全国研修ツアーの合間を縫って、中途入社社員研修の製品研修を昨日した。担当した研修時間は11時前から18時前まで、ざっと半日立ち続けのレクチャーである。久々だったので、さすがに堪えた。ジョーバを長時間やったかのように足腰がキツかった。

今回迎えた11名の中途入社者のうち、2名は昨年ウチの会社を辞めて競合他社に移ったが、わずか10ヶ月ほどいただけで再び舞い戻って来た変りダネだ。その理由は、移った会社の仕事が質量共に満足できるものではなかったからだと言う。また、今回の受講メンバーのほとんどが文科系出身者だった。その中には、このところTVCMが増えた大手ジェネリック会社から来た者もいた。

営業職を身一つで渡り歩くのは、この業界でも珍しくはない事だが、私自身も営業職の先輩として、また転職の先輩として彼らへの研修には特に気合が入った。

同じ研修を受講していたメンバーには、閉鎖される研究所から本社に異動してきた3名と、別の領域の営業部門からコンバートされてきた1名が加わっていた。きっと彼らも一種複雑な心境で研修を受けていただろう。

こういった競合他社から来た経験者に対する研修で大切な事は、自分の会社の製品やそれを販売していくポリシー、熱意を限られた時間で如何に理解させられるか、簡単に言えば如何に製品に惚れさせられるか、である。それ如何んで今後の彼らの帰属意識や働きが変ってくると言ってもいいだろう。

ウチの部署にはその達人がいる。彼の担当分野は呼吸器領域である。呼吸器用剤はウチの製品群のメインのひとつなので、競合他社からの中途入社で迎える人数も多い。その時の研修を彼は担当するのであるが、そのやり方はこうだ。

同じ分野の製品を扱っていた自負から多少なりとも天狗になっている彼らに、まずは徹底的に知識の広さと深さの違いを見せつけつつ、それを教え込む。同時に彼自身の持っている治療に対するポリシーも説く。だが、その口調は穏やかで、時折優しくおっとりとした彼本来の人間性も見せていく。

わずか一週間でもこんな研修をされたら受講者は堪らない。ほとんどの受講者は彼によって洗脳されてしまうのである。もちろん良い方向へ。50代半ばに差し掛かっている彼の研修スタイルを、その部分では私も見習いたいと思っている。

情熱を人間性に乗せて、時にはプッシュ、時にはプルの姿勢で伝えていくのは、かなりハイレベルのワザだ。だがぜひとも身につけたいワザである。今年の私の目標、「ヒットアンドアウェーのできる研修職人」達成のために。

昨日の会社帰り、去年の12月の「ちょい”乗る”OYAJI」以来、3回目の「デイフィット」にてドリームヘルサーに乗った後、そそくさと帰宅して宅配便を待った。やがて21時に近づいた頃、そのブツは到着した。

そのブツとは、下関にある前田海産の「明太子たまり漬」である。そもそも先日の仙台出張の折、新幹線の車中で読んだ愛読書「ビックコミック」に連載されているコラム「名物に旨いものあり」で紹介されたのを見た時が最初の出会いだった。

「めんたい考」「リアルチャンピオン決定!」で書いてきた絶品明太子に、新たに仲間入りできそうな予感がして、そのページを破いて持ち帰り、楽天市場の「さかなのデパート三栄」経由で注文したのである。

木箱に入ったそのブツは、普通の明太子よりも濃い赤色をしていた。おそらくたまり醤油に漬かった色なのだろう。添えられた刻み昆布の緑色とのコントラストが食欲をそそる。10cmほどの普通サイズが7本(3.5腹)と刻み昆布で計420g。買い値の本体価格は3800円だった(メーカー価格は4500円)。

箸で一口大につまんで口に入れた途端、濃い色とは裏腹に明太子の辛さはほとんど感じない。代わりにほのかな酒か麹の香り、しっかりした昆布と鰹ダシ、たまり醤油の深い味わいが広がってきた。タラコのツブツブ感もしっかり感じられた。辛さも残らないので辛子明太子が苦手な人でも満足できるだろう。

これなら日本酒と言わず焼酎ロックにもバッチリ合うに違いないと、米焼酎「白岳」のロックを合わせてみたところドンピシャだった。またまた日本人に生まれてよかった〜!

