「曽田正人」(検索対象:タイトルのみ)の検索結果

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  雨の中、制御不能なマシンを無理矢理コントロールして怒濤の追い上げを見せるカペタ。 ついに1位2位を捉え、ウェットには絶大な自信を持つ志波との一騎打ちとなるが、あと一歩及ばず。 最後のチャンスで勝つことのできなかったカペタをなんとかしてやろうと、 ノブはフォーミュラステラのスカラシップオーディションに参加させてもらうよう事務局に直談判に出向く。

  いやあ、これ書くためにまた読み返してたんだけど、また涙目っすよ。 ノブは熱いなあ。 でもまあ、今回は源のセリフ「 レースは……ちゅうかレースに限らず人生全部や。もう終いや思た奴から本当に終わって行くんやで!! 」 これがナニゲに熱いよな。
  ペースが遅いのは相変わらずだけど★★★★★。

  曽田正人の描くマンガの主人公はいつも天才だ。 カペタも例外ではないのだが、ただその天才っぷりが大吾や昴とはちょっと違う。 昴あたりはほかを寄せ付けないすごさが常にあるのだが、カペタはいちいちつまずく。 いや、つまずく、というか環境的な要因によって全力を出し切れないことが多いのか。 ただそれが読んでいてフラストレーションになるようなものではないのな。 かえってそれが熱さになってる、って感じ。 この辺がこれまでの曽田マンガとは違うところかなあ、という気がする。

  10巻11巻ではFSRSオーディオションの話。 こちらはまた別の機会に。

(第9巻発行日:2005/10/17)

  ボロボロのフレーム、ボロボロの体で挑んだ全日本選手権ICAクラス第3戦。 予選ヒートではノブとモナミのサポートもむなしく、カペタのマシンはうまく曲がらずに周回遅れ、そしてコースアウト。 カペタは勝つために予選を捨て、最後尾スタートの本戦に賭けることを決める。 そして翌日、本戦は雨が降りそうで降らないままはじまってしまう。

  んー。熱いなあ。
  とりわけカペタのモノローグ:

  もしオレにこの先
  レースを続けられるだけの“何か”が
  オレに“何か”があるんなら
  絶対このままでは終わらないはずだ
 
  このレース きっと何かが起こるはず
  もし何も起きなかったら オレはそれまでのヤツだったってことだ
 
  信じろ
  信じて 今は耐えろ!!!

  くぅーっ、たまらん!!
  ★★★★☆。

  あー、1個欠けてるのはねえ。ちょっとペースが遅いんだよなあ。じれったいにもほどがあるっつーか。 いや、いいんだけどね。引き合いに出してなんだが、「はじめの一歩」とかに比べりゃあなあ。 今週なんか11ページしかなかったし(ぉぃ)。 でももちっとくらい、さくっと進んでもいいような気もするんだよなあ。 や、そうでもないかなあ。なんかね、読んでて辛すぎるのさ。 あー、なんだろ、同じ雑誌に載ってるBECKもそうだけど、爽快感がないっつーかね。 ただあっちはそれなりに間とかリズムとかあるし、あとギャグ成分が適度に緊張感をやわらげてくれたりするんだけど、こっちは読んでる間中緊張しっぱなし毛穴開きっぱなしだからなあ。 やっぱ疲れるよ。 まとめて読むのしんどいしね。 まあ、そこがこの人のマンガの素晴らしいところでもあるんだけどもさ。

  これ、一応雑誌でもさらっと追ってはいるんだけど、このレースがこの後どうなったのかまるで覚えてない。 まあいいや。ともあれ、今後楽しみだなあ。
  次巻は7月発売予定。

(発行日:2005/03/17)

  随分ため込んだな。

  はじめて走ったカートコースで出会った「ライバル」源奈臣。 カペタはその母親であり、彼のチームの監督でもある奈々子にSLレースに出ることを薦められる。 チームへの誘い、エンジンの提供を断り、オンボロのカートでレースに挑むカペタは、練習走行で自分の走りを見つけ出し、 奈臣の持つコースレコードを塗り替えてしまう。
  レース本番、カペタはスタートに失敗し、16台中12位まで順位を落としてしまう。 自分の前にほかのマシンがいて思うように走れないいらだちと葛藤するカペタだったが、 徐々に自分の走りを取り戻し、最後の一周で1位、2位のマシンをパスし、初出場で優勝してしまう。
  と、ここまでが5巻までの内容。6巻からは中学生編。 友人や町の人たちの協力でなんとかレースを続けていたカペタだったが、3年目のフレームはもはやボロボロ。 カペタは奈臣と戦うために直近のレースをパスして、15歳になるのを待ってFA(奈臣のいるクラス)に出たいと言い出す。 しかし周りの説得などもあって、ICA(カペタのいるクラス)のレースに出続けることを決める・・・という感じ。

