明日から全国研修ツアーが始まる。初日の明日は東京会場なので前泊移動はないものの、それでも連日旅の空状態で、次回の出社日は2週間以上先の28日になる。

そんな今朝、地下鉄のホームでついに私は見た。ホームにしゃがみ込み、大きなバッグから出した手鏡片手に、顔全体にメーキャップをしている女を。年の頃は20歳前後か。彼女の周りに立って電車を待っている通勤客を尻目に、悠々と作業は進む。やがて電車が来ると、広げた品々をいそいそとバッグに収納し、なぜか電車に乗る事もなく去って行った。

ホームにしゃがみ込んだケースは初めて見たが、電車内でのメーキャップはもはや日常茶飯事だと言ってもいい。前回のDiaryじゃないが、こんな「お里が知れる」行為を平気でやってる女に限って、総じてブサイクなのは偶然とは言え哀れなモンだな。

さて、毎日新聞の記事によると、中学生の4人に1人が「うつ状態」を示す調査結果を厚労省研究班(保坂隆・東海大医学部教授ら)がまとめたという。調査は06年8月、静岡県内のある公立中学校の1〜3年生計566人を対象に、国際的に使われている手法(うつ病の自己評価尺度)で実施された。

「生きていても仕方ないと思う」「独りぼっちの気がする」など18項目を質問し、「いつもそうだ」「ときどきそうだ」「そんなことはない」の三択から選ばせた。結果は、うつ状態、うつ状態でないのどちらかに分類される。

すべての項目に回答した557人(男子285人、女子272人)について分析した結果、男子が20.7%の59人、女子が28.7%の78人、全体では、24.6%の137人がうつ状態を示したという。

昔と比べて、物と情報が豊富に手に入る。すなわち、生活の根本である衣食住の格差や問題が薄まっている社会環境において、次なる問題は人間関係にまつわるそれである。自分を優位な立場に置きたいとか気に入らない他人を排除したいという表れがいじめにつながる。いじめとは、結局はいじめる側の名誉欲、征服欲実現の手段であり、ストレス解消の発露だと思う。

動機は自己中心だが、実行は徒党を組みたがる。いじめられた側にはそれだけ大きなストレスが降りかかる。大人社会でも自殺者は98年以降8年連続で3万人を超えている。未成年者も小、中、高校で見ると、05年で小学生7人、中学生66人、高校生215人に上っている。これらの大部分に多かれ少なかれ「うつ病・うつ状態」の関与が示唆されている。

昔の子供たちは、家が貧しくとも「うつ」にはならなかった。なぜなら、それは生まれた時からそこにある世界であり、否定したところでその現実は変わらないからである。たとえいじめられたとしても、別に自分が悪いわけではない。それは持って生まれた宿命だし、親に責任転嫁もできる。

だが、個人がいじめの理由となれば逃げ場がない。すべてが自分の中に蓄積されるのみである。しかも、今のいじめの手段は集団による場合が多いので、相手が不特定多数では対処のしようがない。後はいじめの標的が自分以外に移る時をひたすら黙って耐え続けるしかないが、そこまで精神的な強さを持っている子供は極めて少ないだろう。

政府は自殺総合対策大綱案の中で、人材養成を重点施策の一つとしており、学校現場の担任や養護教諭らの役割も期待されているというが、もはや親や教師の抑制力が発揮できない以上、効果が上がるのだろうかと疑問に思う。それとは別に、一部の学校で実施している非教員の「アドバイザー」は校内暴力やいじめ対策に効果的なようだ。

コミュニケーション能力のない親や教師では望むべくもない「頼れる兄貴」的な人材こそ、今最も求められていると思うのだが。