海月玲二

チェコ南部の観光名所である。いわゆる旧首都ジャンルの町だ。
チェコ南部には違いないが、オーストリアのリンツから1〜2時間で来れる(むしろプラハから来るより近い)。この町ではユーロの現金で支払いできるところが多かったけど、おそらく、近隣の国からついでに来ていて、チェコの他の町に行っていない観光客がわりといるのだろう。

さて、旧首都(というかまあ、支配者の城があった町)ではあるが、王城が移転した後は特にこの町の重要度が戻ることがなかったようで、現在は観光で食ってる町である。それはもうコロナウイルス騒ぎで打撃を受けたことだろう。どうも宿泊施設や観光客向けレストランの数が過多な気がするが、これも2019年までは適切だったということなのかな。
しかし、今でもそれなりに観光客はいた。もし「本来期待される人数」が来たとすると、相当混雑する気がするな。今はお得なのかもしれん。

この手の町に共通することだが、旧市街が観光客向けの店ばかりで、現在の住人の生活とは別れてしまっているのは少し残念なところである。眺めて格好いい町並みには違いないが、町というのは鑑賞用のモニュメントではないと思うんだよ。
なお、スーパーの類も外周部にしかないけど、旧市街はコンパクトなので、外周部まで買い物に行くことも無理ではない(たぶん南側にある二軒が比較的行きやすいと思う)。中心部の売店と比べてみると、値段が露骨に違ってておもしろかった。

ごちゃごちゃ文句を言ってはいるが、ここに滞在した二日は晴れていたので、それなりに散歩して楽しんだ。調子こいて南の丘にある八角形の教会のところまで行ってみたりもした。実際にはなにか巡礼的なことをする場所らしいが、観光客的には要するに眺めのいい場所である。もし登ってみようという人がいたら、東側からのほうが道が整備されてて楽だよ。

「チェスキー・クルムロフにはオーストリアから来れる」みたいなことを書いたが、俺らは今回さらに、ミュンヘンから直接(乗り換えなしの)バスで移動した。FlixBusとかいう会社が、「ミュンヘンからオーストリアを通り、チェコに入ってさらに東進しZlínまで行く」という長距離バスを一日一便運行していて、これを途中下車すれば可能のようだった。

なお、ミュンヘンのバスターミナルで、細かいことを言わずに聞くと「チェスキークルムロフ行きのバスというのは無いよ」とか言われる場合があるので注意が必要だ。当日のやつは無い、という意味だったのかもしれないが、それならそう言ってくれないとわからん。
そもそもFlixBusはネットで買うのが基本で、人間がいるカウンターはオマケみたいな扱いのようだ。そのわりには日本のクレジットカードの決済がはねられたりするので困る。

というか、チェスキー・クルムロフは別に重要な町ではないので、もともと交通が不便なんだよね。鉄道にしてもバスにしても支線なんだよ。今回、帰りはすぐそばのチェスケー・ブジェヨヴィツェにまずバスで移動し、そこからリンツまで鉄道に乗った。チェスケー・ブジェヨヴィツェはでかい町なので、交通機関もたくさんある。問題は、この町の名前が日本人には発音しづらい( = 切符を買うのがめんどう)ということだけだ。

今回はウィーンin/outの航空券だが、実際にウィーンに滞在したのは1日ほどである。

しかも中心部の旧市街にはあまりおらず、周辺地区のホテルに泊まったりスーパーで買い物したり、特にどうということもない通りを散歩したりしていたので、なんか観光名所とか有名なお店とかそういうやつの体験があんまりない。

でも、ホテル近くの市場でちょっとした軽食を食べたら「オールドスタイルウィーン風スープ」とかちょっと見たことない感じのソーセージとかが出てきたり、軽食なのに二人で3500円ぐらいかかったりして、まあそれなりにウィーン感はあったとおもう。観光客はあまり来ないらしくメニューが全部ドイツ語のしかなくて、google翻訳のカメラ機能が役に立ったのは初めてである。

あと、空港の免税店コーナーで、町のお店であんまり売ってないおみやげが売っているとか、ヘタにスーパーでおみやげを買うより安いとか、そういうケースを実際に見たのも初めてな気がする。というかまあこの町はスーパーでもけっこう高いことがあるけどな。でもウィーン空港は免税店コーナーや飲食店がどれもちゃんと充実しててすごい。そして、こんな超スーパー観光地の空港ですら一部工事中だったり閉鎖されていたりして、2020年からのダメージは大きかったんだなあとも思った。