  熱いなー。
  や、ただ熱いだけじゃないな。この作品、これまでの曽田マンガとはちょっと雰囲気が違う。 前回1・2巻の感想では「また天才かよ」みたいな書き方をしたのだが、しかしこのマンガ、ライバルの奈臣は明らかにカペタよりも上。 まあ、ここまでまだ直接対決したわけではないのでどちらが完全に上ということははっきりはしていない。 奈臣がひとつ上のクラスにいるのは、年齢と環境のせいってのもあるしな。 しかしはっきりとライバルを意識している主人公ってのは、この人のマンガでは珍しいよな。
  加えて主人公カペタを取り巻く環境。テルにしろ、昴にしろ、その天才性のためもあって、ストレートな「友情」というのとは無縁だったように思う。 例えば大吾と甘粕のような、やや屈折した友情は描かれては来たが、 しかしこのカペタでの、カペタとノブやモナミ、あるいは父親や周りの人間との絆は、これまでの曽田マンガで描かれてきた人間関係とは一線を画しているように思える。 ぶっちゃけ、ストレートな分だけ、わかりやすく、熱い、という感じか。 ともするとベタベタでありがちなマンガになりがちな人間関係ではあるが、しかしそこは曽田正人、こんな普通のマンガにありがちな人間関係でありながらもしっかり熱い。 なんつーか、この人の新たな引き出しを見せつけられているような気になるな。
  あと、絵。昴は中盤以降、絵がややあやしいな、とか感じていた。 ぶっちゃけ、雑だな、と感じることが結構あった。熱さの裏返しとも取れなくはないのだが、それを差し引いても、ということが度々あった。 しかしこのカペタは丁寧だよな。絵柄的には大吾の頃にかなり近い感じ。絵からもエネルギーが伝わってくるような気がするよ。 ま、昴は週刊連載で、こっちは月刊連載ってのもあるかもしれないな。 といいつつ、シャカリキも大吾も週刊連載だったわけだが。 まあ、いずれにせよ腰を落ち着けて書けてるのかな、とか思える感じ。

  そんなこんなで、ここまではもう期待通りというか期待以上というか。★★★★★。

  この先、どうなんかなあ。奈臣と戦わないわけにはいかないだろうし、いずれF1まで行くんだろうし。 結構長い連載になりそうだなあ。これはこれでいいのだが、昴の続きも気になったり。

(第6巻発行日:2004/11/17)

 待望の単行本、1・2巻同時発売。
 平勝平太(通称・カペタ)は父親と2人暮らしの小学4年生。家庭の事情から常に「いい子」でいてなんでもガマンしてきていたのだが、ある日、父親が廃材のフレームから作ったカートと出会い、カートにのめり込んでいく・・・という感じか。

 面白い。熱いし。けどねえ、また天才なんだよな。はじめてカートに乗ったはいいが、フレームが曲がっていてうまく走らない。それを天才的なひらめきで、うまく操ってしまう、とかね。いや、悪くはないんだけど、「またか」って気がしちゃうのも事実。
 とはいえ面白いわけで。しかもご存じの方も多いと思うのだが曽田氏はモータースポーツマニアでね。たぶんずっと書きたかったネタなんだろうなあと思うのよ。なので、なんつーか絵に元気がある感じがするのね。昴のときの圧倒的な迫力とはまた違った感じがあるのね。なので、その分期待が持てるんじゃないかな、と。
 そんなわけで★★★★☆。

 しかしこの辺から書いてると、ずいぶん長い話になりそうだなー。んでこれが月刊誌連載とか思うと、なんだか気の遠くなる話のような気がしないでもない。でもまあどうだろうなあ。案外あっというまにF1まで登って、あっという間に世界一に登りつめちゃうのかも。「シャカリキ!」みたいな雰囲気になるといいやねえ。期待しましょ。

(発行日:2003/10/17)