というワケで、ここにめでたく下関から「明太子たまり漬」が絶品明太子の仲間入りを果たしたのである。

1月度の全国研修ツアーだが、スケジュールの関係で先週の仙台の後、一週間のブランクが生じたために頭の中はリセット状態となり、22日の埼玉が初日のような感覚である。

先日、何気に禁煙関連のサイトを見ていたら、おもしろいソフトとサイトに出会った。ソフトは早速自宅PCと会社PCにダウンロードして起動しては眺め、サイトはユーザー登録後、カウンター登録をしてアクセスしては眺めている。

ソフトの名前は「卒煙式」といい、公式サイトもある。サイトによれば「卒煙」とはタバコを我慢する「禁煙」ではなく、タバコから卒業する事なので、その意味はまったく違う行為だという。

本日もソフトを起動してみると、
<卒煙からの日数>   8ヶ月25日
<延びた寿命>     14日と9時間
<節約できた金額>   54621円
<吸わなかったタバコ> 3767本 320.2m(もみじ谷橋)
と出た。

私の喫煙本数は3日で2箱、1日約14本だった。30年間でこれ以上増えるという事はなかった。だから何だというワケじゃないが、9ヶ月近く禁煙して延びた寿命は半月弱。これを長いと見るか。節約できたはずのお金なぞ見た事もないし、どこにも残ってない。

去年のゴールデンウィーク前の4月26日からニコチンパッチで何とか禁煙にたどり着いたものの、ダイエットの方に支障を来たした。その原因は、やはりストレスからだろう、飲む回数が増えた事である。さらに飲んでいる間もタバコによる3分間のインターバルが作れず、無意識に飲むか食べるかのペースまで速くなってしまったのだ。禁煙による消化器系の絶好調も相俟って、9ヶ月間で4〜5kgはリバースしたようだ。

早いとこ完全卒煙し、ドリームヘルサーと共にダイエット生活に戻らなくては元の木阿弥である。それでもタバコをやめる事は、何にもまして健康に寄与するから最優先すべきだとはDrも言っているが。

で、さらに禁煙サイト「ザ・禁煙」の禁煙カウンターに己れを晒す事にした。

さあ、これでもう逃げも隠れもできまい。

今年も一年で最も迎えたくない日を迎えてしまった。49回目の誕生日である。

もう1年経ってしまったのかというのが率直な感想である。ちなみに去年の誕生日のDiary「ホワイト・バースデイ」を見ると、東京に雪が積もっていたようだ。暖冬の年だと言っても、必ず自然はうまく帳尻合わせをしてくる。例年2月や3月までには雪が降り、それが大都市に交通マヒを引き起こす。

だから暖冬にはことさら驚かないのだが、元アメリカ副大統領であるアル・ゴア氏が、長年続けてきた地球温暖化を伝える講演活動を収録したドキュメンタリー映画「不都合な真実」のニュース記事を見て、これはちょっと他人事で済ませてはならないなと思った。

ゴア氏と言えば、クリントン政権時に副大統領を務めた後、2000年の大統領選においてブッシュ氏と大接戦の末敗れた民主党候補だった。そのブッシュ大統領は、温暖化防止のための京都議定書にサインしていない。もしもゴア氏が大統領になっていたら、環境問題への取り組みだけでなくイラク戦争も起きていなかっただろうとする声は大きい。

2006年の誕生日付近は、どんな話題が世間を騒がせていたのか?

