海月玲二

ここから夏の旅行エントリ。

さて今回はなんとヨーロッパに行くのだ。諸般の都合で台北乗り継ぎとなったので、せっかくだからちょっと余裕のあるスケジュールにして、すこしだけ入国してみた。
噂通り、台湾入国はもうほぼ制限なしであるので、こういうことをしても特に問題はない。台湾を散歩するのもひさしぶりで、なんか嬉しい。
ただ、今は家畜感染症かなにかを警戒しているらしく、日本その他の「低リスク国」から来た便の乗客は「低リスクですよ」カードをもらって区別する、という運用をしている。うっかりカードをもらい忘れると荷物をチェックされたりするかもしれない。
台北(というか桃園市だな)では、マスクをしてる人はしていて、同行の家族や友人がマスクをしてなくてもそこは気にしない、という感じ。日本と同様だ。

ところで桃園市にある中櫪(字がちがうかも)夜市は、ずいぶん地元向けの素朴な雰囲気で面白い。ゲーム機(コリントボールみたいなやつとか)の屋台がけっこうたくさんあって、しかもわりに客が来ていてびっくりした。


旅行というのは短期間しか滞在しないので、その町の流儀がよくわからなかったりするものだ。
今回、ここで夕食を食べようと思ったらどうもうまくいかなかった、という話である。なんか人がたくさんいる飲み屋みたいな感じのところに入ってみたのだが、2件続けて「食べるものはないよ」と断わられてしまった。
改めてよく見てみると、確かにみんなビールだけ頼んでダベっているだけだ。ほかの店もだいたいそんな感じである。
「18時台は夕食には早すぎるので準備がない」という話なのか、「ふつうの日に夕食を外で食べたりしない」という話なのかは不明だ。
いずれにしろ、小さい町ではもともと選択肢が少なく、例外的行動もあまり対応できないだろうからどうしようもない。仕方がないので、コンビニ的なところでサンドイッチ的なものを買って帰った。
というか、そうと知ってたらスーパーでいろいろ買って自分で料理してもよかったな。

ところで、なんでこの町に泊まったかというと、単に途中だったからである。飛行機はウィーン往復なのだが、なんとなくポーランドに行ってみたくなった。しかし、ウィーンからヴロツワフまで一気に行くとそれだけで丸一日かかるので、途中で休んだ次第。


オーストリアからチェコを通ってポーランドに行くとなると、普通に検索するとチェコ北東部のオストラヴァを経由するルートが出てくる。
でも、そうではなくて、ブルノからそのまま北上して行けないこともない。このエリアには、もはやチェコ国鉄は走ってないのだが、leo expressなる私鉄がいちおうあるのだ。

というわけで、今回はこれに乗ってみた。外国人がこいつに乗るとなると、だいたい南端のÚstí nad Orlicí駅から乗ることになると思う(ここまではチェコ国鉄で来れるので)。微妙に罠もあるので注意だ。

  • Ústí nad Orlicíと名のつく駅は2つあり、町はずれにある本駅のほうに行く必要がある。間違えると、俺のように歩いて行くはめになる。
  • Ústí nad Orlicí駅の2番ホームは何故か2つあってわかりにくい。

また、leo expressの切符はチェコ国鉄では買えない。さらにÚstí nad Orlicí駅はあくまでチェコ国鉄の駅のようで、ここでもleo expressの切符を買うことはできず、乗車後に車掌から直接買うしかない。カードも普通に使えたが、タッチ決済に対応してない場合も大丈夫かは不明。
日本の大都市でよくある鉄道会社の相互乗り入れってすごいよな。

ところで、「もはや」チェコ国鉄は走っていない、と書いたのは、たぶん前はあったらしいからだ。乗り換えのLichkov駅の駅名標を見ていて、チェコ国鉄のマークが消してあることに気づいた。
これは本邦で言うとこの3セクというやつなのか?


ヴロヅワフはポーランド南部の主要都市で、いわゆる大学町だ。
欧州の大学町では、「旧市街に大学の建物がいくつか点在している」というなかなかおもしろい作りのやつがある。こことかサラマンカとかそうだな。うらやましいことだが、日本ではまず無理だ。なにしろ日本の旧市街に3〜5階もあるような大きな建物はほとんどないからな。
というかまあ、中世っぽい見た目でも中身は現代人が生活できるように改修してあるわけである。ということは、日本でも復元した建物の中身をいろいろ工夫して違う目的に使えばいいのでは?

こういう欧州の古い大学は近代、へたすると中世からあるので、建物とか講堂自体が派手で、現代では観光名所である。
というかアレだ、要するにつくりが教会と同じノリなんよ。結局、昔の大学というのは教会と似たようなもんだし(暴論)。
これは日本でもアレじゃん、名刹古刹で講義とかやったらよくない?