 そろそろ月刊マガジンの発売日だよなーとか思いつつコンビニで。ふと見ると曽田氏の絵が表紙じゃないかッ!しかもなんかテルをどーかしたような顔の少年が、赤いツナギ着てますがなッ!!
 こんなもん見ちゃったらもう買わずにはいられないッスよ。月マガは普段はBECKを立ち読みするくらいなんだけどね。これから毎月買っちゃうかも。

 ってことで曽田氏の新作はレース漫画になる模様。父ひとり子ひとりの家庭で「いいこ」に育っている勝平太は小学3年生。車が大好きで「いいこ」だが、ナニゴトにも本気になれないらしい性格。ある日父親が仕事先でカートを見かけてすっかり惚れ込み、廃品パーツを持って帰って・・・ってところで続く。当然このあとは父親が手作りでカートを作って、勝平太が大喜びでそれにのって・・・ってな展開になるんだろうが、そうトントン拍子に行くものではあるまいて。どんな漫画になるのか、ひじょーに楽しみだ。
 ユタや甘粕、あるいは真奈のポジションになると思われるライバルっぽい子も登場しているのだが、この子がなんかスバルに出てくるアレクサンダーみたいなんだよな。おぱっかだし。この子が勝平太にライバル心剥き出しなので、やはりカートに乗ることになるんだろうな。うむう。
 なんつーか、スバルはすごく苦しそうというか、ひねり出してるっていうような印象があるんだけど、この漫画は楽しそうに描いてる感じがするな。まあはじまったばかりだからかもしれないけど、今のところ主人公が男の子で、元気はつらつでいい感じだあね。うん、こりゃ楽しみな漫画だ。はやく単行本出ないかな(←気早すぎ)。

 で・・・スバルの続きはいつ描くんじゃろか・・・(汗)

 ボレロ編クライマックス〜第2部終了まで。
 プリシラの舞台とスバルの舞台を対照的に描いているのだが・・・。なんていうか、説明が難しいね。説明しようと思うと思い切りネタバレになってしまうし。やってることとしては多分正反対で、結果はどちらの勝ちってことでもなく、という感じだろうか。なんかスッキリしないかなーって気もしなくはないけど、不快ではない。そもそもそういう「勝負」する漫画ではないしね。
 ただ、ここまで行っちゃったスバルがこれからどーなるのかってあたりが問題なわけで、その辺を暗示するのが、この巻後半の「イノセントワールド」ってことになるのか。本編は現在休載中で、この先どうなるのかわからんけど、今まで以上に面白くなることを期待したいね。

 でもなあ。この巻、肝心の舞台でのシーンで、ぐわーっと来るモノがちょっとないのよね。この漫画に何を期待するって、その点に他ならないわけで、それがない以上は「拍子抜け」というか「期待はずれ」と言わざるを得ない。あー、もちろん全部私見だけど。
 そんなわけで、★★★☆☆。

 ほかのトピックでも以前書いてるけど、音楽をテーマにしたり、音楽が主題に絡んだりする漫画って、難しいなあと思うのよね。難しいというか、それをテーマに選んだ時点で作家の人はある種のハンディを背負ってしまうと思うのね。まあそういうハンディってどんなジャンルを書こうともついてまわるものなのかもしれないけど。
 曽田センセにはハンディをものともせずに描き切って欲しいなとか思います。

(発行日:2002/02/01)

 うわー、疲れた。
 いよいよプリシラとボレロで対決。読んでるとね、昴のバレエを見てる観客が疲れるがごとく疲れたよ。そのくらい迫力があった。ただ、もうちょっとプリシラと対比させるような感じの方がよかったんじゃないかなーとか思いつつ、しかしもっと真奈たんを使いまくって欲しかったなあとか思ったり。でももう、この迫力だけでおっけーでしょ。
 ってことで★★★★☆。

 次巻で第2部完かな。しかしこの漫画はどの辺を終着点にするのか。さすがに宇宙人にバレエでなにかを伝える、まではいかないだろうけど、しかしここまで来ちゃうと先があるのかいな、って思っちゃうね。でもその辺は曽田氏なので、期待を裏切らない結末を描いてくれるんでしょう。

(発行日:2002/10/01)

 限定版はイラストレーションカードブック付き。通常版とはなんと表紙の色つけが違うっ!わしは限定版を買ってしまったのだが、これってついつい両方買いたくなるよなあ。ううむ。

