海月玲二

今回は、「マテリアルデザイン的見た目になった」というように見えないこともないが、これは結果的にそうなっただけである。もともと、ソフトウェアキーボードの状態を管理するKeyboardとKeyboardViewというクラスがなぜか廃止になったので、しょうがないから自前で用意しようと思ったのだ。このとき、ボタン背景のDrawableも自前で用意する必要があった(Android内部のリソースはそのまま使えないっぽい)のであるが、このときいまさら昔ふうの9-patch画像を用意するのもめんどうだったので簡単に単色の背景を作った次第。

というわけで今回のバージョンアップにおける真の違いは「Keyboard.ktとKeyboardView.ktを作った」なのだが、ユーザー的には見た目が変わったように見えるのである。あとは、最近なんだか動かなくなってた機能の修正ぐらいだな。音声入力とか、マッシュルーム対応とか、辞書ファイルの読み書きなんかがAndroid13とかでもたぶん動くようになったはず。

それから、Android13では候補表示が出なくなってると教えてもらったので、これも直した。調べてみてわかったんだけど、「本来意図しない挙動だった点をgoogleがいまさら直した」というのが原因らしい。そういうことはちゃんとどこかで説明しておいてくれ。

ひさしぶりにバックパッカーをやろうと思い、とりあえずマレーシアまで来てみた。
去年の旅行は期間も短めだったし、たいして複雑な行程もないのであまりバックパッカー感はなかったのだ。

なんでマレーシアかというと、安く来れたからである。パッカーたるものケチくさくなくてはいけない。
いや、というか、まだ関空からの便があまり復活してなくて選択肢が少なかったのだ。夏ダイヤではだいぶ復活するようなので期待している。

で、去年の夏も使ったけど、現在関空からホーチミンシティならVietJetで安く来れる。そこで、ホーチミンシティから安く往復できそうなところ、ということでマレーシアになった次第。
前に来たときは学生だった気がするので、15年以上前だ。

というわけでVietJetからAirAsiaに乗りつぐことになったわけだが、だいぶぎりぎりだった。関係ない航空会社の切符を別々に買うので、ホーチミンシティであらためてチェックインする必要がある。
そしてこのためには、どうしても一回ベトナムに入国する必要があるようなのだ。ホーチミンシティの空港では、制限エリア内にチェックインできそうなところが見当たらなかった(まあ俺が気付かなかっただけかもしれん)。

ともかく一旦入国する場合、いちいち入出国審査や手荷物検査を受ける必要があり、チェックインだけよりかなり時間がかかるのだ。今回、乗り継ぎ時間的には2時間半はあったはずだが、30分程度しか余裕がなかった。
LCCは遅れやすいわけだし、正直無理があったかんじ。荷物を預けてたり複数人だったりしたらもっと無理かも。まあ、今回の帰りは半日以上開いてるので、よほど遅れなければ大丈夫のはず。

あ、もしかすると、Webチェックインをちゃんとやれば外に出なくてもいけるのか? でもあの空港ではスマートフォンで搭乗券を見せてる人を見かけなかったけどなあ。

2023-02-26(日)

イポー

イポーというのはマレーシアの町の名前だ。クアラルンプールから鉄道でちょっと北に行くと、瀟洒な鉄道駅が突然出てくるので、そこで降りる。
この町の中心は鉄道の東側である。いわゆるショップハウス系のクラシックな町並みで、名物料理の店や夜市などもあり、観光的にも多少は人が呼べそうなやつだ。
しかし鉄道を越えて西側に入るとぜんぜん違う。広い道路に低層大型の建物が並び、歩いてる人はほとんど見ない。商店があるエリアも、街道沿いにそのまま商店が並ぶタイプだ。要するに日本の地方都市と似たかんじのやつである。
こんなにすぱっと「郊外」と切り替わるのはあんまり見ないな。車が普及するまでは、そもそも西側は町ではなかったのだろう。

