一部ヲタ系文化のありとあらゆるところにネタが出てくるので,この小説はずいぶん前から名前だけは知っていた.なにしろ長い間絶版だったので,読もうにも気軽に読むことができず気になっていたのだが,なんと最近書店で偶然復刊しているのを知る.いやーびっくり.
いわゆるバカSFの部類であり,読んでてすごく懐かしい気分であった.子供のころはこういう本が大好きだったものだ.いや今でも別に好きだけど.バカSFというのはいかに無茶苦茶なことを不可解な屁理屈を持って出してくるかがポイントだと思うが,その点この本はなかなかよくできていると思う.伊達にその筋で名作扱いになってるわけではないな.
で,そもそもなんで最近急に復刊されたかと言えば実は映画化されたかららしいのだが,調べてみると神戸ではちょうど今やっているところではないか.せっかくだから,今日は映画版を見に行ってみた.
小説を映画化する場合の難題のひとつに「御託を並べてる部分をどう処理するか」というのがあると思うが,まあそれなりに頑張っていたのではなかろうか.ヒッチハイクガイドを読むシーンは謎のアニメーションでがんばってたし,なんとか全体を一つのお話にまとめてあったし.
とりあえず主題歌がすごく良かったのと,まあ実際にあの作品を映像として見れただけでもわたしは楽しかった.が,まあ,原作知らない人が見て楽しいかどうかはかなり疑問だな.
さて,ここまでは全部前フリだ.今日一番書いておきたかったことは,これを見た映画館にはわたしとYとあともう一人しか客が来ていなかったという事実である.新しくできたばかりのシネコンなのに.