 で、内容。
 刑務所公演が話題になり、いよいよ昴も一般公演することに。お題はボレロ。ところが偶然にも同じ日にプリシラもボレロを公演することに。ということで対決態勢になるわけだが、この巻では両者の姿勢と、公演に向かって徐々に盛り上がっていく様子を対照的に描いている。少しずつ才能を解き放ち始めるスバルとプリシラの天才ならではの葛藤(とはちょっと違うか)、次巻の開演に向けてどんどんテンションが高くなっていってる。イイ!
 ってことで★★★★☆。

 しかしアレだなー。なんせ相手はバレエ界の女王。このまんまイッキにまとめにかかってもおかしくない展開だよなあ。ライバルのインフレを起こそうにもドラ●ンボールじゃないんだから別な世界から相手をひっぱってくるわけにいかないしねえ。そうはいってもタカコとか真奈とか、あとは和馬似の青年とか、未消化の登場人物も結構いるわけで。このまま終わるってのは考えにくいな。ううむ。
 次巻ではその真奈が登場。この物語での真奈の役割は、劣勢なスバルを一段高みにあげるためのいわば踏み台だ。っていうと聞こえは悪いが、真奈が側にいるときのスバルは実に強い。今回もそういう展開になりそうだがはてさて。
 いやはや次巻が楽しみじゃワイ。

(発行日:2002/07/01)

 やっと読めた。
 この巻ではいよいよ昴と女王プリシラが接触。プリシラの圧倒的な力を目の当たりにして、昴の中で何かが目覚め始める・・・とかそんな感じでいいんだろうか。プリシラの登場で、ここ数巻カゲを潜めていた曽田氏の絵の迫力が、また前面に出てきた気がする。
 読んでて熱くなる。★★★★☆。

 しかしこの漫画だきゃここからどうなるのかまったく読めないね。昴にとってどの辺が終着点になるのか。プリシラと昴は今後どう絡んでいくのか。あるいはタカコとか真奈とか、まだまだライバルもいるわけだしねえ。うむう。
 4巻あたりからちょっとわしの気持ちが離れつつあったのだが、またしてもぐいっと引き寄せられてしまった。恐るべし曽田マジック。

 「あがってきたで!」って感じか(←そりゃテルだろ)

(発行日:2002/04/01)

 刑務所慰問公演が思わぬ結末に。
 単なる大盛況ではなく、そうしちゃうあたりがすごいよな。そしてその辺がスバルの非凡ブリなわけなんだけど・・・ちょっと非凡すぎないかな?ってのが率直な感想。というのは、それがどの程度すごいことなのか、読んでる人には伝わらないんじゃないかなーってのがね。
 いや、すごいってのはなんとなく分かるんだけど、そもそも読者の大半はバレエなんて知らないはずで、そこへ来て、バレエで「ああいうリアクションをとられる」ということのすごさ、みたいなものって、作中ではバレエの女王・プリシラには十分すぎるほど伝わっているようではあるが、読者にはそれが正しく(というか、作者の意図通りに)伝わってないんじゃないかなーっていう不安がある。わし自身も、作者の意図を汲めているか、かなり不安。
 あと、加えるならお金の関係のくだりは蛇足な気がする。その「凄さ」と、「プロとしてお金を貰うこと」ってのはむしろ対極にあるような気がするもの。ああいう反応であったなら、むしろお金は貰えない方がしっくり来ないかなあ。読んでて6巻でのスバルのセリフを忘れてたわけじゃないけど、でもそんなことはもうどうでもいいよな、って気になってたし。なので、お金を貰う場面に関してはかなり拍子抜けって感じかなあ。

 とはいえ、全体的には5〜6巻に比べてテンションが上がってきてる感じがする。その分、相変わらず絵が(というか線が)ますます乱雑になってきている気はするけど、でもこの絵だからこそこの迫力がある、って気もするしね。
 でもやっぱこの巻の内容に関しては★★☆☆☆。ってことで。

 この先プリシラとスバルが絡むことで物語は大きく展開していきそうな雰囲気なのだが、最終的にどの辺に着地するのかまだ全然見えてこないね。それに、多香子とか真奈とか、未消化のライバルも多いしねえ。先日のスピリッツのオマケのミニ本では、真奈は曽田氏自身の分身とのことなので、真奈は最後までスバルを側で見ている、ってことになるんだろうけど、それが果たしてどういう形になるのか。
 いずれにしても今後がますます楽しみですな。

