7月からウチの会社が他社製品を販売する事になった。これも業界合併旋風の影響である。で、急遽全国行脚の社員研修実施のため、本日から出かける事になった。まずは名古屋に向かう。来週は九州の予定。

この製品は現在2社で併売しており、両者併せて年200億円超の売り上げがある。だが、発売からすでに7年経過しており、あと2〜3年のうちには特許切れを迎え、後発参入品が出回り、売り上げは大幅ダウンとなる。併売している会社も合併間近なので、いずれウチ1社で販売する事にもなろう。

そんな製品を今売る必然があるのだろうかと思う。自社製品が非力ならいざ知らず、各分野のトップ製品並のものがたくさんあるというのに。そんなに目先の数字が欲しいのか。外資だからそれも大ありだろうけど、そんなヒマがあるのなら、もっと自社製品を大切に育成しろと言いたい。

まるで何でも欲しがるどっかの球団みたいである。

研修出張の前半を終えて、久々の出社。とは言っても、午前半休をかました午後出社である。蓄積疲労は都度解消せねばやってられない。

名古屋では、これも久しぶりに名古屋コーチン専門店「鳥銀」にてコースを堪能。刺身、焼き物、水炊きにいろいろついて4600円也。決して安いとは言えないが、話題作りにはまあ良いだろう。歯ごたえが良く、噛むと旨みが滲み出す鶏肉はこういう時でないとなかなかお目にかかれない。

愛知万博開催時期でもあったので、あっという間に満席となり、周りでは名古屋弁ならぬ関西弁が飛び交っていた。東京からわざわざ万博に行こうとは思わないが、大阪からなら1時間程度の距離とあって、手軽に来れるのだろう。

「万博」と言えば、我々の世代は1970年の大阪万博である。経済成長期とも重なり、それこそ日本全国から観光客が殺到した。私も家族に連れられて、この時初めて新幹線に乗って見に行った。その圧倒的なスケールから受けた興奮と感激は今もって強烈に記憶されている。それゆえ、それ以降の万博(海洋博、宇宙博、花博など)は、私は万博とは認めない。

それと比べると愛知万博はいかにも中途半端である。会場面積は大阪万博の半分。最初は先端技術博だったはずが、開催地獲得のため急に環境博とテーマ変更したが、それに間に合わない企業展示は、テーマと正反対のロボットオンパレード。会場内のレストランを始めとする食べ物の価格もかなり割高で、必然的に弁当問題が勃発。あげくに観客動員低調のため、パック料金を値下げするとか。

いかにも愛知県人のおエライさん達らしいセコさといいかげんさである。

JR福知山線の脱線事故の死者が90人に達した。潰れた車内にまだ十数人が閉じ込められているという。最終的に死者は100人を越えるかもしれない。阪神大震災といい、サカキバラといい、神戸は災難続きである。

ニュースなどを見ていると、原因の大部分は経験11ヶ月の運転士の過失による部分が大きいようだ。40mものオーバーランを起こし、その遅れを取り戻すための速度超過だったという。モニターの記録でも事故現場のカーブでの速度は100kmを上回っていた。70km制限にもかかわらず、である。

この運転士は過去に100mのオーバーランや居眠り運転など3度のミスを起こしている。今回のオーバーランも車掌に8mと口裏合わせを頼んでいる。こんな人物に運転という職種が本当に適性があったと言えるのだろうか? 会社側の体制、責任の所在はどうだったのか? 今後早急に明らかにすべき事が相当あると感じた。

不祥事続きのJALもそうだが、時間通りに安全に移動できて当たり前という交通機関の重責を全うするには、人材のバラつきが過ぎやしないだろうか? 整備であれ運転であれ、何事も起こらない事に日常的に慣れすぎて、感覚のマヒに陥っているのかもしれない。ちょうど我々が車を運転する時に、初心者の時分より、もはやさほどの緊張もしないのと同じなのかもしれない。

