ポルトガルとスペインの間のルートはいろいろあるが,中部を通るルートだと,北部の都市ポルトを出発してヴィセウやグアルダを経由,国境を越え,サラマンカを経由してマドリッド着というバスがあるようだ.コインブラからこのルートに行くには,どうやら途中でバスを乗りかえるらしい.しかしそういうことは全然聞いてなかったので,ちょっと戸惑った.コインブラの観光案内所では「コインブラ発サラマンカ経由マドリッド行き」というバスの案内がもらえたし,バスターミナルでも普通に「サラマンカ行き」という切符が買えたので,最初はそういう直通バスがあるのかと思っていたのだ.しかしコインブラを出て一時間ぐらいするとアルベルガリアなる町で一旦下ろされ,そこでポルトから来たバスに乗りかえろと言われた(ようだった).
というかコインブラのバスターミナルはあまり整備されていないような感じだ.大きな町のバスターミナルというと,ふつうは「10時30分発 マドリッド行き 7番乗り場」みたいな発着案内が一覧で表示された掲示やモニターがあるものだが,そういうのがいっさい無いので,とりあえずバスの運転手に聞いてみるしかない.バスに掲示してある行き先表示もいまいち確実じゃないようだし.インフォメーションカウンターみたいのもないんだよな.
時間はコインブラからサラマンカまで,乗りかえ待ちも入れて総計6時間半だった.まあそんなものだと思う.むしろポルトガルとスペインに一時間の時差があるのをうっかり忘れそうになる.なお両国ともEU(というかシェンゲン国)なので,国境審査はわりあい簡単である.日本のパスポートならちょっと確認するだけで終わりという場合がほとんどだろう.まあバスなので全員のパスポートチェックが終わるまで進めないけど,それでもそう多大な時間はかからないと思われる.
車窓の風景を見ていると,グアルダあたりからだいぶ雰囲気が変わり,まあなんというか不毛な感じになってくる.ポルトガル側ははじめわりと森の多い風景なのだが,それがだんだん石や灌木ばっかりになってくるのだ.そしてなんか砂岩の色をしたサラマンカの町に着いた.