辛口、ネタばれですので、あしからず・・
上映2日目のレイトショーは、比較的若いお客さんが多く、カップルがほとんどだったけど、
中には女性の2人連れも。
いえ、最初から吾郎ちゃんが出ていなければ見に行かなかったと断言出来ます。
その訳は、だって三池だから!!!
もしかすると、三池スゴイと思えるかもしれないと思い、世の中の人が稲垣吾郎のホントを
絶賛するその姿を見たいと思い映画館へ向かったのでした。
が、しかし。
やはり、三池でした。
本当にこの題材で、このキャストで、どうしたらこんなにダメダメにしてしまえるのだろう。
これは、一つの才能です。
どうして三池に時代劇を撮らせた??
その責任もあると思いますよ。
この映画を誰が見るのか?
到底、時代劇対象の世代が見るようには、作っていません。
「クローズ」シリーズの様に、若い男の子や役者ファンの女性客を対象にしているとしか思えない。
しかし、「クローズ」とは違い、殺し合いのシーンが50分。
人物像も分からないまま、セリフもほとんどないまま、刺客となる人もいる。
これは、それぞれの思いを膨らませた物語ではなく、ただ「死に場所」を求める男たちの話に
終始しています。
唯一、山田孝之演じる新六郎の焦燥感は、痛いくらい伝わってきた。
役所さんの新左衛門にしても、武士ゆえに断れないという感じはあまりせず、むしろ
バカ殿の所業に同情してしまった感が強いのには違和感がありました。
ただ、吾郎の斉韶様は、ゾクゾクするほどステキだった。
その立ち姿からして、もう殿様なのよ。
彼の独特の身のこなしと右利きで刀を振り下ろす姿の不器用で痛々しいこと。
この人の残虐さは、エキセントリックというより、むしろ孤独感から発している様にすら思える。
幾つものおもちゃを持っても、満足できない子供のように満たされない思いが感じられます。
ワタクシ、吾郎が本当にスゴイと思ってしまったのは、夕餉時、お膳に料理をぶちまけて、
そのまま犬食いをするシーン。
その吾郎は、その後のセリフ「今夜は女子2人としょう(という感じ)」を連想させるものなのですよ。
あ〜〜、驚いた!!!
あの吾郎さんがですよ。
けれども、所々に見せる笑顔は、コンサでも見せるような屈託のないものだったりするし。
本当にこの殿様の役のキャスティングは、素晴らしい。
稲垣吾郎は、役者よね。
ま、そこを見に行ったので、その他の事はこの際、どうでも良いんだけどさ。
けど、松方弘樹の殺陣の見事さや市村正親の存在感や古田新太の映画なのに舞台なみに通る声とか
良い所はたくさんあるんだけどなぁ〜〜
編集も雑だし、変なCGはあるし、まったく無駄なお笑いシーンもあるし。
ま、ダメダメな所が多すぎる。
ファーストシーンの内野さん、お見事でした。
そうして死ぬ理由を貰って見事に果てた松本幸四郎さんもお見事でした。
本当に惜しいなぁ〜〜
三池じゃなけりゃなぁ〜〜とため息。
初めてエンドロールの途中で席を立ったので、分からないのですけど、
まさか「ならず者」は流れたりしなかったでしょうね。