(発行日:2002/01/01)

 昴、アメリカにゆくの巻。
 ローザンヌでスカラシップを獲得したにもかかわらず、昴はそれを蹴って、プロのダンサーになるためにアメリカに渡ってしまう・・・というのが前巻のヒキだった。本巻ではアメリカについた昴、いきなりバッグをひったくられてしまう・・・ってあたりからはじまる。
 ところが入ったバレエ団は開店休業状態。メンバーにも覇気が感じられない・・・というあたりでありがちなのだが、昴のバレエがメンバーに火をつけて、さらにメンバーを高みに連れていくというパターン。

 なんかねー。
 正直に書いちゃうけど、イマイチだ。
 テンションが下がってるわけじゃないのだが、この作品に限ってはどうしても1巻のインパクトを越えることができてない。1巻のはじめの、スバルが病床に伏せるかずまのために猫になりきる姿。かずまに謝罪するために真奈にジゼルを教わって練習する姿。あれを越えるインパクトってのが、2巻以降ないのだ。
 まあ4巻あたりまではそれなりにアツかったし、ゾクゾク感もあってまあまあよかったのだが、ここまで来たところでなんだかもうピークを越えちゃったかのような平坦さなんだよな。もちろん凡百の漫画に比べりゃ面白いし熱いのだが、曽田作品としては駄作になりつつあるのかもしれない。
 この6巻の内容なんて、2巻とほとんど同じだよな。なーんかなぜ今さらそこまで戻す!?って気がしちゃうよ。もう4〜5巻を踏み台にして、一気に突っ走っちゃってよかったんじゃないかなー。

 あと気になったのが、まあ大吾の後半以降ずっとそうなんだけど、ここへ来て描線の乱れがひどくなってきた感じがする。なんつーかねー。手を抜いてるわけじゃないんだろうけど、描き込んでいない絵ってのがほんと弱々しいんだよな。その辺がこの巻あたまの方ですごく気になった。
 それと、なんせ都合良すぎ。スバルがひったくりにあった時点で多分そうなるだろーなーとは思ったのだが、案の定犯人は同じバレエ団のメンバー。しかもスバルの理解者になってくれるときたもんだ。まーマンガなんだからいいけどさ。なんつーか、そんなベタベタなことして欲しくないよな。都合がいいと言えば、あんなところで多香子に会ってしまうのも、ねえ。多香子に出会う偶然よりは、たまたまスバルが見た公演に多香子が出ていたって方がいんでないの?

 てな感じでちょっと不安材料が増えてきた感じだが・・・んむー。
 まあこの巻は物語全体の中休み的な部分なのだろう、って見方もできなくはない、というか、ひとまずそういう好意的な見方をしておこう。うむ。ここからまたテンション上げて、最終的にインパクトのある作品になればそれでヨシだ(←偉そう)。
 なので、この巻に関しては厳しく★★☆☆☆にしておくが、相変わらず期待はしてますよ。

(発行日:2001/10/01)

 ローザンヌ後半戦.というか本番.
 ここでも期待を裏切らず,昴の非凡ブリが発揮されて・・・って感じ.
 しかしちょっと気になるのが,なーんかアップとコマ割だけで語ろうとしてるっぽいところ.もはや最初の頃ほどのインパクトはないといって差し支えないと思うのだが,そうなると絵で驚かすよりもストーリーで引っ張っていってもらいたいなーとか思っちゃうのだ.その辺,ちょーっと弱くないかなーとか.
 とはいえ相変わらずテンションも高くいい感じ.これをため読みがためにスピリッツを買わないようにしてるのだが,もうこの際スピリッツ買っちゃおうかなー.でも間が抜けちゃうのが悔しいよなー.うーむ.
 まあともあれちょっと辛目に★★★☆☆.

 相変わらずテンション高し.っつーか,このマンガってテンション下がらないよな.上がりっぱなし.はっきし言って読んでて疲れるのだ.いや,面白いんだけどね.