Diaryには「このところヒューザーと国会議員の関係、ライブドアショックとめまぐるしくニュースが飛び交っている」と書いてあった。たった1年前のそんな事件さえも記憶が薄れている自分に驚いた。

さらに今年は、食品会社の不祥事と共にいまだに報道が続いている「外資系エリート家庭の妻による夫バラバラ殺人」、「歯科医師家庭の兄による妹バラバラ殺人」、「風見しんご氏の娘の交通事故死」などなど、例年より人が死ぬ事件が目立って多いという印象を持つ。また、センセーショナルな事件が起こると、同様なケースが続発するという点でも異様である。

地球も人間もこのまま壊れていくしかないのか。あきらめるのも人間だが、救うのもまた人間であると信じたい。

【このトピックへのコメント】
  • 色々ありますが無事御誕生日を迎えられたことはめでたいことだと思います。
    月並みながら御誕生日おめでとうございます♪

    一昔前なら「バラバラ殺人事件」ってこの世のものも思えぬ事件だった気がしますがこうも続けて起きると「あ〜またか」とさして驚かなくなっている自分に驚きます。そういった慣れというか
    何もかも麻痺したかのような今の現実は実に嘆かわしいものがありますね。せめて人が人らしく生死を全うできる尊厳ある社会であってほしいと願わずにいられません。
    舌足らずでした・・
    (2007-01-21 20:15:32)
  • Chaie芳さん、お元気でしたか?
    不二家事件と程度の差こそあれ、これらの事件の一因も当事者の「想像力のなさ」と思っています。人を殺したらどうなるか、注意力散漫だと何が起こるか、「知識」だけじゃなく「知恵」を育む教育が急務だと思います。
    (2007-01-22 16:45:06)

ヒョウタンからコマ? そのまんま東(東国原英夫)氏が宮崎県知事選挙で既成政党が推した候補者達を向こうに回して当選を決めたのである。ニュース記事を見ると、保守王国であるはずの宮崎県の有権者の思いが読み取れる。

過去に犯罪やスキャンダルを起こした彼が、一転政治の世界に転身した事について賛否両論があるのは当然だ。タレント知事は、所詮は横山ノック元大阪府知事の二の舞になるのではと危惧する声も多い。私も初めのうちは正直そう思った。

だが、単なる知名度だけで勝てるほど選挙は甘くない。特に県政のトップである県知選挙では、政治のプロが求められやすいのは当然で、より難しいだろう。強大な利権の下に組織票も固めやすい。

それでも65%に迫る高い投票率で選ばれたのは彼だったところに、単なる人気投票とは全く違う選挙民の意思を感じるのである。事実、彼は早稲田大学に入学して政治を勉強し、その活動に入っていったプロセスがある。その意味ではただの政治素人タレントとは違うだろう。

「そのまんまマニフェスト」も具体的で分かりやすく、それも彼への支持につながっただろう。事実、無党派層はもとより支持政党のある層からの得票率も高かった。宮崎の有権者はよほど「しがらみ」や「組織」に推された候補者に投票するのがイヤになったに違いない。

これが民主主義である。だからこの結果に対して部外者がどうこう言うべき筋はなかろう。彼への真の評価が下されるのはこれからである。故青島幸男氏が都知事だった時、その反骨精神に一票を投じた都民も、その後議会を敵に回してがんじがらめにされた姿にガッカリした人も多かっただろう。長野県知事だった田中康夫氏も同じ事があった。

自身のビジョンを現実化するためには、何と言っても実務者レベルの協力が不可欠である。逆に言えば、議会を含めた実務者連中はここで寝首をかこうとしてあれこれ画策して来る恐れがある。戦いはこれからなのだ。

彼には、大多数の県民が味方になってくれているだろうが、戦いは孤独である。負けてしまえば守旧派タヌキ議員の議会に翻弄され、結局妥協を重ねる日々となってしまうだろう。いずれにせよ、彼の人生における一世一代の勝負時であるのは間違いない。宮崎県民の更なる後押しも必要だ。

