GW9連休も終わり、少し位は仕事してもいいかなという気持ちを抱えつつ出社。PCを立ち上げ、メールチェックに取り掛かったその時、その知らせが私を襲った。

5日、北穂高岳を縦走中の男女5人パーティの一人の女性が滑落し、不幸にも死亡した。その女性こそ誰あろう「ザル子6号」に私が認定した女性だったのだ! ザル子と言うだけあって日本酒が好きなくせに、久々の飲み会だと日本酒で酔いつぶれ、恒例のビートルズナイトでギタリストに一目惚れしてご祝儀を奮発、タフと元気が取り得の会社の仲間だったのだ!

夏休みや大型連休などになると、ニュースを見れば決まって海や山の行楽事故が報じられる。今まで見たニュースには友人・知人は一人も出てこなかった。その度に国内でさえもこんなに人がたくさんいるんだから無理も無いなと妙に納得していた。今回の事故も報道されたらしいのだが、どういう訳か私は見ていなかった。

彼女は山行が趣味で、この日も学生時代の仲間と作っていた山岳クラブのイベントだったとの事。山の頂上に連なる稜線は幅が狭く、雪のひさし(雪庇)を踏み抜いても突風に煽られても人一人があっという間に落ちてしまう。この季節は冬季登山よりも登りやすい半面、天気が良いと雪も緩む。

彼女は昨年父親を亡くしている。残された母親からすれば彼女が最後の希望の光だったに違いない。その彼女が親よりも早く33歳の若さで帰らぬ人となってしまった。悲しみを通り越して・・・ただただ無念だ。

もうあの溌剌とした笑顔も、ザル子の名に恥じぬ豪快な飲みっぷりも見る事が出来ない。せめて今夜は仲間内で静かに飲んで送ろうと思う。そして来月のビートルズナイトでは賑やかに追悼会をしてやりたいと思っている。

穂高は彼女が一番好きな山だった事が、せめてもの救いかもしれない。