ヤングジャンプ方面掲載中の「サムライガン」((1)〜(2),(3))の別バージョン.
時代設定的には本家の数年のちということになろうか.「サムライガン」と呼ばれるモノは登場するし,本編登場の捨吉あたりも出てきたりするので,物語としては繋がっているのだが,なにせ別物.ドコが違うって・・・そりゃあアナタ,そこはなんつったってウルジャン掲載ですよ.萌え度が違います(笑).いや,ほんとに.多分単純にサムライガン的なカッコよさと,ウルジャン掲載にふさわしい萌え度を持ったマンガを描きましたって感じなんだろうな.熊谷氏本人が描きたかったのか,それとも編集さんの熱い思いなのかは分からんが,しかしまあ本家の方の濡れ場とか拷問シーンとか考えて,あれをさらに萌え萌えな感じにしたって考えただけで,ほれ,どうです!?(←何が!?)
ただねー.言っちゃなんだけど,それだけなんだよなー.面白くないワケじゃないしむしろ殺陣とかは相変わらずかっちょいいし,けどね,なんつーか展開が読めちゃうというか,どうでもいいというか.マンガとしての決定的な面白さに欠けている気がするんだよな.
本家「サムライガン」の方はその辺が上手く描かれている.いや,多少難しすぎるところもあるんだけど,それでもかっちょいいし,単純に面白い.楽しめるマンガだ.なんだろな,こっちの「月光」にはとりあえず「爽快感」みたいなものは皆無.本家の方は一話に一回,必ず「サムライガン推参!」ってシーンがあって,そこで鳥肌がぶわーっとなったりするんだけど,こっちはどうにももやもやした感じがしちゃうのな.ま,ただ本家の方は増刊掲載と読み切り掲載のことが多くて,基本的に一話完結な話にせざるを得ない,という状況がああいう構成を作り出していて,一方の月光の方はまっとうな月刊誌連載.その分次回へのヒキみたいな部分を作らざるを得ない,というところがモヤモヤになっているのかもシレン.うん,あるいはこの人が連載慣れしてないのかもシレンな.
とはいえそれなりにかっちょいいし,萌え度もヨシ(←おい).実用にも充分耐えるツクリとなっております(←!?).これを読んで本家に入るってのも,あるいはアリかもしんない.人によってはこういうのの方が読みやすいかもシレンし.
つーことで★★★☆☆
(発行日:2001/07/24)