まあついでというかなんというか、古い建物に大学博物館も入っている。展示を見ていて、残ってる資料自体が歴史的資料だからそれだけで面白い、とかズリーなと思った。
でも、科学教育の資料とかもけっこう展示してあったけど、これは本邦でも条件はほぼ同じだな。

大学を見物する以外は、ヴロツワフでもいつものようにあちこち無意味に散歩した。というか夏だと大学の機能してるところはあんまり見れないしな。欧州の町に出かけて散歩すると、多かれ少なかれ「教会連発タイム」が入ってくるので、そろそろ細かい違いとか発展の流れとかそういうことがわかるようにしとくと面白そうだなと思った。

2023-08-26(土)

NightJet

北海道とか東北とかでは、昔はそこまで暑くならなかったのでエアコンの無い家がときどきあり、現代では問題になっているという話あるよね。あれと同じようなことはヨーロッパでもあるんじゃないだろうか。

つまり、今回ヴロツワフからブラチスラヴァに移動するために夜行列車を使ったのだが、少なくとも俺の乗った車両にはエアコンがなくて、わりにつらかったという話である。
夜行バスよりはまあ楽だろうと思って列車にしたわけだけど、もし夜行バスは温度が快適だったりしたら、どっちが楽か微妙だな。さすがに「横になって眠れる」という点のアドバンテージは大きいだろうか。
というか、夜行列車には2等寝台よりさらに安いランクの、座席車という切符もあったのだが、これはよっぽど安くなければバス一択じゃないかしらん。

ところで、今回乗ったやつはオーストリア国鉄が運行してる便なので、運営自体は比較的ちゃんとしてて安心である。何も言わなくても降りる少し前に起こしてくれるし。
オンラインで発行される切符がぜんぶドイツ語でちょっとわかりにくいけど。このオンライン切符、俺はA4の紙に印刷して持っていったら、降りるまでこれを保管されて、なにかあれこれ書きこまれていた。オンラインのまま提示する場合はどういう処理になるんだろうか? 書きこまれてるのがドイツ語の手書きなので、大事なことなのかそうでもないのかすらわからん。


ブラチスラヴァというのはスロバキアの首都であるが、日本ではほぼ知られてないと思われる。

この町に住んでる人たちは、自分たちの町についてどう思ってるのだろうか。周囲にはウィーン・プラハ・ブダペストをはじめメジャーな町がいくつもあり、観光地的にも商業都市的にも激戦区である。というか、チェコの首都プラハと比べて規模も知名度も違いすぎる。
この町にもそれなりに旧市街というものはある。観光客として路地をてきとうに散策したり、オープンカフェでのんびりコーヒーやビールなど飲んだりするぶんには、別にどこの町でもそんなに違うもんかな、という気はしないでもない。
ネットでおなじみのラーメンハゲ的に言えば、「あいつらは名建築や芸術自体を観光してるんじゃない、『情報』を観光してるんだ」ということだ。

まあアレか、観光客が大量に来たらいいというものでもないか。

今回はせつやくしてドミトリーに泊まったので、予算に余裕ができ、展望レストランで高級なメシを食べたりしてみた。西洋人の国で西洋料理に金を払えば、もちろんいいものが出てくるのだ。


ウィーン空港でY氏と合流したあと、我々は西へ向かってみたわけだが、なんだかどうにも天候に恵まれなかった。

我々が滞在している間、何故かドイツ南部では一週間ぐらい雨が降り続いており、ミュンヘン滞在の最初から最後までずっと冷たい雨だった。雨だけならともかく、8月なのに気温が12度とかいうので全くかなわない。
夏の旅行でこんなに雨ばかりだったのは初めてではなかろうか。そもそもヨーロッパの夏でこんなに雨が降り続けるってあるのか? 異常気象の類?

しょうがないので、博物館を見たりデパートをひやかしてみたりして、あとはレストランでビールを飲んだりスーパーでビールを買って部屋で飲んだりとかそんな感じだった。ミュンヘンは大都会なので、こんな天気でもやることが全然なくなったりはしないが、俺の旅行の主目的である「てきとうに散歩する」というのが全くできないのは残念だった。
まあ、品揃え豊富なスーパーはあちこちにあるので、部屋でビール飲み会をする的なことはいくらでもできた。なにしろここは先進国なので、毎回レストランに行ってるとガンガン金が出ていくしな。というか、ドイツではスーパーのビールが非常に安くてうまいので、ビールにあまりうるさくない奴(俺)にとっては部屋飲みでも十分なのではないだろうか。

ところで、ドイツはわりと犬フレンドリーな国だと思う。なんか住宅街の中にあった家族経営的レストランで食事をしていたら、すげえでかい犬が二匹歩いていてびっくりした。どうもそのレストランの犬らしい。
他の客はほとんど常連なのか、食事中に犬が挨拶に来てもぜんぜん気にしていないようだった。