選べるし、よその地方の料理だって食べられる。ベトナム料理はもともとわりとバリエーション豊富なので、そういう意味ではこの町は観光客的に便利なところだ。今回は泊まったホテルの隣にナイスなカフェがあって、朝食に具合がよかった。

Y氏が陶器など所望するので、川向こうの2区にも行ってみた。あたりにはオサレ雑貨店、外国料理店、ステキなバー、クソデカタワーマンションやオサレ邸宅にインターナショナルスクールやモンテッソーリ教育まで並んでおり、なかなかの鼻持ちならない感でおもしろかった。どうやら主に駐在員とか外国人が来る地区らしい。というか、この手の地区の店に在住外国人が来るのはわかるが、観光ガイドブックで紹介するようなもんかなとは思う。先進国の連中は、ステキなバーとか行きたきゃ自国で行けばいいのでは?

ふつうの街区での外国文化勢力としては、日本と韓国があちこちで鎬を削っていた。そして中華勢力だけが中華街周辺に固まっているようだった。ちょっと珍しいパターンだと思う。中華街だけ古くからあるからなのか、中華系はあまり歓迎されていなかったので結集するしかなかったのか。

2022-09-04(日)

VietJet



「搭乗直前にもうひとつ国内線の航空券を買った」などという無茶な買いかたから、賢明な読者諸氏にはいわゆるLCCを使っているということがおわかりいただけるだろう。ふつうの航空会社なら、まとめて買ったほうが安いはずだからだ。LCCは通常、どう買っても区間ごとの運賃の合計になるので、別にあとから区間を追加してもいっしょなのである。

というわけで今回使ったのはベトナムのLCCであるVietJetだ。というか、そもそも関空への就航を再開している会社がまだ少なくて、選択肢はそんなになかったけど。VietJetは毎日関空便を飛ばしてくれているありがたい会社だ。もちろんLCCなのでいろいろと「そんなことは期待するな」という点はあれど、就航してくれているだけでありがたい今日このごろ。そろそろもうちょっと増えてくるかなあ。

「そんなことは期待するな」で一番アレだったのは、航空券を買うための公式webページや専用アプリの出来が微妙ということである。公式webで買う場合の問題は、「購入者住所の都道府県がどうやっても東京になってしまう」ということだ。専用アプリについては、「異様に重い」という点と「ときどき意味不明なエラーが出て進まない」という点がアレである。まあ、別に物理的に何か送ってもらうことはないし、郵便番号なんかはちゃんと入力できるので、総合的にはwebで買ったほうがマシか。アプリのほうの、「エラーが出て進まないんだけど、エラーメッセージを見ても何が問題なのか書いてない」というのは本当にどうしようもなくて困る。

あとLCCで定番なのは「よく遅れる」というやつだな。今回は、国際線はそこまで遅れなかった。出発は30分ぐらい遅れてたけど、到着時刻はほぼ予定どおりだったし。関空便は今のところ便数自体が少ないので、そんなに遅れる要因がないのかな。問題は国内線で、ニャチャン行きが1時間半ぐらい遅れていた。国際線の遅延を警戒して遅めの便にしていたので、最終的にニャチャンのホテルについたときは22時をまわっていたほどだ。まあ、ニャチャンの治安は悪くないのでそこまで困ったことではなかったが、ホーチミンシティの空港周辺で無意味に5時間ぐらい待つはめになった。

待ってる間、空港の目の前に「モール」と称するビルがあるので入ってみたところ、「1階のコンビニと最上階のフードコートぐらいにしか人がいない」というだいぶ微妙なビルだった。フードコートはそこそこいいと思うけど。

2022-09-04(日)

無題

covid-19対応のいわゆる水際対策について。

帰国前にホーチミンシティの検査機関に行ってPCR検査を受け、さらに結果を紙面で受けとるために次の日にもう一度行く必要があって、なかなかめんどうくさかった。もちろんネット経由でも結果は送られてくるし、MySOSとかいうやつに登録するのはその電子的な陰性証明でも問題なかったのだが、帰国便のチェックイン時には普通に紙面も確認された。あそこで紙を持ってなかったらどうなるんだろうか。スマートフォンの画面に表示した陰性証明とかでもいいのかな?