彼の言葉にある、そのまんまの情熱と本当の強さを今後見て行きたい。

一昨日見たTBS「報道特集」でも取り上げられていたが、今中国では2008年の北京五輪に向けて市民のマナー意識の向上に躍起になっているとの事である。

交差点での信号無視は日常茶飯事、赤でも止まらず青側とぶつかる。タバコや食べカスの路上ポイ捨ても当たり前。歩きながら平気でタンを吐く、手鼻もかむ。電車やバスでは降りる人を待たずに乗り込む。降りる人はまさに命がけ。

さもありなん。だが決して我々も彼らを笑えない。それはほんの40年前の日本の姿だからである。その昔、日本には禁煙喫煙の別もなかったし、公共の場所であってもゴミは散乱していた。駅のホームや通路には気味の悪いタン壷が置かれていたし、もちろん整列乗車の習慣もなかった。

今の中国、特に経済特区の上海などでは、確かに経済的な発展度合いは先進国並みかそれ以上だが、いかんせん国民のモラル、すなわち「民度」が伴っていない。まったく同じとは言わないが、高度経済成長期の日本さながらではなかろうか。

相手に不快感を与えないために相手を慮る行為を「マナー」という。マナーこそがその国民の精神的・道徳的な「民度」を測る尺度であり、その国の成熟度の証でもある。そこには利他の精神、すなわち譲り合いの精神が不可欠なのである。

だが、自分が食べる事、生きる事に精一杯のうちは、そんな感情の芽生える余地はない。マナーの精神が宿るためには、少なくともそこの人々に生存に対する物理的・精神的不安があってはならないのである。

今、上海では「可愛い上海人になろう」をスローガンにマナーの啓蒙活動が活発化しているという。面白いもので、その広がりは小学校の教育現場から盛り上がって来ているそうだ。大人よりも子供の方がそれをいち早く理解し実践しているというのである。

確かに経済的発展を来たした上海では、かなりの割合で地方の出稼ぎ労働者とその家族が押し寄せている。彼らは、幼い頃からマナーや道徳教育などは受けていないので、なぜ道にタンを吐いてはいけないのか、食べカスやタバコを捨ててはいけないかの意味が分からないと言うそうだ。

営業職やサービス業に至っては、市場経済の経験がないがために奉仕の精神という観念すらない。客に対して笑顔で接するという意味が理解できないでいる。そんな状況で、マナーを学校で学習してきた子供達がそれを親達世代に説いているという。どこにおいても子供は柔軟だ。

そんな子供達を見ていて思った。

もしかしたら、大人達が拘り続けている過去の歴史に縛られた国同士のいがみ合いや利害関係なんかは、きちんとした教育を受けた既成概念を持たない子供達世代では、とっくに雲散霧消している事になるかもしれない。そんな期待を抱かせるニューストピックスだった。

富士山を含めた4件が、世界文化遺産の暫定リストに追加された。かつてゴミ問題で落選した後、ボランティアによる撤去作業が報道されてきたが、まだまだ心ない輩とのイタチゴッコは終わらないという。

TBSの「世界遺産」はよく見ているが、改めて世界遺産を調べたら、「日々狂簡」というブログに分かりやすくまとめられていたのでリンクさせていただいた。四方を海に囲まれ、その国土の8割が山という日本は、自然遺産の宝庫であると言えよう。さらに叡智に富んだ民族の作り上げた建造物等は文化遺産だらけと言っても過言ではない。

では、世界遺産に登録済みの文化遺産644、自然遺産162、文化と自然の両方の価値を持つ複合遺産24の計830件のうち、日本のものが13件というのは多いのか少ないのか?

