むう。
  3巻感想時に、 「このあとの展開、あまり面白くないんだよなあ。」 とか書いちゃったのだが、なかなかどうして。 最凶の中学生・仲根とのバトルもこうやってまとめて読むとなかなか面白い。 や、何が面白いって観衆だよなあ。 対決モノって、その当事者だけを見ててもあまり面白くないのだが (黒沢の場合は思考がすでに面白いってのはあるので例外だが)、 読者に対して解説してくれる観衆・解説者の存在ってのは非常に重要だ。 というのはこの黒沢を読んでて気づいたことではあるのだが、 例えば「将太の寿司」とか「ミスター味っ子」におけるヨダレをたらしまくる観衆。 あれがなければこれらの漫画の面白さは半分以下だろう。 あるいは「はじめの一歩」ではレギュラーのうちの誰か、 例えば一歩試合なら鷹村や青木村、あるいは宮田、宮田の試合なら一歩、という感じで必ず解説をしてくれる。 この解説がなければ試合の臨場感みたいのは伝わらないよなあ。 で、とりわけこの黒沢では、黒沢を見守るオヤジ連中が非常に良い味を出している。 双眼鏡のオヤジ、最高。
  で、仲根とのケンカに勝った黒沢は、いつしか「中学生殺し」の異名で呼ばれるようになる。 この辺のエピソードの情けなさがまたたまらんなあ。

  つーわけで★★★★☆。
  しかしこの漫画を笑ってていいものかという一抹の不安も。

  この巻のあとの、仲根に連れられてハッスルする黒沢も見逃せないぜ。

(発行日:2005/01/01)