完結。
  って、もう半年以上も前に読んでたんだけど。 なんていうかねえ。 ちと消化不良なところがあって感想書けずにいたんだけど、放っておくのもさすがに気持ち悪くなってきたので決別するために。

  イントナルモーリを利用した民衆の奴隷化計画を壊滅するため、評議会を裏切ることになった市松はじめ初期型サムライガンの面々。 市松は昔なじみで頼りになる代門に接触を図るが、代門は市松を拒んでしまう。 他方、牧らはイントナルモーリによって操られている五号丸露台と戦闘。 その戦闘の中で、牧は露台の放った弾丸によって命を落とす……。
  この巻全体に渡ってかなり混沌としていて、何がなにやらわからないところもあるのだが、いくつかの伏線は消化されつつ、事態は収束する。 結末やそこに至る過程については賛否両論あるようだが、市松に焦点をあてるなら、一応ちゃんとクローズできてるかなあ、という感じ。 ラスボスっぽい裂界の正体、姉の殺害についても知り、その裂界を倒すこともできた、という点においてはだけど。

  でもなあ。
  ここまでこの作品についてきた者としては、ちょっとなあ、ってのはあるんじゃないかな。 市松以外の主人公、とりわけ捨吉や牧に思い入れがあると、納得いかない部分はあるよなあ、きっと。 わしも牧の最期はあんまりだー、とか思ってしまうのだが、しかしまあこんなもんかな、という気もするし。
  という具合でスッキリしないんだよなー。なので★★☆☆☆くらいで。

  雑誌掲載時から比べて随分変更されている。というか、書き足しがかなりある。 とりわけ、楓、佐吉らの消息、話頭と重サムライガンを討ったあとの市松とか描かれているのは、このラストって考えるとちょっと救われた気持ちになるのでよかったかなと思う。
  で、スッキリしないもうひとつの理由は、雑誌掲載での最終回が2003年9月。 単行本発売は1年以上も待たされたんだよね。 雑誌掲載時の最終回もかなりアレだったので、単行本での書き直しにはかなり期待があったのよね。 で、牧がお亡くなりにならないラストなんてのも一部では望まれてたっぽいが、さすがにそこまではなあ。 ま、雑誌のママだと市松までお亡くなりになっちゃったっぽいが、とりあえず生存が確認できてよかった、って感じかな。

  ちなみにこのラスト、先般 UJ に載っていた読み切り「ロッテルダム・バーニング」に続くわけで。 これが月光に繋がっていくのか、という期待もあったのだが、あれきりだなあ。 ま、わしゃサムライガンにはこだわらないので、今後もっといろんな作品書いてもらえるといいな。 あ、あのタツノコプロの「鴉」とかってあるじゃない? ああいうのをこの人がコミカライズするとすげえカッコイイものになりそうに思うんだけど、どうですか?(何が)

(発行日:2004/10/24)