このところの不安定な空模様から一転、早くも夏日を記録した今日は、息子の迎えで羽田空港まで飛ばす車中、エアコンを入れてしまうほどの暑さだった。空港に着いて間もなく、キャスターバッグを引きずった薄手のベンチコート姿の息子が出てきた。わずか5日間の連休帰省である。
一ヶ月ぶりに帰宅した息子は、事前着手を防止するために学校側が帰省直前に発表した宿題に早速取り掛かっていた。TVでは、折から問題視されている「野球特待生」の報告期限の今日、高野連に報告された高校の名前を発表していた。
ニュースによれば、締め切りの午後6時までに報告があったのは、44道府県の私立334校だったと発表した。さらにその後も東京都20校と茨城県10校等39校が新たに申告し、結局、高知県を除く46都道府県370校以上で憲章に抵触する制度を設けていた事が判明したという。甲子園常連私立高校の多くが該当し、北海道では息子の中学の近くにある函館有斗の名前も挙がっていた。
高校生のスポーツ競技の総元締めは高等学校体育協会なのだが、野球に限っては高野連が元締めなのだそうだ。高野連では、戦後すぐに制定された学生野球基準要項、後の学生野球憲章がバイブルで、そこに「金品等授受の禁止」が謳われており、それが今回の報告義務につながっている。
高体協ではスポーツ特待生は禁止されていない。逆に言えば、野球だけが憲章の文言によって禁止されているのである。それだけ甲子園大会も他の競技より派手で全国区、プロへの道も開けており、よって動く金も高額だからそれだけ厳しく一線を引かなくてはならないという考えも分からなくもない。
今でこそサッカーもJリーグがあり、プロへの道も開かれているが、まだまだ主力選手と言えど全国区の顔とまではならないし、野球に比べれば選手生命も短い上に動く金も少ないだろう。ま、程度の差こそあれ実は同じ事をやっているのかも知れぬが、少なくとも問題視されてはいない。
野球には、ラジオ・TV中継の頻度も含めて国民的スポーツとして根付いてきた長い歴史がある。それに加えてサッカー等に対する大きなアドバンテージとして、同じ団体競技ではあるものの、野球にはピッチャー対バッターの一対一の勝負という個人競技の醍醐味をも持ち合わせているという点が挙げられる。それゆえ個人にスポットライトが当たりやすいスポーツとも言える。
瞬時に攻守が変り、ひっきりなしに動き回るサッカーよりも、心理戦などの静の場面に感情移入できるのは日本人にとっては非常になじみやすい。しかもその一つ一つの勝負毎に結果が出、固定されたイニング制なので腰を落ち着けて見ていられる。攻守があと何回だから作戦は・・・等と考える余裕もある。
狩猟民族のラテン系欧米人と違って農耕民族の日本人は、制限時間内に点を取り合う競技より、時間に関係なく回数やホール数、セット点数等が決められた中でじっくり取り組む競技の方がDNAのフィーリングに合うのだろう。熱狂的なファンはいるものの、ラグビーやバスケ、アイスホッケー等が全国区のスポーツになりきれない一因もそのあたりにあるまいか。もちろんTV中継の頻度も少ないが。
いずれにせよ、良きにつけ悪しきにつけ注目されたプロアマ球界の金品授受と裏金問題。なんと生徒ばかりか指導者にも金が回っているという。平然とプロ球団から金品を受け取る監督、中には率先してプロ球団へ要求したり、生徒の契約金の一部を礼金として受け取っている不届き者もいるという。私にはその連中が白日の下に晒される日が楽しみである。
学校側とて野球で全国区になれば志望生徒が増える。野球部が甲子園に出場し、生徒がプロへ行けば注目され金になるのなら、当然、その有望な素材を獲得するための投資として金を使うだろう。野球特待生は学校経営のための営業戦略だったと言ってもいい。
だが、ひとつ訊きたい。
学生野球憲章13条にはこう謳われている。「(前略)選手又は部員であることを理由として支給され又は貸与されるものと認められる学費、生活費その他の金品を受けることができない」
厳正に適用されれば事実上レアケースになるとは思うが、もし学業優秀で特待生として入学した生徒が野球部に入部した場合、その生徒は野球部の活動ができるのかできないのか? できるのなら野球特待生禁止の矛盾点になるし、できなければ生徒の教育権利問題になる。
さあどうする、高野連。
>幹事の一人ume氏は何ゆえこんなへんぴな場所を最終集合地点にしたのか良く分からん。ブツブツ
ホテルへ向かう奥琵琶湖畔の素敵な風景を先輩がたに観ていただきたかったのです。たまには効率よりも無駄を選択してもええじゃぁないです?(笑)
あ、私のサイトでレポート公開しました。(2007-05-14 22:03:56)
POOB総会とは、206で長距離ドライブするための口実、あくまでドライブすることに楽しみと意味がある。酒やカラオケなんぞ「ついで」ですよ、「ついで」。わはははは(2007-05-17 10:45:48)