環和我話 2006-09-28 17:50「Re:Re:あれ?」へのコメント:
>よくわからないのですが、戦争は大損だ、とわかっているのだとしたら、なぜ戦争をし続けるのでしょう?
そもそも軍事介入の目的については、
1.特定の国家の人権侵害が深刻な場合
ヒトラーのユダヤ人虐殺は600万人と言われていますが、スターリンや毛沢東の粛清は各々1000万人以上と言われています。今や国家間の戦闘の犠牲者よりも国自身が多数の国民を処刑する行為の方が問題かと思います。
最近でもこういう状況に国連が介入する場合は結構ありますよね。
2.国家自体が犯罪行為を主導する場合
麻薬密売、人身売買や偽札の製造などについて直接手を染めた場合、止める相手がいません。ですが、実際に流通する先の国ではたまったもんじゃありません。
3.国家が非国家の大規模武装(テロ)組織擁護する場合
ここのところ一番問題になっているのがこの辺で、アルジャジーラやヒズボラのような国際武装組織で、単純に武器を持っているというよりは、国連に参加していませんから、国際的な武力行使のルールに従わないテロ行為に対する抑止がほとんど機能しません。
反米の国がそういう武装組織に資金や武器援助を行って煽るケースもありますが、そこまでいかなくても国レベルの集団になって現地国も手をつけられない状態になっている場合も多いです。
どれも、放っておくと近代の戦争のように非戦闘員への犠牲はご法度な状況下でわずかな兵員の損害で大騒ぎ大騒ぎするリスクより、より多大な犠牲者が出る可能性がかなり濃厚になっている場合に限られます。
ただ、こういう条件があるからと言って、特定の国があっさり軍事介入できるわけじゃなく、自国の被害状況を明確にして国連安保理の決議を得られるかはどうかはともかく黙認まで取り付けなければ、その国も同じ穴のムジナです。
ですから、具体的な自国の被害としての利権や資源と、事情の正当化がクローズアップされざるを得ないわけで。武器の輸出大国であるフランスやロシアがそんなにバンバン戦争しているわけじゃなく、実際に経済活動が阻害されているアメリカが主役になってしまうのもある程度当然かと思います。
この辺は、少数の人の力で戦争が起きるようなシンプルなものではなく、よくよく政治情勢を見てみるとややこしいものです。
で、具体的にどう改善したらいいかと考えて見るに、やはり国連主導というのがベターな気がしますが、実際には、国連の決議がそんなに公正なものであれば問題はないのでしょうが、常任理事国全部の利害が一致する場合でなければ成立しませんし、それをフラットにしてしまって国の数での多数決で決めるというのも国家の成熟度などを考えれば現実的ではありません。
ですから、その補完としてある程度一部の国家での軍事を含めた制裁行動は許容せざるを得ない仕組みになってしまっているのも仕方ないような気はします。