 で,舞台はいよいよローザンヌへ.ワーニャの指導の元,どんどんダンサーとしての純度を高める昴.再び昴を遅う悲劇.そしてその悲劇が昴をさらに強くする・・・・って感じだろうか.まあ展開としてはかなりベタベタな具合ではあるのだが,そこは曽田氏独特のテンションの高さもあり,なおかつスピード感もありでヨシ.っていうか,このマンガ,スピード速すぎ.主人公の昴は生き急いでいるように見えてしまう.それがちょっとなあ.
 あと,多香子はいいとして,真奈が最終予選まで残るっての,ちょっと不思議.ただでさえ昴の方が上を行っているはずで,それよりもさらに昴はうまく(?)なっているハズ.なのに,同じくらいのレベルの舞台に立ててるってのは,なんか変な感じ.いや,ワーニャの「お前はこのコンクールを“制圧”に来たのだ」ってモノローグもあるから,本来の力を出せば他の出場者なんて寄せ付けないのだが,予選の段階ではその本来の力を出し切っていないってことでもあるんだろうかね.あ,真奈も言ってるよな.「あんなコ、あんたの足元にもおよばないわよ。」「あんた全然、本気出してないじゃない!」そゆことか.
 ってな点も含めて,大吾あたりと比べて難しいマンガだよな.★★★☆☆

 ハマってます(笑).
 「昴」「め組の大吾」でおなじみ曽田氏の初連載作品.もともとは週刊少年チャンピオンに連載されていたモノで,通常のコミックスは秋田書店から今も発売中(普通に書店に置いている)なのだが,なぜか小学館から.そういえば曽田氏の初期の作品集ってのも出ているのだが,こちらはなんとアスキーが出版.なんかよーわからんことになってるなあ.まあどうでもいいんだけど.

 自転車のロードレースを題材として,高校生・野々村輝がライバルや仲間と出会ったり,いろいろな困難にブチ当たったりとかしつつってな,例によって暑苦しい感じの話.いやもちろんここでの「暑苦しい」ってのは誉めコトバね.氏の作品の一番評価すべきトコロだろう.
 「昴」「大吾」の順に読んできたくろひょうとしては,2巻くらい(40話くらい)までは実はあまり面白いと感じなかった.絵柄も,まあ古い作品であるせいもあるが,あまりアツくない.というか,如何にもチャンピオン風な絵柄.なのだが,まあそれなりにブルっとくるような場面はいくつかあったので3〜4巻あたりまで読む.と,4巻の真ん中あたり(具体的には73話)で全編を通して一番大きなアクシデントが発生する.するとどうだいおまいさん.ここから最終話までずーっと,毛穴全開で涙・鼻汁止まりませんでしたわ.やーまいった.曽田節だね,なるほどこりゃ「大吾」や「昴」に通じるモノがありますわ.「昴」「大吾」のどちらかを読んで面白いと思ったら,もう一方を読む前にコレを読んだ方がいいかもシレン.

 で,内容をもちっと細かく見てみると,この話,少年漫画の王道を少々逸していることがわかる.例えば全編を通して主人公はまったくといっていいほど成長しない.もちろん体力的な部分なんかは成長するのだが,メンタルな部分とか,いわゆる少年漫画の王道にありがちな「主人公たる成長」ってものがないのだ.いや,あることはあるのだが,それは本編においてまったく重要な部分ではない.
 加えて登場人物が少ない.全部で150話ほどあるのだが,ライバルらしいライバルってのは4〜5人しか登場しない.その他の脇役ってのも必要以上には出てこない.さらに,勝負のシーン・・・てのはつまり,例えばボクシングマンガや野球マンガなんかでいうところの試合,まあこのマンガではレースなのだが,その回数がやたら少ない.しかしほとんど全編がレースのシーンだといっても過言ではないくらい,主人公とライバル達は毎回汗だくになってペダルを踏んでいる.なんつーか,少ない予算でつくったものすごく濃いモノを,さらにグツグツと煮込んだような話なのだ.暑苦しいモノから一番濃いところを抽出したようなマンガなのだ.うわーヤダー(笑).あれだけ暑苦しいはずの「大吾」は,まだ事件と事件のインターバルが少しでもあるのだが,この「シャカリキ!」では4巻のその事件以後は主人公の出場するレースは1コだけで,最後までイッキに読んでしまえる,というか読んでしまうのだ.や,これ週刊連載だと毎回待ち遠しかったろうなあ.イッキに読めた分くろひょうはシアワセだったと思う.

 ま,そんな具合に曽田氏とかその辺のマンガがお好きな人にはたまらないモノになっているので是非.