ホーチミンシティの検査機関も一時はけっこうたくさんあったらしいが、今はだいぶ減って、観光客が主に滞在する1区には一軒しかない。これが微妙に遠くて、歩くと小一時間かかるのだった。二回目はさすがにバスで行った。あと9月1日と2日がベトナム的に休日で、検査機関も午前中しかやってないというのもめんどうだった。いやむしろ半日でもやっててくれてありがたかった、と言うべきかもしれないな。

そのような手間をかけて登録し、MySOSが青色画面の状態にしておいたので、関空ではほぼすることはなかった。着陸から30分で空港を出られたほどである。せいぜい、動線が分けられているので空港内モノレールやトイレの多くが使えなくて不便だったというぐらいだ。しかし、同じ便で降りた他の人は全然出てこなかったけど、MySOS登録などということを完全に準備してきている人は思ったより少数派なのだろうか? その場でPCR検査らしきことを受けている人も見たぐらいである。チェックインのときはどうしたんだろう。

あとMySOSに検査結果を登録するとき、俺は一発で通ったけど、Y氏の分は同じ操作をしたはずなのに一回はねられて操作しなおす羽目になったのもよくわからない。いつも完全に同じ審査をしているのだろうか? というかあれはどのくらい人間が見ててどのくらいが自動処理なんだ?

まあ、9月7日以降はさらに緩和されてるので、今ならそもそも検査を受けたり結果を登録したりする手間もなかったんだろうが。ほんとにもうどうせなら9月1日から緩和してくれればよかったのに。そういえば、VietJetで日本行きの便を予約すると、なんとPCR検査無料のクーポンがついてきたんだけど、あれも中止になったりするんだろうか。それとも3回ワクチン接種してなければ必要だから続けるのかな。本来565千ドン(3500円弱)なので微妙に気になる。

2022-09-04(日)

無題



ベトナム料理というのはバリエーションが多い。そしてその名前が要素の組み合わせでできていることが多いので、なんとなく推測できておもしろい。たとえば麺にも種類があって、日本ではいわゆるフォー(phở)というのだけ有名だが、ブン(bún)とかミー(mì)とかいろいろある。ブンはフォーと同様米粉を使った麺なのだが、平たくないやつだ。ミーのほうは、どうも小麦で作った麺を指すらしい。丸亀製麺の支店の看板には、ちゃんと"mì UDON"と書いてあった。

で、たとえばボー(bò)が牛肉らしいので、フォーボーだと牛肉のフォー、ブンボーだと牛肉のブンになるという具合だ。さらにブンはスープ麺以外の食べかたもいろいろあるらしい。あるとき、よくわからず適当に入った店でブンダウ(bún đậu)なる料理が出てきた(写真)。これはおでん用白滝よろしく小さくまとめたブンと、厚揚げその他と一緒に灰色のタレにつけて食べるものらしい。もはや麺料理と言っていいか微妙である。ダウというのは豆のことらしいが、どうもここでは揚げた豆腐を指しているようだ。

それと、ニャチャン名物らしいブンカー(bún cá)というやつがうまかった。カーというのは魚のことで、魚のダシでスープを作っている。あとすり身の天ぷらとか煮たカツオとかがそのまま入っている。日本人的には馴染みのある味だ。具としてクラゲが入っていることがあって、これはちょっと変な食感で微妙だった。

また、バインミー(bánh mì)というのは、ベトナム風サンドイッチを指すことが多いけど、これは本来単にパンを意味するそうだ。ミーはやはり小麦原料であることを指しているのだろう。そしてバインの部分は、どうも何か粉を練った系の物を指している気がする。饅頭、月餅、お好み焼き、ライスペーパーなどがすべて「バインなんとか」という表記になっていた。