神戸では、ありがちなパンジャブ料理やムガル料理の豪華志向ではなく、質素でオールベジの家庭志向なインド料理が食べられる店があると聞く。しかしその店はとあるマンションの一室内にあり、更に日本語はおろか英語も不可でヒンディー語しか通じない、と恐ろしく敷居が高いそうな…。フッ、しかし私には海月さんという数々の渡航暦を持つ友人がいるのだ!いざとなったら彼の後ろに隠れちゃえばいいのだ!(ぉぃ)

という訳で海月さんとYさんにお声掛けして、訪問の計画を立て始めたのが2年前の夏だったのだが…なんとその辺りで店舗(というか居室というか)から火災発生!状況はかなり酷いらしく、再開は絶望的との当時の報に、食べ歩きを始めて以来最大のショックを受けたのでした…。

しかし最近になって、すぐ近くに場所を移して再開されたというじゃないですかーッ!2年越しの夢を今叶えん!という訳で、今年のチャンスは逃がしてなるものかと。
[三宮]クスム本場家庭料理
場所は三宮駅から北に(山に)向かい、徐々に斜度がついてくる中を15分位歩いた、ハンター坂という所の中程にあるとの事で、店舗自体はレンガ調の小さなビル「異人プラザ」の2階にありちょっと分かり辛いが、メニューの看板が道端に出てるので場所は分かるでしょう。
[三宮]クスム本場家庭料理
外観は少なくとも"マンションの一室"から"スパイスショップの入口"にレベルダウンしているので、これなら全然入りやすいでしょ?…なーんて躊躇無く扉を開けて入店した所、店中央でスパイスの袋詰めに勤しむインド人のおねーさん・おばちゃん達は誰一人としてこちらに一瞥もくれない…(汗)。その内ようやく気付いてもらうが、お互いに意識し過ぎなのか全く言葉が出ない(苦笑)。店内はマンション時代からすると少し広くなったんじゃないでしょうか?半分が物販スペースで、残り半分が厨房と食事席。2人テーブルと4人テーブルとで12~3席あり。
[三宮]クスム本場家庭料理
まぁしかし、メニューは基本的にランチ\980、ディナー\1,200(価格差はデザートの有無の模様)しかないので、ジェスチャーでも何でも使って、とにかく席に着いてしまえば後は出てくる料理をいただくだけなのです!わはは!
[三宮]クスム本場家庭料理
先ずはおしぼりの後、水とマンゴージュースとサラダがサーブ。当然冷えてなんかいません。サラダはチャットマサラがかかっていたりもするが…やはり刻みは豪快。
[三宮]クスム本場家庭料理
続いてやや小ぶりなサモサが2pc。蜜っぽいやや甘ソースとミントソース付き。揚げたてなのもあり美味いが、この時点から既に辛さがピシピシと来る。
[三宮]クスム本場家庭料理
そしてメインのターリ。ダルスープとベジカレー2品、チャパティと長粒種のライス。この日のカレーは野菜カレーと、グルテンミートのコフタとパニールのカレーで、前者は家庭仕様らしくサラサラでアッサリしていたが、後者は意外にもコクのある仕上がりで美味しかった。スパイス使いに高級店の様な贅沢さはないが、しっかり効いてるので辛さはどちらも結構辛口。
このターリ上の物は全て ALL YOU CAN EAT で、食べてる内に『チャパーティー?』『カリー?』とおばちゃんが回ってくるので、欲しい場合は首を縦に、でなければ横に(なんか喋れよ…)。その場で焼きたてのチャパティとかもうね、まずい筈がない!
[三宮]クスム本場家庭料理
食べ終わった雰囲気でいると、『フィニッシュ?』の確認後にチャイ。もちろん砂糖先入れながらそれ程甘味は強くなく、これは別に…普通のミルクティーって感じでした。自分がマサラティーに感化されすぎですかね(汗)。

日本一ディープなインド料理屋…堪能しました。肉っ気が全然無い分、少し味的な物足りなさは感じるけど、それ以前に雰囲気に呑まれるので気にならないし(^^;、一度その敷居を越えてみれば、全部が全部高いって訳でもないんだな…ってのが分かる。慣れちゃえば1人でも行けそうですね。

…退店時(支払時)も誰も気付いてくれず、ちょっとマゴついたのは言うまでもない。