 ★★★★★

 いやあ,単行本を発売日に買うなんて,何年ぶりかしら!?
 ということで待ちに待った昴の3巻.2巻の最後が,昴がコール・ド(群舞)を身につけていよいよ本番ってとこでこの巻は当然その本番から.2巻の引きから鬼気迫る「白鳥の湖」を想像していたのだが,昴はさらにその上を行ってしまう.んー,サブイボ立っちゃうーん♪(←あほッ!)
 その後タカコと出会ってストリートのダンスバトルなんかがあるのだが,全体としてはこれからの物語の展開のための布石,というか,早い話が物語全体のひとつの終着点を示す恰好になっている.ますます目が離せない.4巻は2月発売予定ですってよ.って早ッ!

 しかしねー.
 「大吾」読んでて気付いたのだが,この曽田正人ってヒトは時々手抜くね.コピーを使った切り貼りしてるところが案外多いんですよ.んまあ手法としての切り貼りってのも多くて,とりわけこの「昴」では幼少期の回想なんかも多くあって,そういうところでの切り貼りはいいんだけど,そうじゃない,手抜きのための切り貼りってのもあるんだよなあ.それがちょっと気になったかなあ.いや,この「昴」の3巻に関しては少ないと思うんだけどね.「大吾」では目についたからかな.
 とはいえなんだかサンデー,スピリッツの作家ってなんとなくこの「手抜き切り貼り」をやっちゃう作家が多いような気がするんだけど,気のせいかしらん・・・?まあ「多い」と言っても,明らかにこの人は多いなってのは「やったろ○じゃん!」とか「部屋(うち)に■いでよ」とかでおなじみの原●則氏くらいなんだけどさ(笑).いや,ほかにも思い当たる作家は何人かいるんだけど,最近その辺のヒトの描いたマンガって読んでないからちと自信なし.

 ちなみに山本直樹氏の場合は手抜きってんじゃないよな.あれはテクニックっぽい感じがするよな.っていうか,「ありがとう」とかでは多分わざと多用してたし.しかも彼の場合,「切り貼り」じゃなくって「コピー&ペースト」だし(笑).

 ★★★☆☆

 うっかち昨日一日で全巻揃えてしまったモノ.うっはー.いやーこのマンガ読破するのに果たしてどれほどのてっしを使ったことか.・・・っていや,もちろんてっしを使ったと言っても「大吾たんハァハァ・・・」とかそゆことではない(笑).もーわかっててもジンと来ちゃうんですわ.なんつーかこう,総毛立つというかね.全身の毛穴が開くような感じ.ガマンしようとするとハナミズがね,ツンっとね.や,「昴」のトキも同じような感じありましたけどね,こっちはそもそもが人の生死がかかってる話だけに来やすいんでしょうな.うむッ!

 話の大筋は,消防士・朝比奈大吾が直感でさまざまな危機から人を救出したり自分が助かったりってな感じの話.・・・あれ?これじゃ超能力とかみたいじゃないか.いや,そゆんじゃなくて,どっちかというと野生的なヒラメキみたいなモノなのだが,まあ案外同じようなことかもシレン.というか,それがなんであるかってのはこの際重要でないのだ.
 そもそも消防士という職業,なにが一番大事かって,規律とチームワークだ.人の生死にかかわる職業だけにこの辺は実際かなり厳しい.が,この朝比奈大吾は火事場でのそのヒラメキで次から次へとチームワークを乱したスタンドプレーを行ってしまうのだ.しかしそのスタンドプレーはことごとく正解なのだ.そのスタンドプレーがなければ誰かが死んでいたかもしれない,という場面ばかりなのだ.
 まあそんな具合に事件がぽろぽろと起きながら主人公が成長していくというおきまりなパターンなのだが,そうは言っても面白いモノは面白い.このページをめくった瞬間に鳥肌が立つ感覚てのは,この手のマンガが好きな人にしかわからんのかもシレンな.んむ,このマンガがあわないって人もいるらしいしなあ.

 物語は9〜10巻あたりから動き始める.といってももちろんそれまでも面白いのだ.や,それまでの方が面白いとおっしゃってた方もいたな.たしかに途中から都合が良すぎだろーってなことばかりなのだが,それでも面白い.まあ最終巻のニューヨークのはかなり蛇足な感じはしてしまうが.
 この手のが好きな人なら多分どこから読んでも1冊読めば全部読みたくなるマンガだろう.オススメ.

 ★★★★☆