諸外国の「世界遺産登録は民族の誇りである」という執念にも似た意識が、日本民族には薄いのかもしれない。大昔から単一民族国家で、外敵の侵略で興亡してきた歴史を持たず、他民族によって自分たち民族やその文化が絶滅、破壊される危機に日常的に接して来なかった。だから民族意識というもののDNAが弱く、ことさら固執しないのかもしれない。

もうひとつの民族間の問題である宗教にしても同様な事が言えるだろう。神という絶対の存在を畏れ崇める一つの宗教で日本民族がまとまっているという事はない。逆に人間が仏に近づく道としてさまざまな宗派があった。だが、近代ではそれすら揺らいでいる。精神的支柱においても日本民族の基盤は弱まっているのである。

それゆえ富士山麓のゴミ投棄ように、あるいは神社仏閣の落書きのように、己れの利益や欲望のためにはかけがえのない財産であるはずの自然や文化も平気で汚せるのだろう。その意味では日本民族の「民度」もたかが知れている。恥ずかしい限りである。

欧米では、戦争で破壊された歴史的建造物は、その破片をつなぎ合わせ、ヒビに至るまで同じ材料で忠実に復元するという。その執念が彼らの民族文化の誇りであり、確固たるアイデンティティの源になっているのだと思う。

誇りを持たない、あるいは持てない民族は必ず滅んでゆく。

またも日本人の「民度」を反映した問題が起きている。

ひとつは給食費滞納である。ニュース記事によれば、なんと2005年、全国で約10万人の小中学生の親が給食費を滞納、その金額は22億円超に上ったという。これは100人に1人の生徒が滞納している事になる。その理由が、滞納のあった学校の6割で「親のモラル低下」だという。すなわち「払えるのに払わない」のである。

「義務教育なのになぜ払わなきゃならないのか」「給食を出してくれと頼んだワケじゃない」などとのたまう裕福世帯の親たち。挙句の果ては「払わなくても給食は出るんでしょ」「給食をやめられるモンならやめてみろ!」とまで言い出す始末。これはれっきとした無銭飲食で犯罪行為だ。こんな事をして恥ずかしいとも思わない親に育てられている子供こそかわいそうである。

払ったら払ったで「給食費を払っているのに、”いただきます”や”ごちそうさま”と言わせるのはおかしい」とのたまう。おかしいのはお前たちの頭だろが! 

もうひとつのあきれた問題は、市職員による家賃や保育料の滞納問題である。報道されたものだけでも、大阪市職員で82人、6400万円、奈良市職員で17人、5850万円などが判明している。全国規模だといったいいくらの滞納があるのか恐ろしくなってくる。

しかも彼らは公務員である。彼らの給料は税金で賄われ、滞納された家賃や保育料も税金で穴埋めされる。こんな理不尽がまかり通っていいはずがない。中には保育所に勤務する給食作業員が保育料を滞納していた例もあったという。給料差し押さえなんて当たり前、懲戒免職だっておかしくないわ!

ああ、日本人の美徳が失われる度にその民度が下がっていく。

こんな恥ずかしい民族が住んでいる国が美しいはずがないじゃないか。

【このトピックへのコメント】
  • Untitled Document「Re:滞納という犯罪行為」ていうかってもう開いた口がふさがらんとしか。 もう本当に払った人だけ制にするか、給食止めてしまったほうがいいんじゃ? 食い逃げする気満々な人に食わせるこたァ無いし。 ...(2007-01-25 23:21:13)
  • Chaieごんぞさん、はじめまして。このDiaryで初めてトラバをしていただきましてありがとうございます。実に嘆かわしい事ですが、子供に罪はないと思いますので、食べさせないというのはかわいそうです。こうなったら住民税に上乗せして天引きするか、せりーかさんの言うとおり「プリペ制」も一法でしょう。 (2007-01-26 09:26:32)
  • ごんぞ「子供に罪は無い」 というのは確かにそのとおりですね。 何はともあれ、マジメに支払っている人がバカを見ないように、なんとかしないといかんなぁとつくづく思います。(2007-01-28 00:40:46)