人間(生物)の走るスピードはその生物には制御可能である。万一何かと衝突したとしても致命傷には至らない。そのスピード以上の時、通常は恐れを抱く。しかし慣れが生じれば次第に恐れも生じなくなる。だが万一の時、そのスピードは制御できるスピードではないゆえ簡単に致命傷に至る。

スピードとはエネルギーに他ならない。

6月末をもって愛すべきザル子4号が退職する。で、昨日はザル子およびザル子サポーターによる送別会を開催した。場所はザル子審査会でおなじみの自称地中海料理居酒屋。参加人数は延べ10人といったところだったか。

ヘタな男よりも酒には強く、でもそのキャラはそこらの女性よりはるかに魅力的な「いいをんな」を敬意を込めて「ザル子」と認定してきた。彼女はその第4号であった。

でもその「いいをんな」は、会社の仕事では苦労が多かった。専門性の高い仕事であるにもかかわらず、上司や同僚からキツい仕事を平気で丸投げされ、それなのに業績評価は決して満足のいくものは得られなかった。福利厚生の面でも戸籍上世帯主であるにもかかわらず、なぜか女性という理由で男性世帯主と同等の待遇を受けられない。それでも彼女はこらえにこらえて頑張ってきた。

そしてついに限界が来た。不本意ながら退職の道を選んでしまった、いや選ばざるを得なくなってしまったのだ。今後の事はまだ決まっていないそうだ。昔、彼女が秘書兼マネージャーをしていた、誰もが知る今最も輝いている宝塚出身の女優の所に帰って、もう一度やろうかななどとも言っていた。彼女とはとてもウマが合い、今でもオファーがある仲である。

午前3時。カラオケボックスに「乾杯」の大合唱が響き、名残りを惜しみつつも送別会は解散した。近々の飲み会での再会を約束して。

国内トップ5を目指すとのたまうこの会社は、また一人の優秀で愛すべき人財を見殺しにした。

一昨日、息子が函館から帰ってきた。1日の入学式から1ヶ月も経っていないのにもうGW帰省である。羽田に迎えに行ったのだが、ちょっとしたトラブル勃発。同じ便で帰ってきた同級生の親が迎えに来てないのだ。

その生徒はたまたま傍にいた同級生の母親の携帯を借りて連絡を取った。ところが電話した先はなぜか父親の会社で、現在会議中で不在との事。おいおい、こういう時の連絡は普通まず自宅へするだろ? 再度自宅へ連絡。自宅では迎えに来るはずの母親がいた。急用ができて迎えに来れないので、今から父親が銀座の会社から交通費を届けに来るから、その場で待っていろとの事。

その子の家は千葉県柏市との事で、我々もその場から帰るわけにもいかなくなり、携帯を貸した同級生の母親共々6人が1時間位その場にいるハメになった。

これも危機管理の無さだろう。学校の規則で携帯は持てないので、万一の場合に備えて家までの交通費位は持って出ろ、羽田に着いて迎えがいなければここへ電話しろ、と事前に言っておけばいいだけの話だ。もし同級生の父兄がたまたま傍で一緒でなかったら、彼はどうするつもりだったのだろうか。

家に帰って、息子から寮生活について訊く。机に置いた財布のお金だけが盗まれた事件があり、先生は名乗り出る事を促したが出て来ず、結局一学年全員にプリントを配り、やった生徒は該当欄に○をつけ、後日相手に匿名で謝罪文を書くという事で決着させたそうだ。

そうかと思うと、早くも感情過敏な子がいて、他人から注意されるとキレて食べ物を投げつけた事件が起こったという。すでに数回同じような事をやり、事態は校長面談にまでいっているという。だが本人は悪いという認識は持っていないという。

そもそも面接もなく入試の得点だけで合否を決めた学校にも問題はあるが、やはりこういう学校でさえも、いや寮という集団生活であるからこそ現代の子供が抱える問題心理が早々と露見してくるのだと知った。

いずれにせよこういう子は、公立と違って私学だけに退寮処分=退学やむなしとなってしまう日は残念ながら近い。