「演歌の達」「ざこ検マルチョウ」の高田靖彦の新作。ドラフト1位で人気球団に入団しながらも、実力を発揮できずに失意のうちに球界を去った門前と、その門前のために日陰だったがアメリカに渡りメジャーリーグで大活躍する矢畑。そして弱小仙台ファルコンズを買い取り、チームの再興と野球場の「ボールパーク」化を夢見る女傑オーナー鳥塚。ファルコンズ再興の目玉として鳥塚が掲げたのは、門前の球界復帰と矢畑の獲得であったが・・・という感じ。あらすじ長すぎ?
何度か書いてるけど、連載追ってるとかなりダレ気味なのよ。なんかこう、じっくりしすぎててまだるっこしいというかね。けど、こうやって単行本でまとめて読むと、すごく面白い。それぞれの考えてることがしっかり伝わってくるし、毎回毎回じんわり熱いし。「マルチョウ」のときにもやはり連載で追うよりも単行本でまとめて読んだ方が面白いなと感じたんだけど、これも同じだね。というか、こっちはマルチョウにはなかった熱さがある感じ。なんていうかね、内に秘めたる闘志みたいな。じんわりというか、じんじん熱い感じ。なかなかいいですよ。
そんなわけで★★★★☆。
ただなー。やはり連載追ってていまいちのめり込めないってのは、週刊誌、隔週刊誌くらいだと結構致命的なんじゃないかなと思うのね。幸い掲載誌が落ち着きがあって、じっくり読ませるタイプの作品もちゃんと載せられる雑誌なので、いきなり切られちゃうってことはなさそうだけど、この調子だと人気落としちゃいそうだよなあ。かなり心配。大好きな作家なので、がんばってほしいです。
あとこの作品、スペ増刊掲載の「ドライチ」って読み切りがプロローグ的な位置づけになるんだけど、これが載ってなかったのがちょっと残念。最終巻あたりに収録されるといいんだけど、ムリかなあ。