ひぇ〜、驚いた! なんと一週間も更新が続いているではないか! こんなに毎日書き続けたのも初めてだし、1ヶ月の記事数としても新記録だ。書きたい事がない時には何日もブランクが空くけど、別に気にしてはいない。だからこれは珍事と言ってもいい出来事なのである。

「あなたを忘れない」という題名の映画が明日から公開されるとニュースで知った。

これは2001年1月26日、新大久保駅で線路に落ちた酔客を日本人カメラマン関根史郎さん(当時47歳)と共に助けようとして電車にはねられ亡くなった韓国人留学生イ・スヒョンさん(当時26歳)の実話に基づいた、一人の青年の半生を綴った映画である。

この行為は、間違いなく彼らの純粋な正義感により為されたものである。少しでも打算や保身の気持ちが入り込めば、迫り来る電車の前にわが身を挺して他人を助けようとできるものか。だから彼らの心に打たれるのである。ましてやイ・スヒョンさんは外国人である。

彼の両親は全国から集まった見舞金を基金にしてアジアからの留学生の奨学会を設立した。すでに約250人の就学生を支援してきたという。この親ありてこの子ありや、この子ありてこの親ありや、頭の下がる思いである。

多くの葬儀の席で遺族は言う。どうか故人を忘れないでやってください、折に触れ思い出してやってください、と。その気持ちは本当だと思う。故人が生きてきた証として、せめて残った人々の心の中に宿り続けて行ってほしいというのが遺族の率直な願いだろう。

彼が日本人であってもなくても、いや日本人でないからこそ記憶すべきである。こういう記憶の積み重ねが、やがて個人の枠を超越した国や民族同士の絆を構築する緒となるに違いない。感謝と尊敬の心を持てば、越えられないものなどあるはずがないのだから。

だから私もあなたを忘れない。

事の発端は「耐震偽装で京の2ホテル使用禁止 強度、基準の7割台」というニュース記事だった。その2つのホテルはいずれも京都のアパホテルだったのである。

その後、お決まりの経営者の謝罪会見となった。トレードマークの帽子姿の女社長、元谷芙美子氏と夫の外志雄代表は、涙ながらに関与を否定し、「建築士が大丈夫だと言うのを信用し過ぎた」と謝罪した。

だが、話はそれで終わらない。「積載荷重、基準値の半分 アパホテル耐震偽装 コスト削減重視」の報。社内外への金銭支払いには、つとに厳しいというこの会社。これら一連の事実関係をカネを払う発注主がノータッチのはずがなかろう。子供でも分かる理屈である。

実はアパホテルと言えば、営業スキル研修の大阪場所開催時に毎年延べ2ヶ月間、ウチの部署の連中が泊り込んでいたホテルである。私もその手伝いに行った時は何度も泊まっていた。今回問題になった京都のアパホテルも去年、宿泊寸前のところまでいった事もあった。

リーズナブルで食事も充実。ポイントが貯まればキャッシュバックもあったりして、研修会場との地理的問題さえ無ければ積極的に選択肢に入れていたホテルである。企業とのキャンペーンによる栄養ドリンクやTシャツ等の粗品も良かった。アパホテルのサービスは私自身、結構気に入っていたのである。

なのに、結局は利益最優先体質の会社だった。

おまけに耐震強度偽装発覚後に京都市から使用禁止勧告を受けていながら「市が宿泊許可 予約客に虚偽説明」と来たもんだ。ホテルのHPにも掲示していて、客が確認すると「市の許可を得ており構わない」と言われたという。だが「もし地震が起きた場合は? と訊くと、責任は負えないとの返答だった」 なんじゃそりゃ〜?