さて、東側では町のあちこちに中国語が併記されてるし、看板も中国名がほとんど、歩いてる人も中国語を喋ってる人が多い。マレーシアの町ってこんなに中華系寄りだったかなと思うほどだ。
一方西側では中国語を一気に見かけなくなる。中華系の人も見ない。町の中心部(旧市街周辺)は中華系が押さえている、ということのようだ。かつて鉱山の町として発展したときに、開発してたのが中華系だったらしいからな。

ただ西側にはマレー系の人達がそれなりに住んでるわけだし、中心部の飲食店をよく見ると "no pork/lard" だとか "muslim frendly" だとか書いてある店も多かったりする。さらにインド系の地区もあって、ヒンドゥ寺院などではほかの人達は全然見なかった。まあいろいろ大変だね。

ところで、イポーについて調べると「もやし料理が名物」とかいう情報がよく出てくる。というわけで食べてみたところ、「もやしでもうまいものはちゃんと違いがわかる」ということに感心した。
しょせんもやしなので、これだけのために来るというようなものではないが、なにかで立ち寄る機会があったら試してみてもよいと思う。
ただよく挙げられる「老黄」という有名店のゆでもやしは、もやし自体がうまいというのもあるが、かかっているタレが甘辛系で日本人に合うんじゃないかなとも思う。


俺が陸路で国境を越えようとすると、だいたい何か失敗するものである。

そもそも国境なんだから国のはじっこであり、もれなく辺境だ。というわけで、高い確率で「どうやってそこまで行くか」が問題になるのだ。そしてタクシーに悩まされる率も高い。

今回、イポーを出発して朝からバスターミナルに行ってみたところ、国境近くのペンカランフールーとかいう町まで行くバスは、なんと夜しかないとか言う。ネットでは朝からバスに乗って国境に行った的な記事も見かけるのに。そもそもバスターミナルの施設の多くが閉まってるし、やはりコロナウイルス騒ぎの影響で減便しているのだろうか。
そのままバスターミナルで半日待つのもアレだし、だいたい国境の手前でわざわざ一泊することになりそうでいかにも無駄だ。

しょうがないので、国境よりもう少し手前のゲリクなる町まで、タクシーに乗ることにした(ゲリクまでのバスもやっぱり夜しかないらしい)。
本当は国境近くまでタクシーで行こうかと思ったけど、そうすると65RM(2000円弱)ぐらい高くなるので少しケチった。いちおう定額制のようなので、そこは安心である。
これでゲリクから結局タクシーに乗るしかなかったら無意味だが、行ってみると、ゲリクからはよくわからないローカルバスでペンカランフールーまで行けるようだった(150円)。ゲリクの町は小さいが、このへんの交通の要衝のようだ。

まあローカルバスはすごいポンコツで、上り坂のたびに遅くなるのでけっこう時間はかかったけど。
そしてさらに問題なのは、このローカルバスはペンカランフールーの中心部に行くだけなので、そこから国境まで残りの6km弱をなんとかする必要があるということだ。
どうしたかというと、今回は歩いて行ってみた。ここの国境は歩いても越えられるらしい、とネットで見たので。イヤそういううろ覚えの情報で動くから苦労するのだ。

まあ6kmは6kmなので、6km歩けばちゃんと国境についた。入口を警備している人達に怪しまれていろいろ質問されたけど。
そりゃね、一人で歩いて国境に入ろうとする奴がいたら確認ぐらいするよね。警備の人たちは思ったより敵対的じゃなくて、ちゃんと旅程を説明したら納得して通してくれた。

オチとしては、国境を抜けたあとに次の町まで行くのに、また7kmぐらい歩くのは大変だったのでタクシーに乗ってしまい、しかも遠くもないのに1000円近くとられてしょんぼりした、というあたりである。
……あとで調べてみたところ、ここでタクシーに乗ると基本的に高くて、こんなモンらしい。なにかそういう規定があるのか?