それでも客は客で、宿泊料金無料なのをいい事に「移るのがめんどくさい」「泊まった日に大地震が来るわけじゃない」などと言って宿泊した者もいたという。本当に地震が来て死んでも、お前らはそう言えたのか? もっとも、死んだら口は利けないけど。

アパグループはホテル以外にもマンションの建設販売もやっているが、既に千葉県と埼玉県で建設中の物件の耐震強度偽装が発覚し、工事中止になっている。それを告発したのが、かのイーホームズ社長、藤田東吾氏だった。彼は今や孤高のドン・キホーテとして一連の耐震強度偽装問題と戦っている。

ところで、アパグループ代表の元谷外志雄氏は安倍総理の後援会「安晋会」の副会長、女社長の元谷芙美子氏は「ワインの会」を主催していたという。ヒューザーの小嶋進氏も安晋会の会員だったそうだ。これは単なる偶然か?

殺人トラックの三菱ふそう、殺人エレベータのシンドラー、殺人給湯器のパロマ、衛生管理最低の雪印乳業や不二家を始めとする食品業界、そしてアパやヒューザー等のホテル・マンション業界といい、顧客の安全をなおざりにしても利益を追求する「私利私欲」ばかりが目についてならない。何よりそれが醜い。金輪際そんな会社の世話になろうとも思わない。

少なくとも私が生きている限り、二度と選択肢には入れないであろう会社がまた増えた。

レスリング60kg級で北京五輪を目指していた「神の子」山本”KID"徳郁選手(29)が、全日本選手権準々決勝で井上謙二選手(30)にわずか16秒で巻き投げを食らいフォール負けした。おまけに右ひじ後方脱臼で全治3、4カ月のケガを負った。

K−1で一世を風靡しスターになったKIDが、父の意志を継いでオリンピック日本代表を目指して再スタートした直後の大会だった。だが、そこにはアマチュアレスリングならではの困難な壁があったようだ。

井上選手の投げ技がモロに決まった最大の原因は、両腕のタトゥーだった。それを隠すために前腕部をテーピングで覆って臨んだことが災いしたという。恩師の高田裕司・山梨学院大監督は「テーピングをしていなかったら、投げがすっぽ抜けた可能性もある」と惜しんだ。

私も前々からKIDのタトゥーは気になっていた。K−1のようなショー的プロ格闘競技ならタトゥーもファッションのひとつで問題はない。須藤元気選手も背中に大きな鳥か翼のタトゥーを入れている。だが以前、プロボクシングでタトゥーを入れた選手の選手資格が問題になった記憶がある。ましてやアマレスともなれば物議を醸さないワケがない。

前腕部のテーピングは、例えて言えば腕にまわしをつけて相撲を取るようなものじゃないか。投げ技や関節技の引っ掛かりを作り、スベリ止めを与えてあげてるようなものである。異種格闘技の試合で柔道家が道着を脱ぐのは、パンツ一丁のプロレスラーに対してあまりに不利となるからである。

プロ格闘家ゆえ許されていたタトゥーが、自らを苦境に落とす原因になろうとは皮肉なものである。だからと言って、それを理由に志を曲げる必要は無い。どんなに険しかろうと、そこに道がある限り、歩くのは本人の自由である。

また、プロの格闘技ではパンチやキックといった打撃が許されている。いちいち組んだり投げたりするよりも効果的だし、もともとアマレスのようなポイント制はない。選手は初めからKO狙いで臨むから、当然有効な攻撃を選ぶだろう。事実、KIDの持ち味もそのパンチ力にあった。

だがアマレスは打撃はご法度、グラウンド技でポイントを積み重ねていく競技である。ブランクの長かったKIDには、このギャップこそが想像以上に高い壁になっていたのではなかろうか。昔取った杵柄程度では到底埋められないレベル差だっただろう。

とは言え、まだ北京五輪代表への道が完全に閉ざされてしまったわけじゃない。一縷の望みがあるうちは彼もあきらめはしないだろう。報道では、全日本選手権の8強入りで出場権を掴んだ6月の全日本選抜に向け、左腕一本でも練習を再開するという。

キリスト同様、復活するのも「神の子」に課せられた宿命である。